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寝子島高校
花日和:薔薇と珈琲店
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◆299 COFFEE:平日編 Part2
放課後。女の子がふたり、寝子高から299に向かう道をとことこと歩いている。
神田 涼子
と
榊原 飛鳥
である。彼女たちは299でホールのアルバイトをしてから知り合った仲だ。
本日のアルバイトスタッフである涼子と飛鳥、それに
御剣 刀
は寝子高の生徒という以外にも『剣道』という共通点があった。剣の道を愛する者同士、それなりに会話も弾むようである。
「涼子ちゃんがこの前作ってくれたまかない、美味しかったね~っ。あれってどうやって作ったの?」
飛鳥が弾むような口調で涼子に尋ねる。
先日、店長の森崎がフラワー兎沢から庭用の花を結構な量購入した。その時、おまけにと菜の花をもらったのだ。飾ってもいいが、食用らしい。どうしたものかと考えていた時、手をあげたのが涼子だった。
「自由に作っただけなんだけど……あのパスタは、玉ねぎをみじん切りにするのがポイントね。本当はにんにくの方がいいんだけど、コーヒーににおいが移るとよくないから」
「すっごく美味しかったよ! おばあちゃんにも作ってあげたくなったもん!」
涼子は閉店後に、菜の花を使ってスタッフのためのまかないを作ることにした。基本的な調理用具は店にある。299はコーヒーの研究のために、普段使わないような調理用具がそろっていたようだ。
完成した『菜の花とシラスの和風春パスタ』は大変好評で、飛鳥はあの味が忘れられないようだった。
「私、299が人生初バイトだから……バイト仲間とか、まかないって憧れてたんだっ」
「ありがとう、飛鳥さん。そんなに喜んでもらえると嬉しいな。また機会があったらよろしくね」
「うんっ」
話しているうちに299の目の前に到着した。色鮮やかな黄色の肉球が花壇に咲いている。
「ね、涼子ちゃん。お庭、すごく綺麗になったよね。足を止めてみていく人も多いみたいだよっ」
「そうね。私もこのお花を見ると、1日がんばろうって思えるもの」
「よーっし! お花たちに負けないよう、私もはりきるぞー!」
両手をあげて元気に宣言する飛鳥を、涼子は温かいまなざしで見つめていた。
金髪の少女……
ブリジット・アーチャー
が、窓の外から店の中を観察している。寝子島高校ミステリ研究会を立ち上げた彼女は好奇心旺盛で、なかなか情報通のようだ。今日は学校の近くに新しい珈琲店ができたと聞いて遊びに来たらしい。
……店長は好印象ね。ちょっと覗いてみようかしら。
店長の外見はブリジットのお気に召したようだ。店の中に入る。内装も落ち着いた感じで悪くない。
「オーダーよろしいかしら」
外の看板で確認したメニューを思い出し、店長に向かって声をかけたのだが……やってきたのは見知った顔の店員だった。
「ご注文はお決まり……何だアーチャーか、紅茶を飲みに来たのか?」
制服をキッチリと着た刀であった。客が知り合いとわかってくだけた口調で話しかけた彼に、ブリジットは芝居がかった仕草で大きなため息をついた。
「あのねえ、店員らしく対応しなさいよ。
せっかく私が良家のお嬢様な雰囲気を演出してあげたのに、すっかりめっきり台無しじゃないの」
……確かに言われる通りだ。だがその態度はムカつく。
刀はそうは思ったが、ぐっとこらえた。
「失礼しました、本日のおすすめはベイクドチーズケーキです。いかがなさいますか?」
「そうね。そのケーキと299ラテをお願いするわ……私はどちらかと言うと紅茶派なんだけど、コーヒーが嫌いな訳じゃないの」
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
一礼して去っていく刀の後ろ姿を見ながら、ブリジットは『ふーん』とまんざらでもない表情をした。
まったく。顔は悪くないのに、なんでそんな残念仕様なのよ。
心の中でやれやれとオーバーリアクションをして、鞄から読みかけのミステリ小説を出した。店内には落ち着いたジャズが流れており、本を読むには悪くない環境だ。文字を追うのに疲れたらアイツを観察すればいい。
美味しくないインスタントのコーヒーはお断り。
けど、自家焙煎のこの店なら味は安心していいだろう。普段飲んでいる、メイドの淹れた紅茶よりおいしいだろうか?
