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【ハロウィン】夜を往くもの
【IF】夜を往くものたち
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【半身】
ひどくざわついた、不安に胸をかきむしりたくなるような、そんな夜でした。
隠し切れない胸中を少なからず顔に滲ませながら、
シュウト
はひとり、部屋に佇んでいます。外の騒ぎ、これより始まる争いのことなど、人である彼は知りません。
彼はただ、孤独に喘いでいました。こんな夜はひどく、胸の内を占める孤独が……いつだって自分を苛み続けてきた孤独が、大きく、重くのしかかってくるかのようです。家族というものへの、憧れが。
手には、一振りのナイフ。
(来るのか……今夜。あいつが……)
冷たい銀の感触と、脳裏へ呼び起こした『あいつ』の顔を、照らし合わせて。その胸へと深く、深く刃を突き立てたときの感触、肉を貫くイメージを、シュウトは繰り返し想起します。
(……気付いていれば……あいつが、人じゃ無いということに)
つい、『あいつ』を部屋へと招いてしまった迂闊さを、彼は悔やみます。
けれどそれも、無理からぬことではあったのです。誰かが笑顔で近づいてくるのを拒めるほど、彼は親愛を寄せられることに慣れてはいませんでした。
物心つく頃には、既にたったひとりきり。いつも喘いでいたのです。心を、身を苛む孤独に。
『あいつ』。
ヒュウガ
。偶然知り合った彼が、人ならぬ夜の住人、吸血鬼であると気付いたのは、乞われるままに、彼が部屋へ訪れることを許した後でした。
彼は、ヒュウガは、鏡に映らなかったのです。
彼が夜半に自分を尋ねたがる理由に、シュウトとて思いもよらないわけではありません。
けれど……自分がそのことに、思うほどには恐怖を抱いていないことに、シュウトは疑念を抱きます。
吸血鬼。ヒュウガは、突き立てるのでしょう。口を開けば垣間見える、長く鋭い牙を。首筋へと。深く、深く突き立て、啜り上げるのでしょう。甘美な雫を、存分に。
だというのに。
(……なぜ……俺は)
ヒュウガが語った言葉は、思いのほか深く、シュウトの孤独に根付いていたのでしょう。今になってはっきりと、それが理解できました。あるいはそれも彼の思惑通りであるのかもしれないと、半ば気付きながらに。
まるで遠い昔に亡くした、双子の弟のようだ、と。生き写しのようだと……ヒュウガはシュウトを、そう呼んだのです。
(俺には、関係の無い話だ。弟だって? 俺には家族なんていない)
分かってはいるのです。それが彼の、言わば手管であるのだと。そのはずなのに、気付けば……するりとシュウトの胸に、彼は入り込み。支配してしまったかのよう。
未だ血の一滴も、吸われてはいないのに。
まるで、確かに、そう。彼の顔は、鏡合わせに覗き込んだ、自身の分かたれた半身のように思えてきて……。
(いや……違う。違う!)
手の中の銀器の冷たい感触が、彼を現実へと引き戻します。
(あいつの言葉に、声に、耳を傾けてはいけない。家族だと……弟だなどと……抗わなければ。俺が、滅ぼさなければ)
吸血鬼を。
たとえ魅入られているのだとしても、いや、だからこそ自分が、あの怪物を……!
