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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
追試のお時間です ――星の海は赤点地獄？――
因みに、桃川 圭花と壬生 由貴奈はそんな中でもすやすや眠っていた。かわいい寝顔を見せていた。そこだけ微妙に平和に見える分、近くにいたねむるとしては羨ましくて仕方が無い。
（うわぁ……なかなか、カオスってるなぁ）
そんな感想を漏らしたのは、宇佐見 望月である。彼は「よしっ」と気合いを入れると１つの事を試してみる事にした。
「はいはーい！ センセしつもーん！」
望月の声に、雪彦が反応する。
「何でしょう？」
「春の大三角と夏の大三角は有名っすけど、秋と冬には何かありましたっけ……？」
「秋はペガサス座の大四辺形が有名ですね。この一辺や対角線の方向を見ていくと秋の星座探しはけっこう楽になります。また、冬は大三角が見える他、冬に見える一等星のうち、オリオン座にあるペテルギウス以外を結ぶと冬のダイアモンドと呼ばれる六角形が浮かび上がるのですが、こちらは大きさと形が歪な為かマイナーかもしれませんねぇ」
と、望月の質問に快く答えてくれる雪彦。その隙に姪から教えてもらったあたりから出ただろう問題を解き進め、雪彦が他の解説をしようとすると、再び挙手！
「はいはーい！ 南十字座って寝子島から見えねーってホントっすか？ 俺様知りたいので、星座盤がみたいでーっす！」
「南十字座は、日本では沖縄まで行かないとみれませんねぇ。しかも、そこから見えるのは12月下旬から6月中旬までの約半年間ぐらいです。この星座は元々南半球で見えるものですから。因みに日本で見るなら、お勧めは南中時間が午後８時から１０時ぐらいになる５月ごろですねぇ」
と笑顔で返してくれる雪彦。その間に望月だけではなく他の生徒たちも、回答を進めていく。先生は星座盤の貸し出しについては順次行っていると言ってくれた。
（なかなかいい線いってるぜ！）
望月はぐっ、と内心で手を握り締めた。
そんな中、近くの人に起こされて目覚める圭花。どうやら近くにいるクラスメイトのねむるが放つ何かも感じ取っていたらしい。彼女は、眠そうに目をこすりつつ眼鏡をかける。そして、まだ眠っていたい気持ちを抑え、手を上げた。
「？ 圭花ちゃん、何かな？」
「先生に一言言いたいんだけど、先生の話、超眠いのよ」
「ね、眠い？ 眠くなる、という事かなぁ？」
その言葉に、全員が口を噤んだ。雪彦はどこか悲しそうな顔で圭花を見つめ返す。彼自身は眠気を誘うために語っているわけではないのだし、星について知って欲しいという思いもあるのだろう。一番の原因は神魂なのだが、現在は追試中である。
「ねぇ、先生。試験監督としても、私たちが眠くならないように努力してくれたっていいんじゃないかしら？ ほら、刺激的な話もあるでしょう？」
にっこり笑って圭花は雪彦をじっ、と見、くすり、と笑った。
「何かな？」
「先生、なかなかモテそうじゃない？ それにちょっと所帯持ちって雰囲気ではないわよね？」
皆はどう思う？ と楽しげに問う彼女だが雪彦はちょっとだけ苦笑を浮かべる。圭花はにやり、とどこか魅力的な笑みを浮かべて問いかけた。
「先生の恋の話、聞かせてくださいな」
「それは……語りつくせませんねぇ。今は、仕事が恋人という事にしておいて下さい」
雪彦は肩をすくめつつも茶目っ気のある笑みでそう答えた。ロマンチスト故、色々あるのかもしれない。しかし、語りつくせないほどもあると。これは聞きたい、と思ってしまう者も少なくは無い。期待する眼差しが、雪彦に集まる……！
所で皆さんはお気づきであろうか？ 雪彦は星座の話を一端止めていた。圭花の問いかけにより完全に『沈黙していた』のである。望月の質問からの流れで上手くいったといえるだろう。
彼らが話をしている間に教室は明るくなり、眠気に襲われていた者達は頭がすっきりしていくのを感じ取った。
「……っと、私は何をしていたのでしょう？」
急に我に返った雪彦は時計を見、追試を受ける生徒たちに言った。
「残り１０分です。最後まで頑張ってくださいね」
――いや、最後まで頑張ってじゃない！！
その場にいる殆どの者がそう心の中で突っ込んだかもしれない。圭花はしかたないわね、と言った表情で座り、問題に挑んだ。
（……残り１０分）
目を覚ました由貴奈は、盛大に溜息をついた。
（……やってしまった。睡眠欲に負けた。しかも全然解けてないよぉ）
試験開始直後に眠ったからである。
「もう別にいいかなぁ。体育くらい落としたってバチあたんないよね？」
それは現実逃避である。ともかく、「あてずっぽでがんばろ、うん。そうしよう」と彼女はそこから疾風の如き素早さで答案を全て埋めると、即座に見直す。そして、自然な動きで答案を提出し、教室を後にした。
（やるだけの事はやった。そういう事にしておこう）