快適な時間になりそうだった。
刀はブリジットにラテとケーキを届けると、同じクラスの
草薙 龍八
のテーブルに向かった。龍八は299に通い詰めており、刀がシフトに入る時には店で見かけることが多かった。
「おかわりはいかがですか?」
先ほどの反省をふまえ、敬語で話しかける刀。龍八は専門書から顔をあげて、ああ。と簡単に返事をする。
「2杯目からは半額で別の種類もお出しできますよ」
「いや、同じものでいい。ロブスタ種のストレート。深めに焙煎したのを頼む」
龍八はこの種類特有の「泥臭さ」を好んだ。刺激的で強烈な苦みに脳細胞を刺激されるそうだ。チェーン店では滅多に見ない種類のため、299に来るとよく飲んでいる。
「かしこまりました……今日も読書か?」
声のトーンを落として尋ねる。他人行儀すぎる必要もない、と考えたのだろう。
刀の問いに、龍八はゆるやかに首を振った。
「将来のための勉強さ。今は危険物取扱者乙種第4類を勉強して、将来的には甲種を取るつもりだ」
少し間をおいて、条件さえ満たせば小学生でも取得できる資格だ。と付け足しておいた。『何のためにそんな資格を?』と聞かれたときの保険というか……面倒事を避けるための方便だった。
刀が去ったのを確認して、無意識にテーブルの上にある自分のノートをさわる。先日、閉店まで居座ってしまった時に店に忘れたノートだった。
――店長は中身を見ただろうか?
ノートの中身はとある人物の殺害計画に関するものである。だが、まあ、今の内容ならみられたところですぐに『ノートの本質』が看破されることはないだろう。
「……整理した資料を移してデータ化しておくのも手だな」
龍八の興味はノートから勉強に戻った。
今日も『将来のため』に知識をまとめ、閉店時間まで居座ってしまうのだろう。
2杯目のコーヒーを飲みながら集中すると、周りの雑音はすぐに消えてしまった。
陸上部の活動がない放課後。
桐野 正也
は目的もなくぶらぶらと学校周辺をうろついていた。
食べ盛りの高校2年生である彼は小腹がすいてしまったようだ。いつもならコンビニに直行するが本日は甘いものが食べたい気分であった。
「……ん?」
このにおいは、コーヒー?
いいにおいだな。どこからだろう……。そう考えてコーヒーのにおいを辿っていくと、目の前にどでかい黄色の肉球が見えた。さらに近づくと、それは花が集まったものだとわかる。花壇近くの看板を見て、正也はコーヒーのにおいがこの店から漂っているとわかった。
「焙煎工場……」
少し、入りにくい。
「普通のファーストフードと違っておしゃれっつーか……男ひとりじゃ入りにくいっつーか。つってもケーキ屋で買えばいいかってーとそうでもなくて、今食いてぇんだよな……」
思わず愚痴ってしまう。知り合いが誰もいないと思っていたから、気にせずぶつぶつと。
「あれ? きりのん先輩ですかー?」
「ひぃ!」
なので、突然部活の後輩・
紅 双葉
の声がして……飛び上がるほど驚いた。
「やっぱり、きりのん先輩ですねー。どうしたんですかー?」
慌てた様子のにくすくすとほほ笑む。
完全に油断していた正也は、わざとらしい咳払いをひとつ……ごまかしきれてはいないけど。
「よっす。いやぁ、まぁケーキ食いてぇとか思ったけどなんか入りにくいからやめようかなとか……」
「きりのん先輩、甘いの好きなんです?」
「っと、今日はたまたまっつーか……」
正也の性格をよく知っている双葉は大体の事情を察したらしい。いたずらっぽく微笑んだ。
「仕方ないですねー。じゃあ私が付き合ってあげますよー、ほらほらー!」
「あ、いや! 別に双葉ちゃんが気をつかわなくてもいいから!」
「私も、この辺においしいチーズケーキのお店があるって聞いて探していたところなんですよー」
「ま、まぁ双葉ちゃんが食べたいならそれでいいけど……」
最終的に双葉に背中を押されながら、正也は299の店内に足を進めた。
「いらっしゃいませ。2名様ですね。こちらへどうぞ」
涼子がふたりを席へ案内する。
涼子、双葉、正也の順で歩く……結果的に、後輩にリードされていた。
「きりのん先輩、何たべます?」
「俺は……表の看板で見たチーズケーキにしとくか。あとはコーヒー。双葉ちゃんは何が好きなんだ?」
「私が好きなケーキはチーズケーキとモンブラン。あ、チーズならベイクドでもレアでも好きですね」
「じゃあ、それ頼むか。あー、注文お願いしまーす」
正也は涼子に自分の分のベイクドチーズケーキとネコミミブレンド、双葉の分のモンブランと寝子島ブレンドを注文した。涼子が手際よく注文の品を届ける。正也は白いカップに入ったコーヒーを静かにすすった。
「……コーヒーもこうやって飲むといいもんだな」
「ここ、ケーキも美味しいですねー♪」
「あ、ああ! そうだな!」
o0(食べている双葉ちゃんもかわいい)
ろっこん・『思ったー』で飛び出した吹き出しをぶん殴って消しながら、正也もやや引きつった笑みを返した。いつかこの能力が、前向きな意味で役に立つ日が来るのだろうか……。
