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真夜中は異世界の扉
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一筋の光も見えない完全な闇に警報のような軽い音が鳴る。数十秒と続いて場面が映し出された。立体を廃した世界の始まりであった。
空は単色で赤い。雲の部分は夕焼けの設定を無視して極端に白い。周囲の山々は三角形で稜線は角張っていた。
それらを一望できる崖の突端に女性がいた。腰まである髪の長さと赤い唇で辛うじて性別がわかる。
下部の空欄に言葉が出る。
「いったい何事ですか。俺をこんな場所に呼び出してー?」
不機嫌な発言はウニを模した髪型の
初島 優
であった。茶色のレザーコートは見事な長方形で板状のチョコレートに見える。
女性は無表情のまま、立っていた。優は右手と右足を同時に上げて近づいていった。
「……わたし、あなたの幼い顔が好きなの」
「それはどぉーも。俺は童顔をあまりよく思ってないんですけどねぇ」
中黒のような目と横線の唇で優は言った。
「そんな幼い顔なのに裏の顔は大人だったのね。他に女がいるんでしょ?」
「いやだなぁー。そんなことあるわけないじゃないですか。俺は時枝さんしか、愛していませんよ」
「わたしに触らないで!」
女性は手足を動かさないで回り込み、優を頭突きで吹き飛ばした。
「こ、こんなところで俺がー」
優は空中で瞬時に真横になって崖から落ちていく。
「や、やったわ」
震える声を出しながら女性は崖下を覗き込もうとした。
その時、背後で声がした。身を隠すところはどこにもない。慌てたせいで女性は足を滑らせた。のっぺりとした茶色い地面に強かに顔面を打ち付けると、楕円に近い血が吹き出しのように表示された。
「……痛くても、ここはがまんよ」
間もなく、ほぼ同じ顔をした二人がやってきた。倒れている女性の側で万歳をした。喜んでいるのではなく、おそらく驚きの表現である。
「人が倒れているわ。どうしましょう」
「事件に巻き込まれるのは嫌だわ。急いで離れましょう」
関心の薄い言葉の遣り取りで二人は出番を終えた。
「迫り出した岩のおかげで助かったぜぇ」
優は崖から顔を出して四角い汗を浮かべる。きょろきょろの擬態語のあと、一気に跳び上がって生還を果たした。
「こ、これは」
倒れている女性に気付いた優の顔は一瞬で青色になった。予想しない事態に直面して思考が停止したかのようだった。
世界は暗転して白抜きの文字が一か月後の時を告げた。
優は崖に戻ってきた。隣りには時枝の兄を名乗る
畑生 言嗣
がいた。黒いヘルメットのような頭に手をやる。
「私の妹の行方が分からなくなった。行き先を聞いていないか?」
「いきなりですねぇ。まぁ、こちらも決着を付けにきたんで。お兄さん、いや、名探偵さん」
「そうか、話が早くて助かる。警察の依頼で霧島時枝の身辺を探り、貴様に行き着いた。好色が過ぎてかなり派手に遊んでいるらしいな」
優は口角を一ドット上げて笑った。
「人を色魔みたいに言わないでくださいよぉ」
「本題に入る。霧島時枝の気性から考えて、貴様がここに呼び出されたのだろう。崖の下には無数の針が生えている。突き落とすには絶好の場所だ。しかし、女は非力で逆に返り討ちに遭った、違うか?」
「結果はそうなりますかねぇ。でも、俺に殺意はありませんでしたよ」
「そうかな。二股の一人は大手製薬会社の社長令嬢だ。時枝に騒がれては困るだろう」
言嗣の言葉で優の口が丸くなり、空欄を笑い声が占めた。溜息のような文字が区切りとなった。
「それは二股の場合でしょ。俺は八股ですよ。全員を同じように愛している。だから一人にバレたくらいで殺意なんて、とんでもない」
「じゃあ、なんで殺したのよ!」
灰色の頭にVの字を乗せた
天馬 ひびき
が飛び出してきた。右手に海苔のような物を持って刑事を名乗る。
「俺にだってわからないんだよぉ。倒れていた時枝を抱き起そうとしたら、崖の方に転がっていって……」