「っ!?」
こつ。こつ。
窓の外から。ノックが、二回。
きい、と窓枠の蝶番が軋む音すら、今日という夜を祝福してくれているかのよう。
「……こんばんは」
ふわりと部屋へ降り立てば、獲物は、震えるでもなく。静かな瞳で、けれど敵意を滲ませながらに、こちらを見つめています。
ああ、やはり。ああ、と、ヒュウガは思います。
やはり、良く似ている。
「お招きありがとう、良い夜ですね。シュウト。そろそろ、俺のものになる覚悟はできました?」
「断る」
彼の即答は、とうに分かりきっていました。それがどちらであろうと、ヒュウガには関係の無いことです。
妖艶な。艶かしい微笑みを浮かべて、ヒュウガはただ、見つめるだけ。それだけで。
ぐらり、青ざめた顔のシュウトはよろめき、ふらついて。吸血鬼の持つ魅了の瞳が、投げた言葉が確かに彼を捉えているのを見て、ヒュウガはますます口元を歪めます。
彼を、手に入れる。自分のものにする。いつか亡くしてしまった半身、双子の弟に良く似た……シュウト。彼を。それが、ヒュウガの望みなのです。
「そう……それでいいんです。そうすれば、貴方はひとりではなくなる。孤独から解放される。十分に考える時間は与えたでしょう? そろそろ、決心しても良いはずだ。なのに、貴方は……」
ゆらり、揺らめいたシュウトの……腕が、翻り。
閃く、銀の光。隠し持っていた一振りのナイフが、ヒュウガの胸を深く、深く抉り……。
「……!? な……」
けれど刃は、空を裂き。
一瞬にして、黒く霧散したヒュウガの身体は瞬く間にシュウトの背後へと収束し、再び姿を現します。
「俺は、強者。貴方は弱者。
逃れられない……絶対にね」
あまりにも目まぐるしく、シュウトには何が起こったか、見えてはいなかったでしょう。霧と化して背へ抜けて、ナイフを叩き落とし、すぐさま彼を床へと引きずり倒し、硬い木板へ叩き付け。
「ぐ……っ」
組み敷いて。
「……俺は……お前のものになど……!」
「あなたは、知らないだけだ。素晴らしい夜の世界を。月の下を往くということを」
床へ落ちた、銀のナイフへ。今度こそ、吸血鬼の胸へとその刃を沈み込ませるために、伸ばした腕を。身体を……シュウトの全てを、ヒュウガは、押し留めます。もがいても、もがいても。床板が、彼の関節が、みしりと軋んだ音を立てようとも。何度も、強く。
「ああ、その目。本当に良く似ていますね、貴方は……あの時と同じだ」
「何の、話を……っ」
「いえ、俺はね、そんなつもりは無かったんですよ。誓ってね。でも、あの夜……弟も、俺に刃を向けていた。貴方と同じように」
うっとりと。過ぎ去った思い出を懐かしんでか、ヒュウガはシュウトを組み敷いたままに、緩ませた口元から覗かせます。
牙を。
「少し、ね。ほんの少し手元が狂ってしまった、それだけだったんですよ。力の加減を誤って、うっかりと。弟を、殺してしまった……後悔したんです。すごく、すごくね。だから、貴方を見つけた時に、決めたんですよ」
ヒュウガの下で、徐々に、弛緩していく身体。もう、彼も理解したことでしょう。目の前の男に、ただの人である自分などが到底、叶うはずもなかったのだと。手のひらの上で弄ばれているだけなのだと。
「今度は、大事にしよう……って」
ヒュウガは嗤います。囁きます。耳元で。
……俺のものに、なれ。
「っ、あ……ッ!」
やめろ、と叫ぶつもりだったのでしょう。けれどシュウトの口から迸ったのは、か細い悲鳴、喘ぎのみ。
首筋。突き立てた牙。
「あ、あ……あッ」
溢れ出る……この、熱い雫。こくり、こくりと喉を鳴らして飲み下すたび、蠕動のように跳ねるシュウトの身体から、力が……瞳からは、光が。抵抗の意思と共に失われていき。
ヒュウガがたっぷりと堪能した後には、熱く潤んだ目で自分を見つめる、弟の姿だけがありました。
「大事にしますよ。今度は、ちゃんと。貴方をひとりにはしません……俺が守りますからね。狩人たちからも……孤独からも。必ず」
そっと優しく。その頬へ手を添えれば、弟は細く、けれど歓喜の情が滲む声を零して……兄はその甘美な響きを聞き、うっとりとして笑みを深めました。
「…………にいさん」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
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ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月05日
参加申し込みの期限
2015年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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