追試のお時間です　――星の海は赤点地獄？――｜リアクション

追試のお時間です　――星の海は赤点地獄？――

後の祭り：色んな意味でお疲れ様

　それを皮切りに、次々に解答用紙を提出し退出する生徒たち。ほぼ全員が終了時間までに解答用紙を提出しており、その顔はどれも晴れ晴れとしていた。漸く解き終え、提出できた鬼崎あやめは「やったぁ！」と心の中で喝采をあげながら廊下へ出たほどである。
「これでいいのだ。真央ちゃん、満足なのだ」
　８割ほど問題を解いたところで眠っていた後木真央もすっきり目覚め、にこにこ笑顔で問題を提出し教室を後にする。
（あと１問だ……。どうにか、思い出せたぞ！）
　鼻血を垂らし、ふるえた手で答案を埋めるのは、日暮ねむる。彼はどうにか立ち上がると、がんばって教卓へ！
「よろしくおねがいしまああああすっ！」
　と、答案用紙を提出しよろよろと退出する。そして、廊下に出た途端意識が途絶えた。
「？！　ひ、日暮さん！　大丈夫？」
　飛吹勘助が、立ったまま眠る（しかも目も開いている）彼の姿に慌て、保健委員の宇佐見望月もまたすぐさま駆けつける。
「うわぁ、コイツは重傷だわ……。勘助ちゃん、運ぶの手伝ってくれ」
「う、うん！」
　望月と勘助はどうにかこうにか、ねむるを保健室へと連れて行くのであった。

　その直後、最後の一人となった橘明里も提出し、追試の終了時間となる。神魂の影響を受けていたとはいえ、色々あったなぁ、と思いながら試験監督だったはずの旭雪彦は解答用紙を持って教室を後にするのだった。

（これは、使わなくてすんだな……）
　恵御納夏朝……いや、夏夜は懐に入れていた『ねこさんシール』を確認し、小さく肯いた。彼女は、雪彦が他の生徒に気をとられている間に『ねこさんシール』を己に貼りろっこん『重く軽く』で軽くした上、進化能力で『ねこさんシール』を彼の背に飛ばし、思いっきり転ばせるつもりだったのだ。
　実を言うと、望月が質問攻めにしているときもこっそり狙っていた。もし、圭花が目覚めなかったら彼女は作戦を実行していただろう。
「命拾いしたかもしれないな、先生」
　夏夜はそういうと、帰宅するべく自分の教室へと向かった。

　保健室に運ばれたねむるは、ふわふわのベッドで座らされた。その上コットンを詰められた上、冷やしタオルで鼻を冷やしていた。鼻血の応急処置の為である。その他、シャープペンシルで手の甲を刺した勘助とあやめ、御剣刀の手当ても一応行った。
「……みんなむちゃするなよ？　かく言う俺様もあの手がダメだったら額にシャーペンを刺していたかもしれないなぁ」
「ともかく、あとは結果を待つだけだな」
　刀の呟きに、熟睡するねむる以外のメンバーはうんうんと肯く。因みにねむるは２時間ぐらいぐっすり眠ってから帰宅した。

　後日追試結果が戻ってきたが、今回は全員クリアし、中には満点に近いものもいたらしい。思いのほかよい結果だった由貴奈やあやめは結果に安堵し、必死な思いで解いていたねむるもこれには「報われた！」とガッツポーズをしたそうだ。

　因みに。「きゃー、神宮先生！！」とばかりに未開封のゲームをやっとプレイできた羽生碧南だったが、神宮先生ルートが難関で、これまた試験勉強ばりに攻略に勤しんだ……らしい。もちろん、部活はちゃんと頑張りつつ、である。
「でも、放課後の勉強シーンはテストのときのアレに似ていたなぁ……」
　そんなことを呟きつつ、好成績を叩き出した追試の結果を手に碧南はふにゃん、と頬を赤く染めるのだった。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
えーっと、コレだけは言わせてください。

『眠気覚ましのためにシャーペンで手を刺す』人多いな？！

……やりすぎですよ皆さん……。
まぁ、難易度はやや高めではありましたが。
アクションをチェックしている時に思わずつっこみを入れておりました。
兎も角、リアクションの通りの結果でございます。
テストの結果については全体的に良かったようで、努力の結果だと思います。

なお、シャーペンで手を刺したり机で額をぶつけてしまったりと怪我人がいますけどリアクションどおり全員保健室にて治療しています。
鷲尾先生が不思議そうにしていましたよ……。

というわけで今回はこの辺りで。
また、縁がありましたらよろしくお願いします。

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