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【少年と少女】
「こんにちはっ!」
いつも笑顔で出迎えてくれる店主さんへ、今日も元気良くご挨拶。
日課の町内パトロールと称して、日々旧市街のあちらこちらを駆けずり回っている、
結緑 一色
。ここ『思ひ出』もその巡回ルートに含まれておりまして、実に週一回は必ず顔を出しています。
その目的はと言いますと、ヒーローごっこをこよなく愛する一色ですから、もちろんのこと、ご町内の平和を守る……というのも、まあ、無きにしも非ず。ともかく、お店へ入るなり彼が一直線に向かったのは、わくわくどきどきのミステリーや、心躍る冒険小説が満載の本棚でありました。
(この前の続き、続きー……っと、あった!)
棚には名だたる大家、推理小説において一時代を作り上げた作家たちの名著や、かつてはジュブナイルとも呼ばれていた頃の傑作冒険小説などなど、そうそうたるラインナップ。一色は、最近少しずつ読み進めている探偵小説『明石与四郎』シリーズの中から、一冊を取り出します。一色の好きな、かの有名な推理小説の大家たちの名著には一歩及ばずながら、読んでみればこれがなかなか、楽しめるものでして。
さっそく席へとついて、オレンジジュースを注文……ちらり、頭の片隅には、ほったらかしの本日の宿題のことがよぎったりしますけれど。一色はどこ吹く風、さっそく読書にのめり込み始めるのでした。
(宿題なんて、あとあと! 今日も一冊読み終わるまで、帰らねえんだぜっ)
天真爛漫、ちょっぴりワガママ。そんな印象です。びっくりするほどスカートの似合う一色を、
蒼澄 永姫
はアイスコーヒーを飲みながら、微笑ましく見つめます。
(元気な子ね。私も昔は、あんな風に……)
明るい思い出と一緒に、蘇りかけた暗い記憶を振り払うように、永姫は席を立ちました。
眺めた本棚に、気になるタイトルはいくつもありましたけれど、彼女が探しているものは、たった一冊の本。かつて母に何度も読み聞かせてもらった、とある絵本です。思い出の一冊ではありましたけれど、それほど希少なものではないので、ひょっとしてここで見つかるかも、という期待を胸に、永姫はこの店を訪れました。
(あの本は……どこへやってしまったのかしら)
浮かんでくるのは、母の楽しそうな笑顔。
もともと、その本は母自身が少女時代にお気に入りだったもので、父へと嫁ぐ際に一緒に持ってきたのを、永姫にも読み聞かせてくれていたのでした。永姫がせがむたび、何度も何度も。それを読み上げる母の、あの輝くような微笑みが、再び、永姫の胸へと浮かんでは散っていきます。
その母も、それに父も。今はもう、どこにもいません。
(…………あった)
くすんだ青い表紙に、指が触れました。
『まひるの青い花』。覚えている通りの懐かしい表紙、青い花を手にした少女の素朴な絵に、永姫の顔は綻びます。
何度も、何度も読み聞かせてもらった本です。お話の全てを、永姫は詳細に記憶しています。
少女には、願いがありました。少女にとってとても、とても大切な願いが。そして知っていました、その願いを叶えるためには、青い花を探さなければならないことを。
少女は青い花を求めて、旅へ出ます。長く険しい旅へ。
様々な困難に直面し、辛い目に見舞われながら、少女は旅を続けます。けれどそのさなかに、少女はいくつもの素晴らしい出会いを経験し、助けてもらいながらに危機を乗り越え、どんな局面であっても諦めることなく……最後にやがて、たどり着くのです。青い花の咲く花園へ。
(少女は、願いを叶えた……あの頃はあまりピンと来なかったけど。今なら、良く分かる……彼女の強さが)
いわばお嬢様として、何不自由ない子供時代を過ごした永姫は、それを失ってから時を経て、ようやくにして気付きました。少女が願いを叶えることができた理由は、青い花を見つけたからではなく、そこへたどり着く過程……数々の出会いによって成長した、少女自身の強さにこそあったのだと。
ならば。自分は、どうだろう? 永姫はどうしても、自問することを止められません。
両親を亡くした後、その家督を継ぎ永姫を引き取った叔父が、小さな彼女へと向けた下卑た眼差し。触れられた手の嫌悪感。今も耳に残る、叔母の罵り声……この、泥棒猫!
一片の癒しとも言えた高校時代を経て、ひとりの大人の女性となり、叔父や叔母のもとを離れた今でも、夢に見るのです。
(私にも……悪夢から逃れる、強さが欲しい……)
青い花と少女を、ぎゅっと胸に抱いて。母との思い出をも、そこへと押し留めるかのように。
永姫は、伏せた睫毛を震わせました。
「なー。アンタ、大丈夫かよー? チョー顔色悪いじゃねえか」
お姉さんの何やら辛そうなお顔を、一色は見過ごすことが出来ませんでした。何せそのお姉さんときたら、肩をふるふると震わせながらに、今にも倒れそうな感じだったのです。ご町内の平和を守るヒーローを志すなら、ちょっともう放っておくわけにはいかなかったのです。
といった一色のヒーロー気質……気まぐれな思いやりかもしれませんけれど、ともかくそんな風に話しかけてみますと、お姉さんは一瞬はっとした顔を浮かべたものの。すぐにもケロリとして、魅力的な笑顔を浮かべまして、
「ええ、大丈夫よ、ありがとう。ちょっと、昔を思い出しちゃっただけ」
「ふーん? ならいいけどよ」
どうやら問題無いらしく、一色はそっけなく言うと、すとんっと読み終わった本を本棚へ収めました。
お姉さんがそれを見て、
「あなたは、今日はもうお帰りかしら?」
「そうなんだ。オレさまちゃん、ここに来るとチョー時間忘れちまって、いっつも母ちゃんに怒られちゃうんだよなっ。早く帰んないとゲンコツが待ってんだ、チョーいてーんだ」
「あらあら。それは大変ね」
くすくすと笑うお姉さんは何だか色っぽくて、一色はちょっぴりどきりとしながらも。カウンターの向こうの店主さんへ、
「ジュースごちそーさま! はいっ、100円!」
『思ひ出』では、店主さんのご好意で、小中学生の飲食は何と無料! ということになっておりまして、一色がいただいたオレンジジュースも、本来であればお金を払わなくても良かったりするのですけれど。
律儀な彼は、無料は良くない! と彼なりの倫理観があるらしく、いつもお小遣いから貴重な100円を、キッチリお支払いすることにしているのでした。
お姉さんはそんな彼を、笑みを浮かべながらに、静かに見つめています。
「……あなたはきっと、強い子なのね」
「ん? 何が?」
答えずにただ、ぽむ、と頭に乗せられた、やわらかい手のひら。優しく撫でる心地良い感触に、一色はついつい、思わずしばし、うっとりと目を細めました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月03日
参加申し込みの期限
2015年07月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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