「どういうことだ? 貴様が突き飛ばしたのではないのか」
優は身体を固定して顔だけを左右に振った。
「……なるほどね。これは任侠堂のハード機器である、ニャムコンが起こした悲劇なのよ!」
ひびきは片手を突き上げて力説した。二人の前で左右に滑るように動いて文字の咳払いをする。
「優は崖の上に倒れている時枝を見て、介抱しようとしたのよね」
「そうだ、理由はわからない。時枝が血を流して倒れていたんだよぉ。それで慌てて抱き起そうとしたんだ」
言嗣は上下に動いた。
「足場が悪いな。なにかに慌てた拍子に転倒して怪我をする。可能性がないとは言い切れないか」
「そうね。じゃあ、ここで実験をしてみるわ。言嗣、私を抱き締めて」
「いいのかね?」
「もちろんよ。そうじゃないと実験の意味がないし」
ひびきは両手を左右に広げた。言嗣は崖を背にして突進する。
「にょえええええええええ!」
頭部を蹴られた格好で、ひびきは吹っ飛んで見えなくなった。
「どうして吹き飛ぶのだ? 私は抱き締めるつもりだったのだが」
「……それ、時枝の時と同じだよ」
中黒の目を少し大きくして優が呟く。
「結果はわかっていても、びっくりしたわ」
「そろそろ説明を聞きたいのだが」
戻ってきたひびきに言嗣が回答を求めた。
「あのね。ニャムコンは大昔のゲーム機器で、それで作られたゲームにはたくさんの制約があったのよ。その中の一つに『オブジェクトを重ねる行為ができない』っていうのがあったわけ。無理に実行しようとすると、さっきみたいにバグで吹き飛ばされてしまうのよ」
「たとえゲームの仕様であっても、俺は時枝を殺してしまった。この罪は絶対に消えやしない」
優は右手と右足を懸命に動かして崖の先端に移動した。
「やめるのよ! そんなことをしても被害者は戻ってこないわ。それに残された優の恋人たちはどうするのよ」
「刑事さん、そんなことはわかっているんだ。でも、彼女たちと同じように時枝も愛していた。だから、俺は!」
「絶対にさせない!」
ひびきは素早さを活かして突っ込んだ。間に合ったものの、優は簡単に吹き飛ばされて崖下に落ちていった。
「……少しの差で間に合わなかったわね」
「貴様、恐ろしい奴だな」
二人は崖から下を覗き込んだ。三等身の骸骨の横に優が仰向けに斃れていた。弾き飛ばされない限界の位置で手を繋いでいるようにも見える。
「望み通り、あの世でお幸せに」
「貴様、本当に恐ろしい奴だな」
ハリノヤマ殺人事件の主題歌、もれいび達のララバイが静かに流れる。黒くなった画面に主役の三人が挙げられて「END」の文字と共に静寂が訪れた。
室内が明るくなった。独立した革張りのソファに座っていた三人はスクリーンに向かって拍手を送った。ひびきは頬を赤らめて夢中で掌を叩く。
「MMORPGの中でレトロゲームを楽しめるなんて、ある意味すごいよね」
「面白かったけどさぁ、たぶん間違った遊び方だと思うよ。魔王とかまったく関係ないしー」
優は組んだ足先を振って言った。
「遊び方に正解なんてないよ。はりじごくでロケしよう、って話も変更になったんだから。希望の仮想世界で主役になって観客にもなれる! そんなお店のサービスに私は大満足だよ。エンディングも感動した」
「そのような話だったか? 演技ではない発言に末恐ろしいものを感じるのは私だけなのか」
「まぁ、それなりに楽しかったよなぁ」
優の意見に異論を唱える者はいなかった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
冒険
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月18日
参加申し込みの期限
2013年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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