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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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虹司はパイ専門店『Huit Feuilles』にたどり着いていた。
時間が遅くなったのは、道に迷ったからじゃない。
それどころかむしろ三夜虹司は、『Huit Feuilles』のオープンの瞬間、これを待ちわびる行列の先頭にいたのだ。目元に大きなクマを作ったままで。
けれどシャッターが開き始めたとき、説明のつかない恐怖と混乱が彼の寝不足の頭を襲い、虹司は「うわあ!」と心の中で声を上げるや、不思議そうな顔をする行列客を尻目に、その場から猛ダッシュで逃走してしまったのである。
だから店が開き、
「いらっしゃいませー!」
と、八葉るちる、八葉あいら、そして
八葉ひまり
の三人がそろって声を上げた輝かしいその瞬間、彼はその場にいなかった。
ただ遠くでうっすらとその声を聞き、名も知らぬ街路樹を抱いて悶えていただけなのだった。
それでよかった、のかもしれない。徹夜してかけつけたばかりという精神状態であの光景を直視していたとしたら、虹司は失神していたかもしれないのだから。
だが虹司は戻ってきた。一応小休止をして水を飲み、少しだけ食事をすると頭の回転が戻ってきた。それでも断固、寝ることだけは拒否して頭を回転させ、彼はある方法を思いついたのだ。
ハロウィンであることを利用すれば良かった、それだけのこと。
だから今、『Huit Feuilles』の前に舞い戻った虹司は、家から持ってきたシーツを頭から被っていた。
これで十分、古典的ゴーストの登場だ。
「顔も見えないし、これなら視線を気にせず……」
ふふ、と笑みが浮かぶ。働くひまり、健康的なあせをかくひまり、しかも仮装したひまりを、これで思う存分、心ゆくまでレンズでとらえることができるというものだ。(おっと、虹司の想い人が八葉ひまりであることをまだ明かしていなかったか、っていうか
バレバレやろが! 強調文字まで使っといて!
……失礼)
そうなるとなんだか気持ちが軽くなった。
普段とは異なる街の様子を、観察し写真に撮る心の余裕も出てきた。
こうして改めて見ると、本当に、ここだけ異世界になってしまったようにも見えるではないか。
街ゆく姿の多くは仮装、街も不思議な飾り付けがなされており、秋もそろそろ終盤だというのにすべてが熱を放っているように感じる。
カメラのメモリーは十分すぎるくらいある。せっかくだ、ひまりのいる店に入る前に、少し散策してこの光景を記録しておこう。カメラだけシーツから出すようにして、レンズを外の世界に向ける。
こうして虹司がパシャパシャと撮影をしている途中で、
「あれは暗くん……?」
彼は自分の従兄弟、
三夜 暗
の姿を認めた。一応、写真で一枚撮ってみる。
「人は皆、仮面を被って生きている……ある時は学生、ある時は弟、或いは兄……だが、人の本性はそのうちのどれだろう?」
彼……なんかブツブツ独り言を言っている……。
もともと厨二病というのをきっちりかっきり発病したリアル中学二年生、それが暗という少年だから、今さらあの程度の独り言、驚くべきことでもないのだが、なんというか、今日はその度合いがきつい気がする。
暗はパレードを闊歩していた。カッポカッポ、そんな音はしないのだがそんな効果音が似合う感じで。
仮装しているかと思いきや、その姿は中学の制服だ。きっちり首元まで締めた学ラン、当然改造学ランなんて半端なものは着ない。世紀の学ランだ。
気にしてもし肩がない気がしたが、つい暗の独言の続きがきになって、そろそろと虹司は彼に近づいていった。
「人の本性はそのうちのどれか!? そんな問いであったな」
暗の奇怪な言動は続いていた。誰かと対話しているのだろうか? いやまあ、対話方式の独り言という上級技なだけな気もする。
「
どれも違う!
