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<鈴島海賊の秘宝III>海へ
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●お掃除の時間よ
しばらくは舵に触れるべからず。
それが、梨香が予め紅梟号のクルーに伝えておいたことだった。より正確に言えば、今は木乃伊の姿で船長室に横たわる紅梟号の本来の船長・坂内 コウが、まだその肉体を拝借していた時分に伝言として書き残しておいたことだった。
風と潮の流れに身を任せることが、目的の場所に辿り着くための唯一の方法であるらしい。
いよいよ出航した紅梟号の甲板に佇み、
握 利平
は太い帆柱に沿って視線を上げた。
「漁船はしょっちゅう乗るけど、帆船は初めてだな」
代々漁師の家に生まれ子供の頃から手伝いをさせられてきた利平が船の構造に興味を持つのも自然なことだ。
前の帆柱には二枚の四角い横帆が、後方のより太い帆柱には三角の縦帆が、賢者の外套のように優雅に広がっている。それらの帆は本来は船体と同じ真紅のはずだが、今は夜空を切り取る黒い窓のような墨色に見えた。古い船だが帆柱は立派で、それを固定する為の太いロープが船体との間に幾本も渡され重なり合う様も美しい。利平の口から思わずため息が漏れる。
「帆の有る船ってーと、ガキの頃作った帆付き筏ぐらいか? あの時は沖に流されて死ぬかと思ったぜ。気合いで帆を操作して帰って来たけどな」
そんな大事件も、今となっては忘れがたき冒険の思い出だ。あのときの緊張、海の無常さ、美しさ、そして何より必死に頑張った幼い自分を思い出すごとに、利平の心は帆と同じように膨らんでゆく。
「うおおっしゃ! お宝が俺を待ってるぜ!」
気合を入れたその時、きゃきゃっと鳴き声がして利平の顔面にやわらかいものがへばりついた。驚いて引きはがすと、しっぽの長い小ザルが真っ黒な瞳で嬉しそうに利平を見つめている。
「ん? お前こないだのサルか? 元気だったかっ!」
そうだ。赤い寝子島のオアシスで出会った小サルだ。元気だった、と答えるかのように小ザルは嬉しそうな鳴き声をあげる。そして小ザルはそこが自分の定位置と言わんばかりに利平の肩に乗った。
「よっし、今からお前の名前は
しっぽ
だ。一緒に船を見て回ろうぜ」
◇
さて、老貴婦人のような、と形容したくなるような気品ある紅梟号であったが、そうは言っても永き眠りから醒めたばかりの船である。遠目に美しくてもその船内を歩いてみれば傷みや汚れは目につくものだ。
旅の始まりにあたってまず活躍したのがお掃除班である。
「ここはホーム。海の上のホーム。だったら皆が住み良いようにしたい、かも」
音海 なぎさ
が住環境の整備を提案すると、賛同者は次々と現れた。
「とりあえずこの船で何日か過ごすことを考えて真っ先にやらなければいけないのは掃除ね」
弘明寺 能美子
が床の埃に視線を落とす。
桜庭 円
も頷く。
「そうだね、お世話になる船だし」
エヴァ・ブランシェ
も扇子で口元を隠しながら大いに頷く。
「部屋の乱れは心の乱れ。長旅になるかもしれないし、綺麗にするに越した事はないわよね」
薄野 九月
も、水色と白の縞Tシャツにキュロットスカート姿という格好そのまま、下っ端海賊になった気分で腕まくり。
「わたしは台所と食堂を掃除するよ! そこを綺麗にしないとご飯食べられないもんね!」
「賛成」とエヴァ。
「私も手伝います……」
御巫 時子
もおっとりと微笑む。
「じゃあ手分けしよう」となぎさが言った。「海が静かなうちにできるだけ暮らせるようにしようよ」
そこで彼らは持ち場を決めた。九月とエヴァと時子は台所と食堂を、全員が水回りだと効率が悪いので、能美子と円は通路と船室を。なぎさも船室の掃除を申し出たが、その前にざっと歩いてどこにどんな部屋があるかを確認することにした。
◇
船内は大きく三層に分かれている。
上層甲板には小舟や樽が備えられ、一段高い船尾楼にあたる部分に船長室、船尾甲板に操舵室がある。
甲板の中央付近にある急階段を下りると下層甲板があり、ここが船員たちの主な居住スペースとなっている。中央に通路があり、左右に船室が並ぶ。それらのいくつかは船員室で一部屋に4~5人は寝れそうだが、如何せん埃っぽく、部屋によっては木箱なども散乱していてすこし臭い。船尾寄りに食堂、その隣が台所。最後方部分は一際広い船室で、通路からと台所から、2箇所出入り口がある。
さらに階段を下りると最下層甲板があり、仕切りで区切られた船倉となっていた。樽詰めされた水や食料品、武器庫、火薬庫などもある。その下は船のバランスを取るための石や丸太――いわゆるバラストが詰めてある。
メモを取りながらひととおり歩くと、なぎさは、食堂の隣で階段からも近い比較的綺麗な一室を医務室にすることに決めた。丁寧に掃除をし、メディカルバックの中身を手に取りやすい位置に並べる。