「私、コーヒーは何でも飲みますけど……やっぱりブラックが好きです!」
コーヒーを見ていた双葉は正也の背後の文字には気が付いていない。
午後の時間を共に過ごせて喜んでいるのは正也だけではなかった。
一緒に喫茶店に入ったくらいでは、正面にいるにぶい先輩は気付かないだろう……だから、彼女も安心して誘えたのだし。
「えっと……その……双葉ちゃん、誘ってくれてありがとな」
「いいえー」
双葉の恋は、純粋で尽くすもの。
今はこの距離で十分である。
夕日が
逆巻 天野
の影を長く伸ばした。
学校や図書館、他にもいろいろな用事があって帰るのが遅くなってしまったようだ。今日は帰りによる場所があって、そのために花が欲しかった。
「花を……え、バラだけなんですか」
学校でここに花屋がいると聞いていたから来たのだけれど……。
考えていた花屋とは、少し違っていたようだ。
「ええ。今日はバラしか置いていませんの……お求めの花はどういったものでしょう? 別の日でよろしければ、準備できるかもしれませんわ」
「いや。今日でないとだめなんです」
どうしようかな、とリヤカーを眺める。客用のポップに白バラの花言葉が尊敬と書いてあった。
……が、あいにく白バラは売り切れ状態。残っているのは蕾しかない1本だけだ。
「あれ、ください」
「こちらですの? あの、この子はまだお客様にお出しできるものでは……」
ブーケにでも混ぜようと思ってとっておいた白バラだった。本来なら単体で売るようなものではない。
しかし、天野の態度は変わらなかった。
「白い花が欲しいので。それ、お願いします」
花は理由があって買うことが多い。柚乃は天野にも、何か事情があるのだと感じて笑顔で応じた。
「リボンはお付けいたしますか?」
「……いや。よく会いに行くやつだから」
お金を払って花を受け取る。
「花壇、綺麗になりましたね」
「ええ。寝子高の生徒さんが手入れをしていましたわ。素敵なお庭ですね」
「この店って、お菓子は買えますか?」
「お茶菓子でしたら売っていましたわ」
礼を言って店に入った。
目的の茶菓子はレジの近くに売られていた。中央に肉球の形に穴が開いている、こんがりとした狐色。
「いらっしゃいませ!」
飛鳥が元気よく接客をする。
飛鳥に会釈をすると、天野はクッキーの袋をひとつつかんでレジ台の上に乗せた。
「これ、もらえるかい? 席はいいよ。持ち帰りで」
「かしこまりました……あの」
……?
何か言いたそうな視線。天野が飛鳥の言葉の先を待つ。
飛鳥は言おうか言うまいか迷って、結局我慢しきれずに口を開いた。
「そのクッキー私もお手伝いしたんです。とっても美味しいですよ! おばあちゃんも喜んでくれましたからっ」
ふーん、といった表情で天野はクッキーを見下ろした。
彼女のおばあちゃんとやらは孫がクッキーを作ってくれて嬉しかっただろうな。
「お買い上げありがとうございましたっ」
「……どうも」
いつもと違う道を歩いて友達に会いに行く。
長い長い階段。傾く夕日。
最近不思議なことが起こりすぎて、痛いし重くなっている足を持ち上げて進む。
――今日は語りたいことがあるんだ。
――君の愛したこの島での出来事を、沢山。
――そうだね、まずは。
階段のその先、いつもと同じ場所で友人が眠っていた。
まずは……何から話そうか。
思い出したのは初めて立ち寄った喫茶店。
レジ台の上に並ぶ菓子は寝子島にちなんだものばかりだった。
君の愛したこの島は、今もだれかに愛されている。
「嬉しいことがあったよ」
まずは、そのことを教えてあげよう。
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あとがき
担当マスター:
相馬 円
ファンレターはマスターページから!
このたびはご参加ありがとうございます。
寝子島の日常シナリオ、お楽しみいただけたでしょうか。
キッチンを希望されていたかた、ごめんなさい!
今回はホールのみの募集でしたので、調理のバイトはもう少しお待ちください。
予想以上にバイトの需要があってビックリです。
今後、花日和は「花ネタ + 高校生がバイトできる場所」で
ガイドを作っていくことにしました。
花日和で出した場所は別のシナリオでも使いたいですね。
また、キャラクターとNPCについてですが
参道商店街と縁のあるキャラとは「ある程度の面識がある」ことにしました。
らっかみ!全体に影響を及ぼす関係性でなければ、
このあたりの事情はある程度融通がきくようです。
次回の花日和は「カーネーションと本屋さん」です。
よろしくお願いいたします。
ではでは。相馬 円でした。
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相馬 円
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月16日
参加申し込みの期限
2013年03月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!