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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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『Huit Feuilles』は相当な混雑だが、
日暮 ねむる
は行列に並んで、待つことすらも楽しんでいた。
なぜ、と理由を問うなかれ。
ねむるの隣には
壬生 由貴奈
の姿がある。それで説明は十分ではないか?
「例年通り家で引きこもってるつもりだったんだけどねぇ……まさか、ねむねむから誘われるなんて思わなかったよぉ」
由貴奈はなんとも不思議そうな顔をしている。毎年のこの日、外へ出ていないというのは本当だ。彼女はがんばって頭の中ををたどってみたのだが、ついに一度も、この日外ですごした記憶はなかった。
そんな由貴奈は特に、仮装らしい仮装はしていない。けれどもしっかりおめかししており、十二分に魅力的だった。
そんな彼女となんとなく、しっかり目を合わせるのが照れくさくて、ねむるはまっすぐ前を見て言う。
「お菓子をタダで食べられるイベントと聞いたから……由貴奈さんも喜ぶかと思って」
「うん、まあお菓子は好きだよ。一人で行くのは面倒だっただけだから、誘ってくれて感謝してる」
それはよかった、と明るく返事しながら、ねむるはこんなことを思ったりもするのだ。
――僕たちって、どんな風に見えるかな……?
友達同士に見えるだろうか、仲の良い姉弟? いや、やっぱりデート中のカップルに見えたりする……だろうか?
などと考えているうちに、もうカウンターのところまで来ていた。
中学生くらいの可愛い店員さん(八葉るちる)に、ねむるは明るく告げた。
「トリックオアトリート、僕たちにも美味しいパイを頂けるかな?」
「どーもーお邪魔しまーす、パイくれないとパイ食べちゃうよぉ……あれ、違う?」
と笑う由貴奈の手にも、しっかり焼きたてのパイが手渡されたのである。
すぐに外で食べる。ちょっとした日陰で、笑み交わしながら。
「いっつもクッキーしか食べてないから、パイは新鮮だねぇ」
さくっと口にするとまず、パイ皮の香ばしさが胸中に広がった。そして歯触り、とろりとした舌触り、ほんの少しおくれて、甘すぎず濃すぎない味わいが舌の上で溶けていく。
「カボチャパイなんだね……うん、おいひい」
由貴奈はたちまちその虜だ、あっという間にぺろりと平らげてしまった。
「うわっ、早いね由貴奈さん」
「本当だ。美味しいものは逃げ足速い、とはよく言ったものだねぇ。ねむるは?」
「美味しいだけじゃなくてハロウィンらしいデザインが可愛いから、全部食べずに取っておくよ」
「なるほど。パイ生地の舌触りはクッキーじゃなかなか真似できないよぉ」
ところで、とねむるは言った。
「さてと、もう1箇所寄りたい場所があるんだ。由貴奈さんも一緒に行こうよ」
「ん? パイ屋さんに以外に行くところあるの?」
「うん、そうなんだ」
ねむるが車道に向かって片手を挙げると、まるでタイミングを計っていたかのように、ゆっくりとタクシーが二人の前に滑り込んできて停車した。しかも白いリムジンだ。
「あらかじめ呼んでおいたタクシーなんだ。どう?」
「おー、ハイヤーなんてお金かかったでしょ。じゃ、ま、遠慮なく」
「レディーファーストさ」
とねむるは彼女を車内に案内し、自分も座って「お願いします」と運転手に告げた。
「どこに行くんだい?」
しかしねむるはその問いに直接答えず、
「それじゃ由貴奈さん、目的地まで少しだけ、お休みなさいね」
そう告げてさりげなく、由貴奈の肩を手で触れたのである。
「わざわざ用意してくれるなんて、ありがと……」
彼女の語尾は、しおれる花のようにして徐々にか細くなっていく。
やがて由貴奈は、背もたれに身を預けて寝息をたてはじめたのだった。ねむるの『ろっこん』が発動したのだ。
「さて、サプライズはこれからだね」
ねむるはつぶやくと、そっと彼女から体を離した。
車内空間の広いリムジンをチャーターしたのにも、ちゃんと理由がある。手早く仮装を済ませよう。
ネミッサ・ネモローサと如月庚もこの店に来ていた。行列にならびながら言葉を交わす。
「ここのパイとってもおいしいの!」
「そうなのか」
「前にお友達とお友達のパパときたのよ」
「なら確かだな」
ここまで、ネミッサの声ははずんでいたが、次の一言で急に勢いを失う。
「そのときはね、ほんと言うと少し寂しかったの、だってネミッサのパパは死んじゃったから……」
適当に相づちを打っていた庚だが、これを聞いて口をつぐんだ。
――ああ、なるほど。
合点がいった。
――このガキは本当に父親を求めていたのか。
どう声をかけるべきか庚はしばし沈思したが、その間に彼らの順番は来ていた。
「いらっしゃいませ」
呼びかけてきた八葉るちるの声に庚は我に返り、
「ああ、合言葉だったか」
と言いかけた。けれどもそのとき、
「でも今は寂しくないわ! だって庚パパがいるもの!」
庚の声をかき消して、ネミッサが元気いっぱいに宣言したのである。それはもう、体操帽から鳩が飛び出したくらい唐突な勢いで。
「改めまして、こちらネミッサの自慢のパパよ! とってもかっこいいでしょ? ふふっ」
「あ……はい」
るちるとしてはどう反応していいものやら戸惑ってしまう。いきなりお客さんが、自分の父親(にしては若すぎるが)を紹介してきた!? いやまあ格好いいのは認めるけれど、父親? 若すぎない?
けれどもるちるの混乱なんてネミッサは頓着しない、
「その上力持ちで優しいのよ! ネミッサがうさぎ耳をもふもふしたって怒らないんだから ほら、こんなふうに」
というなりぴょんと飛んで庚に抱きつくと、彼の首の後ろに腕をまわして、これ以上ないほどの笑みを見せた。
「……っておい、紹介すんな……やめろ、触るな」
庚は抵抗したがそれは本気ではなかった。子どもには勝てない。
――まあ自分もまだ子どもだが……さらに年下の子どもにはな。
苦笑してしまう。苦笑するしかないのである。お菓子をもらうより先にイタズラをしかけてしまった格好だ。けれど店員は笑っているし、なによりネミッサが幸せそうだし、これでいい、としよう。
「あなたも触ってごらんになる?」
ネミッサはそう言って、るちるに微笑みかけていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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