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花日和:薔薇と珈琲店
299COFFEEにて
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◆299 COFFEE:平日編 Part1
寝子ヶ浜交番の向かいに、先日、299 COFFEE(ニクキュー コーヒー)という喫茶店ができました。
通称は299。店長の森崎 壮二が、若いアルバイトスタッフとともに様々なお客様をおもてなししています。
* - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - *
天気のいい放課後――。
299の前に、若草色のエプロンドレスを着た三つ編みの女の子がやってきた。
彼女の名前は兎沢 柚乃。参道商店街にあるフラワー兎沢の娘である。
「いいお天気ですの。バラたちも喜んでいますわ」
柚乃はバラであふれかえった小さなリヤカーをひいている。どうやら、店長の森崎に許可を取り花を販売するらしい。
「へい、レディ。キミがこのお店の売り子さんかい?」
金髪に青いカラーコンタクト。派手な身なりの
八十八旗 信彦
が歌うように柚乃に声をかけた。
「こんにちは。ええ、私がお花を売っていますわ」
「はじめて会ったよね? こんなカワイイ女の子なら、俺が知らないはずはないんだけど」
芝居がかった態度で懐から深紅のバラを差し出す信彦。ずいぶん手慣れているようだ。
「あら、このバラ……もしかして、あなたのお名前は八十八旗さん、かしら?」
「そうだとも。下の名前で呼んでもいいんだよ? 1-2のイケメン学級委員でお馴染みの信彦さんってね!」
「やっぱり! いつもお買い上げありがとうございます。私、フラワー兎沢の娘で柚乃と申します」
「なんだってー!」
信彦の顔に衝撃が走る。寝子島一の薔薇の消費量を誇る信彦は、普段星ヶ丘寮のスタッフに補充を依頼している。フラワー兎沢から仕入れたこともあっただろう。
「柚乃ちゃん……可憐な名前だ」
信彦はおもむろに柚乃の手を取ると、鮮やかに手の甲に唇をつけた。柚乃は突然の行動にきょとんと目を丸くしている。
「君のようなカワイイ女の子に、毎日両手いっぱいのバラと最高の笑顔を届けてもらいたい。学校までの配達はできるかな?」
信彦は柚乃を自分と同じくらいの年だと判断していた。事実、柚乃は本来なら高校1年生になるはずだった。
「え、えっと。その制服、寝子島高校ですわよね?」
「いかにも!」
「私、高校は通っておりませんの。だから届けに行くのは無理ですわ」
申し訳なさそうに、柚乃は信彦から手を離した。
「お花と少しでも長くいたいから、家のお花のお世話をしてますの」
ほう。と、信彦は感心した。少し考えてニコリと微笑む。
「キミの魅力のひとつは、花を愛するひたむきさにあるようだ……」
そう言うと、高級ブランドの財布から多すぎるほどのお金を柚乃に手渡す。
「でも、俺はもっと君に会ってみたい。
学校もいいものだよ。植物の栽培から販売、フラワーデザインみたいな装飾技術を学ぶこともできる。世界中の人に花を届けたいなら、勉強してみるのもいいんじゃないかな?」
信彦は真っ赤なバラをリヤカーから1本とると、器用に手折って制服の胸ポケットにおさめる。
「今日はこれで帰るよ。またね、カワイイお花屋さん!」
「あのっ。おつり……!」
「残りは他のレディにプレゼント。今日の俺にはこのバラひとつで十分だからさっ」
春の風が吹く。柚乃の視線を背中に受けたまま、信彦は足取り軽く去ってしまった。
信彦が去った後、
加瀬 礼二
が
三ヶ島 葵
と299にやってきた。礼二はさりげなく車道側を歩き葵をエスコートしている。
「ふふふー。号外号外ー♪ 加瀬くん。例の件、大丈夫だよねー?」
「もちろんですよ♪ あ、ちょっと電話してくるので先に入っていていただけますか?」
「了解ー。中で待ってるんだよー! ドア開けてくれてありがとー」
「ふふ、当然ですよ。これくらい」
特徴のあるもみあげが揺れる。
上機嫌な葵が店の中に入るのを確認し、礼二はくるりと踵を返した。向かうのは柚乃のリヤカーであった。
「こんにちは。ブーケの注文ってできますか?」
へらりと笑う礼二。柚乃もにこりと微笑み返す。
「かしこまりました。色のご希望はありますか?」
「赤と白で。かわいらしい感じでお願いしますよ~」
柚乃は手早く花をまとめると、外国の新聞紙でくるんでリボンを付けた。水気をきって礼二に渡す。
「おいくらですか?」
「お代は結構です。八十八旗様からのプレゼントですわ」
礼二の笑顔が一瞬凍った。
「払います♪」
「え、でも……」
「払います♪」
「お買い上げ、ありがとうございました!」
適正な料金を払い299の扉を開く。店内を見回すと葵がこちらに向かって手を振っていた。
「お待たせしました、三ヶ島さん」
「いいよー! 電話長引いてたけど、だいじょ――」
「はい、どうぞ。三ヶ島さんをイメージして作って貰いました♪」
腰をかがめ、礼二がブーケを渡す。葵の赤い瞳に2色のバラが映った。
「受け取っていただけますか?」
「……綺麗なバラだねー」
葵の両手がブーケを包む。
感謝の言葉がすぐには出なかった。葵は自分がアルビノであることを気にしている。礼二のくれた花に他意がないのはわかっていても、すぐに嬉しいとは言えなかったのかもしれない。
「封筒に入った写真だけ手渡すのも素っ気ないでしょう?
