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花日和:薔薇と珈琲店
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299 COFFEEのあるビルの非常階段。ビルの外側に張り付くように設置されたその場所で、
市橋 誉
がひとりのんびりと休憩時間を過ごしていた。無論、店内にも休憩スペースは設置してある。
けれど、こんな天気のいい日は――。
店長からもらった肉球マシュマロの中央を人差し指でつつく。
やわらかく、はりのある感触。肉球って、本当に良い物だ。
「ここなら弾けるかな」
持ってきたスケッチブックに鍵盤を描き、ろっこんの発動を試みる。基本的に、ろっこんは一般人が見ている前ではあまり能力を発揮できない。しかし、ここは使う人の少ない非常階段。使える条件は整っていた。
――――――――――――♪
音符はやわらかい風に乗り、道行く人の耳元に春を届けた。人々はこの音楽がどこから流れたか、誰の曲なのかを知りたくて空を見上げた。
だれにも言った事がないけれど……ジャズピアニストになって、自分の喫茶店を持つことが誉の夢である。
「……お客様へは笑顔でお辞儀とご挨拶を」
未来を想像しながら奏でる音色は暖かく軽やか。
いらっしゃいませ。ようこそ299へ。
花壇の手入れは順調に進んでいた。
柚乃はいいな・美咲紀・五月を手伝いながらもマイペースにバラを売り続けている。信彦がいたときの分は配り終えたので、今日は普通のお花屋さんだ。
「寝子ヶ浜交番の向かいにコーヒー屋がオープンしたらしい……フッ、俺が寛げる店かどうか……試しに行ってやるか」
参道商店街の薬局・アネモネの看板娘である
毒島 林檎
がシガレットチョコを加えながらクールに呟いた。
『今、近くのお店食べ過ぎて出禁受けて…もう甘味成分が欲しいの~!』
……『』内は心の声である。
林檎ちゃんはイタい子じゃない。素直になれないだけなんだ……。夜中に謎の衝動でノートにポエムを書きなぐって、5年後にうっかりノートを発見して読み返して悶絶しちゃうような、そういう愛すべき存在なのだ。
ここから先は……わかるね?
「あら。林檎さん!」
「……おや、誰かと思ったら兎沢と薄野か」
「こんなところでお会いするとは奇遇ですねー」
同じく参道商店街の娘である柚乃と五月が、林檎と挨拶を交わす。林檎はちらりとリヤカーを見た。色とりどりのバラが咲き誇っている。
「こんな所で売り子とは……商売熱心だな」
『やっほー! 柚乃ちゃん! 今度うちの店の前でも売り子やってね! 華やかになるから!』
五月が花壇の手入れに戻るのを見送りながら、林檎は柚乃の事情を思い出した。
「まだ学校に行くつもりはないのか」
「うふふ。そうですね。大学ならともかく……高校は行かなくてもいいかしら。とは」
人生の選択肢を狭めてるだろうに……と、林檎は思った。まあ、それでも自分で選んだ道なのだろうから口には出すのは控えておいた。
「林檎さん。綺麗なピアノが聞こえてきますわ」
話題をそらそうと思ったのか、思ったことをそのまま言ったのか……。柚乃は目を閉じ耳を澄ませた。
「……まあまあの演奏じゃねえか?」
『とっても綺麗なメロディ~! ロマンチックだわ~!』
林檎ちゃん、15歳。重ねて言うが、素直になれないお年頃。
頭の中をするどい痛みが駆け抜ける。
「……っ」
299の前を通りかかった
風宮 悠
は思わず両手で頭を押さえた。彼女の頭痛には秘密があるのだが、それはまた別のお話。
「あら。どうしましたの?」
近くにいた柚乃が心配そうに駆け寄った。
「頭が少し……痛、くて……」
「『少し』って顔じゃねえな。俺の手持ちでよけりゃ、頭痛薬わけてやろうか?」
『辛いときは無理しちゃダメだよーっ』