「包帯、救急絆創膏、塗り傷薬、湿布、酔い止め。ピンセットやハサミ、留めるためのテープもおいておいたほうがいいね」
ノックの音がした。顔を出したのは
マウル・赤城・スティック
だ。
「ちょっといいか? いくつかの船室は掃除せずそのままにしておいてほしいんだが」
「いいけど、どうして?」
「戦いに備えて罠を仕掛けようと思う。何が起こるかわからないからな」
本当にそうだ、となぎさも思った。雲行きが怪しいから、何が起こってもおかしくない。
「いわゆる、備えあれば憂いなしってやつだね」
「ああ。あとは船内の見取り図があればいいが」
それなら、となぎさは自分が見知った船内の様子をマウルに伝えた。
「助かる」
マウルはある船室を選び、罠を仕掛けることにした。
医務室が出来たと聞いて、
椿 美咲紀
がやってきた。眩しい白の水兵さん風のワンピースは、元気いっぱいな美咲紀によく似合っている。ぴしっと敬礼して入室した美咲紀は、整えられた医務室の様子に目を輝かせた。
「海の上だからこそ体調管理は大事です! 私もいろいろお薬持ってきましたよ!」
消毒スプレーと絆創膏、包帯やガーゼ・サージカルテープ、ポリ手袋・ハサミ・オロニャイン軟膏。
「ありがとう。これで備えはばっちりだね」
なぎさが微笑むと美咲紀もにっこり。
「私達はこの船のナイチンゲールですね! 頑張りましょう!」
では! と美咲紀は再び敬礼する。
「私は船酔いしている方にお薬を届けに行ってきます!」
◇
台所と食堂の掃除も順調だった。
モップや雑巾、箒や木桶などの掃除道具は船倉に充分なだけあった。九月は割れ物を包むのにちょうど良さそうな布も見つけた。それらを台所に持ち込んで、少女たちはてきぱき動く。
「宝の島ー! 宝の島ー! えへへ。ワクワクするねぇ」
キャスケット帽子を口に当てて埃避けにしながら、九月は壁や天井の隅を叩く。黒ずんだ綿埃の塊が驚くほどたくさん落ちる。時子はそれらを掃き清めながら、一方で九月の手際のよさに感心していた。
「お若いのに、お掃除、お上手ですね……」
「えへへ。食事処の娘だから綺麗じゃないと落ち着かないんです。料理はあんまり得意じゃないんですけど」
そんな九月を時子は好ましく思う。たしかに、食べるところは綺麗な方がよいものだ。
「ところで掃き掃除は終わりましたが、雑巾がけはどうしましょう……」
「本当は水拭きしたいけど、飲み水無理に使えないから床はひとまず乾拭きで何とかしますかー」
すると食器棚を片付けていたエヴァが眉をしかめる。
「この埃まみれの皿やらカップやらも乾拭きの方がいいの?」
「いやあ、食器とか調理器具は口に入るものだから飲み水借りましょう」
水は大事に、でも必要なときはケチらず。そうやっていくしかない。エヴァが使う分の食器を水洗いする間に、九月は船が揺れても大丈夫なように使わない分の割れ物を布に包む。
「皆が疲れた時やお腹がすいた時に、直ぐにご飯を食べたり休めたり出来るようにしたいですねぇ」
「そうね、頑張りましょう」とエヴァが言った。
「ええ……」
時子も雑巾を掛けながら微笑む。
じっさい、台所と食堂はまもなく居心地のよい空間になった。
エヴァが船倉から薪を運び入れてくれたので、火も使える。
「……まああたしは料理しないけど。基本的に丸焼きしか作れないし」
そこに顔を出したのは
逆巻 天野
だ。
「ああ、綺麗になったね。掃除してくれてありがとう。これささやかだけど夜食。みんなで摘んで?」
天野が差し出した黒い重箱には、御握りやちょっとしたおかずが綺麗に詰められている。
「わ……すごい!」
「……月夜に飛び出して行くだろう人の事を考えて持ってきただけだから。じゃ」
天野はそれだけ言うとすぐに立ち去る。
「嫁に欲しいわね、彼」エヴァは重箱の蓋を締めながら苦笑した。「女としてちょっと凹むわ」
「まあまあ……」と時子が慰める。
九月が改めて元気よく言った。
「わたしたちもすぐ摘まめるように、なにか作りましょうよ! 天野先輩がおにぎりだから、パンを切って間に野菜やお肉と挟んでサンドイッチとか。切って挟むだけなら、私でも出来ますよー!」
この九月の提案で、三人もサンドイッチを作ることにした。
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担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月20日
参加申し込みの期限
2015年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月27日 11時00分
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