内心で呟き立ち去る彼女は、すごくかっこよかった。
（うわぁ……なかなか、カオスってるなぁ）
そんな感想を漏らしたのは、宇佐見 望月である。彼は「よしっ」と気合いを入れると１つの事を試してみる事にした。
「はいはーい！ センセしつもーん！」
望月の声に、雪彦が反応する。
「何でしょう？」
「春の大三角と夏の大三角は有名っすけど、秋と冬には何かありましたっけ……？」
「秋はペガサス座の大四辺形が有名ですね。この一辺や対角線の方向を見ていくと秋の星座探しはけっこう楽になります。また、冬は大三角が見える他、冬に見える一等星のうち、オリオン座にあるペテルギウス以外を結ぶと冬のダイアモンドと呼ばれる六角形が浮かび上がるのですが、こちらは大きさと形が歪な為かマイナーかもしれませんねぇ」
と、望月の質問に快く答えてくれる雪彦。その隙に姪から教えてもらったあたりから出ただろう問題を解き進め、雪彦が他の解説をしようとすると、再び挙手！
「はいはーい！ 南十字座って寝子島から見えねーってホントっすか？ 俺様知りたいので、星座盤がみたいでーっす！」
「南十字座は、日本では沖縄まで行かないとみれませんねぇ。しかも、そこから見えるのは12月下旬から6月中旬までの約半年間ぐらいです。この星座は元々南半球で見えるものですから。因みに日本で見るなら、お勧めは南中時間が午後８時から１０時ぐらいになる５月ごろですねぇ」
と笑顔で返してくれる雪彦。その間に望月だけではなく他の生徒たちも、回答を進めていく。先生は星座盤の貸し出しについては順次行っていると言ってくれた。
（なかなかいい線いってるぜ！）
望月はぐっ、と内心で手を握り締めた。
そんな中、近くの人に起こされて目覚める圭花。どうやら近くにいるクラスメイトのねむるが放つ何かも感じ取っていたらしい。彼女は、眠そうに目をこすりつつ眼鏡をかける。そして、まだ眠っていたい気持ちを抑え、手を上げた。
「？ 圭花ちゃん、何かな？」
「先生に一言言いたいんだけど、先生の話、超眠いのよ」
「ね、眠い？ 眠くなる、という事かなぁ？」
その言葉に、全員が口を噤んだ。雪彦はどこか悲しそうな顔で圭花を見つめ返す。彼自身は眠気を誘うために語っているわけではないのだし、星について知って欲しいという思いもあるのだろう。一番の原因は神魂なのだが、現在は追試中である。
「ねぇ、先生。試験監督としても、私たちが眠くならないように努力してくれたっていいんじゃないかしら？ ほら、刺激的な話もあるでしょう？」
にっこり笑って圭花は雪彦をじっ、と見、くすり、と笑った。
「何かな？」
「先生、なかなかモテそうじゃない？ それにちょっと所帯持ちって雰囲気ではないわよね？」
皆はどう思う？ と楽しげに問う彼女だが雪彦はちょっとだけ苦笑を浮かべる。圭花はにやり、とどこか魅力的な笑みを浮かべて問いかけた。
「先生の恋の話、聞かせてくださいな」
「それは……語りつくせませんねぇ。今は、仕事が恋人という事にしておいて下さい」
雪彦は肩をすくめつつも茶目っ気のある笑みでそう答えた。ロマンチスト故、色々あるのかもしれない。しかし、語りつくせないほどもあると。これは聞きたい、と思ってしまう者も少なくは無い。期待する眼差しが、雪彦に集まる……！
所で皆さんはお気づきであろうか？ 雪彦は星座の話を一端止めていた。圭花の問いかけにより完全に『沈黙していた』のである。望月の質問からの流れで上手くいったといえるだろう。
彼らが話をしている間に教室は明るくなり、眠気に襲われていた者達は頭がすっきりしていくのを感じ取った。
「……っと、私は何をしていたのでしょう？」
急に我に返った雪彦は時計を見、追試を受ける生徒たちに言った。
「残り１０分です。最後まで頑張ってくださいね」
――いや、最後まで頑張ってじゃない！！
その場にいる殆どの者がそう心の中で突っ込んだかもしれない。圭花はしかたないわね、と言った表情で座り、問題に挑んだ。
（……残り１０分）
目を覚ました由貴奈は、盛大に溜息をついた。
（……やってしまった。睡眠欲に負けた。しかも全然解けてないよぉ）
試験開始直後に眠ったからである。
「もう別にいいかなぁ。体育くらい落としたってバチあたんないよね？」
それは現実逃避である。ともかく、「あてずっぽでがんばろ、うん。そうしよう」と彼女はそこから疾風の如き素早さで答案を全て埋めると、即座に見直す。そして、自然な動きで答案を提出し、教室を後にした。
（やるだけの事はやった。そういう事にしておこう）
内心で呟き立ち去る彼女は、すごくかっこよかった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年06月04日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年06月11日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年06月11日 11時00分