薬局の娘である林檎は(怪しげな)薬品調合が趣味である。たまたま頭痛に聞きそうな薬を持っていた。
「ありがとう……でも、気持ちだけで。この頭痛、原因がよくわからないから……」
「それは大変だ……少しそこの店で休んでいかれてはいかがです? 美しいお嬢さんがた」
だれ? 柚乃と林檎が振り向くと、唐獅子柄のフード付パーカーを着た
添木 千唐
が立っていた。
学生支援部に所属している千唐は、銀次と雅人から299の花壇の件を聞いていた。手伝うのは女の子ばかり……とも聞いていたから、現場の確認がてら、遊びに来たのだけれど――。
「あー。いいかもしんねえな。コーヒーのカフェインには頭痛をやわらげる作用もあるから。急いでなければ休んでいったらどうだ?」
「……そう、ね。ここのコーヒーは興味があったし」
「なら決まりですね。僕は
添木 千唐
」
「俺は……林檎」
「
風宮 悠
……です。あ、すみません……千唐さん。荷物まで……持ってもらって……」
「気にしないで。さ、入ろうか」
悠が千唐と林檎とともに店の中に入っていく。柚乃は悠に付きそう人がいるのを確認すると、安心した表情で花売りと花壇の手入れに戻った。
「こんにちは、花売りのお嬢さん」
「……あら。さっきの方ですね。忘れ物、ですか?」
柚乃の問いに、千唐はよそ行きの笑顔を作った。
「いいや。君の名前を聞いていなかったから……名前を教えてもらってもいいかな? こんな魅力的なお嬢さんの名前を聞けないなんて大きすぎる損失だからね」
「うふふ。お上手ですのね」
口元に手を添えて笑うと、柚乃はワンピースのすそを持ち上げてちょこんとお辞儀をした。
「兎沢 柚乃と申します。よろしくお願いいたしますわ」
「お近づきの印に、そこの喫茶店でお茶しながら君の花の話でもどうかな?
見たところ、花壇も整ってきているし……先ほどのお嬢さんたちも君が来ればきっと喜ぶと思うよ」
まるで赤ずきんを誘う狼である。
断る理由も見つからないので、しばし柚乃は考え込んだ。
「え、と……どうしましょう」
困ったように花壇と千唐を交互に見る柚乃。
誘いが嫌なわけではないと判断し、ひざまずいて千唐はそっと柚乃の手をとった。
「迷うなら、ぜひ僕と。ね?」
「……もう。意外と強引な人ですのね」
柚乃は苦笑すると五月たちに断りを入れ、千唐と共に店に入った。
店内では林檎と悠……それと、
八神 修
が同じテーブルを使っていた。林檎と修は化学部で顔なじみの中である。椅子が空いていたので同席したようだ。
コーヒー片手にプログラミングの専門書を読んでいた修は、千唐と柚乃が現れると本から視線をあげた。
「僕らはここに座ろうか」
千唐がさりげなく椅子をひき、柚乃を座らせる。柚乃は客として299に来ることはあまりなかった。何を頼めばいいのだろう? 林檎は店の甘味を片っ端から食べまくっている。悠はキャラメルラテを飲んでいるようだ。頭痛は治ったらしい。穏やかな顔をしていた。
「ご注文はお決まりですか?」
休憩時間の終わった誉がやわらかい笑顔で尋ねる。柚乃はあまりコーヒーの知識がなかったので、誉のおすすめをもらってみようと思ったようだ。
「私、苦いのが苦手なのですけど……何がおすすめでしょう?」
「そうですね……少々お待ちください」
誉はポケットに入れたメモを素早く確認した。
メニューは事前に覚えてある。店長からコーヒーのことも教えてもらっているのだが、すべてを完璧に覚えるのは難しい。念のために作ったメモが役にたった。
「苦味が苦手な方には、まろやかで飲みやすいネコミミブレンドがおすすめです」
「でしたら、それをひとつお願いいたします」
「ミルクと砂糖はお付けしますか?」
「はい。両方お願いしますの」
「かしこまりました」
綺麗に礼をした後、誉は修に向き直る。
「八神はおかわりいる? カップが空だけど」
「ん、そうだな。同じものをもうひとつもらおう」
「コーヒーだけ? ケーキはいらないのか?」