……それに、いかにも取引っていう雰囲気はこのカフェにはそぐわないですしね」
礼二は無駄のない動きで椅子に腰かけ、にこにこと葵の反応を眺めていた。何を考えているのかはだれにもわからない。
「加瀬くんてさー。RPGで例えると、状態異常引き起こしてじわじわ相手の体力削るキャラみたいなとこあるよねー」
礼二から封筒を受け取るとその場で中を確認した。前回、手違いで届かなかった情報である。
葵の瞳が満足そうに細くなった。
「これだよ。これこれ、ありがとー!」
「喜んでいただけて何よりです。入手経路はご容赦くださいね」
礼二が長い人さし指を立てて口元に添えた。
「しっかりしてるなー。まーいいや。
取引だもんね。欲しい情報とかはあるかなー?」
「そうですねぇ。強いて言えば、三ヶ島さんのお時間を少し頂戴できれば」
「じゃ、普通にお茶かなー? 299のチーズケーキは一度食べてみたかったんだよー! 加瀬くんもどうだろー?」
「いいですねぇ。ご一緒します……オーダー、ケーキセット2つで」
礼二が片手をあげて
夏神 零
に注文をする。しばらくするとふたりの前に、イチゴのソースがかけられたレアチーズケーキが並んだ。
「……」
甘い香りが鼻先をくすぐる。葵はフォークを持つ手を止め、しばし皿に見入った。
「どうしましたか? 三ヶ島さん」
「んー。なんかねー」
礼二の声にも視線を上げず、じーっと皿を見つめている。
「赤と、白だなーって」
フォークを突き刺して口に運ぶ。チーズの濃厚さと、ソースのさわやかさが合っていた。
「綺麗な色、ですよねぇ」
「うんー」
礼二の言葉に今度は素直にうなずけた。
おいしいものは人を幸せにする。
……確かに、このカフェにはいかにもな取引は似合わない。
「加瀬くんー」
「はい?」
「さっき、お花ありがとねー」
「どういたしまして」
いつものようにへらりと笑った。
赤いバラに白いバラを添えた時の花言葉は『温かい心』、だそうだ。
頭のアホ毛をピコピコと揺らしながら、
千鳥 雅人
が横断歩道を渡っていた。ふわあ、と大きなあくびをする。
授業に委員に色んな事件。毎日楽しくて忙しくて、おかげでくたくただよ~。
雅人が眠いのは今にはじまったことではないのだが……。とにかく、彼は気分転換をしたいのだった。いつもは通らない道を歩き、肉球をあしらったロゴマークの看板に目がとまる。
「『299 COFFEE』……へ~、喫茶店なんてあったんだ~」
好奇心旺盛、ついでに甘いものが大好きな雅人。立ち寄らない理由はなかった。ご機嫌な表情で店に入る。
どこに座ろうかな?