」
いきなり暗が大声を出したので虹司は飛び上がりそうになった。
「俺は俺であり、そのいずれでもない。つまり、一中学生としてここに現れた俺は、それだけで一つのの仮装をしているとは言えまいか?」
涼しい顔をしているが暗の言葉は、ものすごい屁理屈のようにしか虹司には聞こえなかった。
「さらに言えば、俺は常に人としての姿を模している。俺は生まれてからこの方、常に『人』を装い続けているのだ……今日一日限りではなく……な」
なんだか詠嘆している。その言葉は詩、ではある。ポエムである。
ただし詩人は本来『ポエト(poet)』と訳されるが、暗の場合『ポエマー』という和製英語を授けたい雰囲気であった。
ここで、はっとして虹司は身を隠した。
このとき、往来の向こうから、暗の兄(つまり虹司にとってはやはり従兄弟)
三夜 雷一
の姿が見えたからだ。ただ、雷一は暗にも虹司にもに気がついていないらしい。角を曲がってどこかに向かっていった。
そして暗のほうも、雷一に気がつかぬまま吸い込まれるようにして兄と同じ方向に歩んでいく。
たしかあっちは、仮装コンテストの会場だったと思う。
「よく考えたら、俺、シーツで姿が見えないから隠れなくてもよかったな……」
それでも、自衛策をとっておいたのは正しいという気もした。なにせ雷一ときたら、ときどき妙に勘が鋭いところがあるのだ(特に、彼のペットであるスナネズミが絡んだときには)。そして、そんな雷一が、正直虹司は苦手である。
さあ、そろそろいいだろう。もう一度行こう、そして今度こそ入ろう。いざ、パイ専門店『Huit Feuilles』へ!
狼姿の子どもがふたり。
双葉 由貴
と
椎名 あさひ
だ。もう何回目かのハロウィンを、今年はおそろいの狼姿ですごすのだ。
太陽が地上に降りてきたようなこの騒ぎも、ふたりにとっては、毎年恒例の行事である。
なお衣装は、あさひの母親が二人分作ってくれたものだという。
「人がたくさんでにぎやかだねぇ!」
「ああ、今年もすごい人だな」
はじめてこのパレードに参加した人は大抵、あふれるようなパワーに圧倒されがちなものだが、さすが地元っ子、二人とも自分の家の庭のごとく、すいすいと混雑の中を歩むのである。
「あの人は何のカソーなのかなぁ」
あさひが示した方向には、普通に学ランを着ただけの少年の姿があった。彼はこんな独り言を口にしながら闊歩している。
「人は皆、仮面を被って生きている……ある時は学生、ある時は弟、或いは兄……だが、人の本性はそのうちのどれだろう?」
……三夜暗だ。
なんだか危ない予感がしたので、由貴はあさひの両肩を持って行き先に向ける。
「まあいいじゃないか。あんまキョロキョロしてるとはぐれるぞ」
俺がしっかりしないとな、と由貴はあさひの先導役を自負しているのだ。
ところが彼の心を知って知らずか、
「わぁ、あのネコさんもカソーしてる!」
と、もうあさひはまた進行方向から大きく逸脱して、仮装で歩く人を指さしたりしているのだ。
「おい! 人を指さしたら失礼だろ、っていうか、急に移動しないでくれ!」
ぱっとあさひを連れ戻し、由貴は彼女に言い聞かせる。
「だから、はぐれたら困るだろ? ちゃんとこうして……」
由貴は手をつなぐつもりで右手を差し出したのだが、見事にそれはスルーされていた。
「こうすればまい子にならないよねぇ?」
あさひはにっこりと、由貴の尻尾(もちろん仮装の)を握ったのだ。目の前をゆらゆらしている尾が気になったのである。
――仕方ないか。
ちょっと驚いたが、便利なのは確かだ。
「ちゃんと捕まってろよ」
と言って由貴はあさひを先導して歩くのである。目指すは『Huit Feuilles』だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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