……。
じとりと誉を睨みつける修。耳がわずかに赤くなっている。
そんな修の様子に気づいているのか、いないのか。千唐がへらへらと笑いながら誉に話しかける。
「こちらのお嬢さんにケーキを。僕からのおごりだよ。今日のおすすめは何かな?」
「本日のお勧めは苺タルトです。
甘酸っぱい苺とサクサクに焼きあげた香ばしいタルトの相性が抜群の一品ですよ」
「じゃ、それを頼むよ。僕はコーヒーをブラックで。よろしく」
「いいんですか? 千唐さん」
柚乃が尋ねると、千唐はサワヤカな声で笑った。
「勿論さ。学校では君と会えないようだから……少しでも、同じ時間を過ごしたいしね」
「まあ。ふふふ」
飄々とした千唐の言葉は、同年代の男友達がほとんどいない柚乃には新鮮である。他愛ない話題に花が咲いた。
「兎沢、と言ったか。先ほど、そこの――」
林檎の苗字を言おうとして修はとどまった。嫌な予感がしたからだ。
「そこの……ケーキを食べているほうから聞いたのだが、君は進学をやめたんだって?」
「ええ。弟は寝子高に通っていますわ。素敵な学校だそうですね」
「兎沢は弟がいるのか。
……俺は化学部だから肥料や土壌なら少しは分かるよ。園芸には生物学的な知識も要るし、専門外な部分も多いけどな」
修は苺のタルトを食べながら穏やかな口調で話しかけた。彼は、善意の押し売りはしない主義である。だが、もし進学を迷っているようなら……そのときは背中を押すのもいいかもしれないと考えていた。
「進学して生物や化学を勉強したりはしないのか? もし、花と長く一緒に居ようと思うなら、進学するのもいいと思うが……花たちのためにも」
「……花たちの、ために?」
一瞬、柚乃の表情が消える。
「修さんは、面白いことを仰るんですのね」
再び開いた口調は明るかったが、先ほどと柚乃の雰囲気が少し変わったようにも思えた。
「私、今日はバラを扱ってるのですけど……青いバラってご存知かしら?
人の手が入らなければ生まれるはずがなかった色ですわ」
「一応は知っている。遺伝子操作技術でうまれた奇跡の色のことだろう」
「あのバラは化学の力で生まれて、幸福なのかしら?
次にお会いしたとき、あなたの考えを教えていただきたいですわ」
修は柚乃の真意がつかめず軽く眉間にしわを寄せた。
「それは謎かけか?」
「いいえ。ただの、気まぐれですの」
そう言って、柚乃はいたずらっぽい表情でコーヒーをすすった。
彼女は、専門的な勉強は大学や専門学校ですればいいと思っている。勉強・将来のためという言葉は彼女が高校に通う理由にはならないらしい。もし勉学という点で柚乃に進学をすすめるならば、「寝子高でないとできない勉強」がおすすめだ。
化学の力で生まれた青いバラ。
存在が空想上の植物だったころの花言葉は「不可能」、実在してからの花言葉は「奇跡」である。
やがて、花壇の手入れを終えた、いいな・美咲紀・五月がやってくる。
3人はご褒美用に作られたアップルパイをほおばりながら幸せそうな表情をしていた。
悠がちらりと彼女らの方を見る。頭痛もちのため、なかなかクラスで友達が作れないことを思い出したようだ。
「どうした? 風宮」
『表情が寂しそう……気のせいかな?』
林檎に話しかけられ、ふっと口元が緩む。
林檎、柚乃、千唐、修と知り合いになったきっかけが、いつも自分を悩ませる頭痛とは。
「……結構、落ち着く……お店だな……って」
長い黒髪がサラサラと揺れた。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月16日
参加申し込みの期限
2013年03月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月23日 11時00分
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