店の奥に目をやると見知った背中が見つかった。
299店内、一番奥のすみっこの席。
長い前髪と眼鏡が特徴の
白浜 渚
が、そわそわした様子でメニューを眺めていた。彼女は人見知りな性格である。今だって、注文が決まったのだけどいつ言えばいいか分からず困っているのだ。
「ご注文はお決まりですか?」
涼しげな声がした。
制服の白いシャツに、299というロゴが入ったギャルソン風のエプロンをつけた
虎居 銀次
だ。黒を基調とした299の制服は長身の銀次によく似合う。
「えと……こ、これを……」
話すのが苦手な渚は震える指先でメニューの299ラテを指さした。女性の店員が来たら、もう少しスマートに喋れたかもしれない。けれど、銀次は黙っていればイケメンの部類に属する青年である。緊張するのも無理がなかった。
「かしこまりました。ご注文は以上で――」
「あー。銀次センパイだ~!」
店の入り口からアホ毛の少年・雅人が銀次を指さして声を上げた。『犯人はお前だ!』というポーズに似ている。
銀次と雅人は学生支援部に所属している。学年は違うが交流はあるようだ。普段どう呼んでいるかは定かでないが、学校の外なので、雅人は一応『センパイ』とつけていた。
「わ、みんなここで働いてるんだね~」
同じく学生支援部の零にも手を振りながら、雅人は銀次と渚のテーブルに近づいた。
「センパイ、いつもと言葉づかい違わない~?」
「しーっ!ここでは男らしくを貫いてるのよ」
「む~。むむむ~?(え~。なんで~?)」
「いいからっ。普段のワタシを知っててもナイショにしててちょーだい? ほら、ケーキ奢ってあげるから?
ね?」
正直な雅人のアホ毛がパタパタと揺れた。
「……」
長い前髪で表情はうかがえないが……渚は目の前の青年の豹変ぶりに驚いていた。
「……こほん。ご注文は以上でよろしいですか?」
「は、はぃ……」
「かしこまりました。それでは、ごゆっくり」
銀次は何もなかったかのように、綺麗な笑顔を見せて厨房に向かった。
「ねー。おねーさん、映画村でもあった人だよね~?」
「……!」
「俺、
千鳥 雅人
。ここ座ってもいーい?」
「ど、どうぞ……っ」
片手をスカートの上できゅっと握りしめながら、渚は向かいの席を手で示した。人懐っこい雅人は知ってる人がいたから一緒に食べたほうが美味しいと思ったようだ。
「ご注文の品をお持ちしました」
銀次がなれた動作でラテとチーズケーキをふたり分用意する。
「ぁ、あの。私……」
「こちらは私からのサービスです……この子、なんにも考えてないけど悪い子じゃないからよろしくね♪」
ラテしか頼んでいないと言おうとして銀次にウィンクされた。何を言えばいいかわからず、ただコクコクと頷く。
「わー。ケーキ美味しいね~!」
「……はい。美味しいです」
一応面識があることに気づき、渚の緊張もほぐれてきたようだ。口数は少ないが雑談に応じることもできた。
甘いものを食べると苦いものもほしくなる。渚はラテを手に取りカップの中を覗き込んだ。白と茶で肉球のマークが描かれている。絵が描かれていることは味には関係ないかもしれないけど……店主の心遣いが感じられて、飲むのが少しもったいなかった。
「……ふぅ」
渚は模様を崩さないよう、端っこからそっと口をつける。口の中に温かい苦みが広がった。
美味しい……。
自然と口元がほころぶ。
こんなに美味しいなら、また来たいな。
目の前で美味しそうにケーキを食べる雅人を見ながら、心が温かくなっていくのを感じた。
「ところで、お店の前、ちょっと寂しいよね~」
ソースまで綺麗に食べた雅人が、店の外を思い出しながら話した。渚も控えめにうなずく。確かに299の庭は内装の凝り具合とは一転して寂しいものだった。
「ああ。それね、店長も困っているみたいなの。庭いじりが苦手なんですって」
水を注ぎに来た銀次が小声で答える。
「ふーん。えっと、あそこを看板代わりにしたらどうかなっ。フラワーアートでにゃんこの肉球を作って、ニクキューコーヒー!って!」
「……くすっ」
雅人のかわいらしい提案に渚が微笑んだ。
園芸に詳しくはない雅人や、虫が苦手な銀次は庭いじりには向いてない。だが、学生支援部に働きかけて『299の花壇を綺麗にできる人』を探すことはできる。後日、部活と299の店長にその件を提案してみることにした。
余談だが、渚も店を出た後に柚乃から黄色いバラを受けとった。黄色いバラの花言葉は『友情』である。今日の思い出が、素敵な明日につながりますように。
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月16日
参加申し込みの期限
2013年03月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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