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ちゃよなら、フツウのひ
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●樋口先生といっしょ(おばけ編2)●
【講堂】
「うわああ、あああああああん」
(チィ……余計に状況が悪化したか……)
それまで遠巻きに見ていた
草薙 龍八
が、大泣きする樋口先生を見て、舌打ちをした。
「どうしたの? 何かあったの?」
「なぁなぁ。ぐっちーなんで泣いてんの?
きいたるから、はなしてみ」
その様子を見て、あわてた
新井 米太郎
、
十条寺 達磨
などが、泣いている理由を聞き出そうとやっきになっているが、もはや先生の耳には届いていないようだ。
また、繋がらないトランシーバーを取り落とし、幼児化しきったミス研の
斉田 珠喪
が、
「ねぇ、たまもといっしょにあそばない? いっしょにあそべばたのしいよ!」
と着物の袖を引っ張っているが、こちらも先生はイヤイヤをするように首を振るばかり。
「アカン……なに言うても、だめや」
十条寺が首を振って、腕組みをしている草薙の方に近付いてきた。この2人には、まだ比較的高校生の理性が残っている。だんだんその思考力も携帯の操作も、怪しくなり始めてはいたが。
「……察するに、どうやら樋口先生は、何かを見たようだな」
「もしかしたらぐっちー、かいぎしつで、
なんかこわいもんでもみたんちゃうかな?
たとえば……」
「例のカラス……か」
頷く十条寺と草薙。この2人が言っているのは、ここ最近の事件の影で、ひんぱんに目撃されている、あのカラスのことだろう。
「子供になって例のカラスを見て泣いてるなら、
怖がってないてるのにも説明がつくか?」
けれど、樋口先生の混乱はひどい。ただカラスを見ただけで、これほどおびえるものだろうか?
そこがまだ草薙には分からない。しかし、これまで件のカラスに接触しようと試み、そのたびに失敗してきた彼は、今度こそカラスの情報を少しでも手に入れようと、樋口先生に近付いた。
「ねぇ……お姉ちゃん……大丈夫、僕がそばにいるよ!」
(この姿……死んだ姉貴の子供時代と瓜二つじゃないか……クソ)
その泣き顔から目を背けたいのか、すべてを忘れて抱きつきたいのか、だんだん正常な判断ができなくなってくる。幼少期の記憶が、ついに高校生の理性を侵食し始めたようだ。
(惑わされるな……俺は野々ののこを殺害する……
フツウを壊す目的のために)
「幽霊が来たって僕が守るから……どんな怖いものだったか教えて!」
胸クソの悪い自分の演技に、内心で歯噛みする草薙。しかし情報を聞き出すためにも、ここは耐えだ。そう、
(フツウ……俺から全てを奪った連中が口にしてた綺麗事……
カラスの力を借りて壊すためにも演技して聞くしかない……)
けれども、実際の樋口先生には、弟はいない。草薙の必死の演技は、あくまで彼からの一方的なアプローチでしかなかった。死んだはずの姉は……いや、姉のような顔をした女の子は、ただ目に涙を溜めて、ぼんやりと草薙を見返すばかり。
(ここまでか、クソ……意識が子供に……)
カラスのことが聞き出せれば、それを全部スマフォの録音機能に吹き込むつもりだったが、結局得られた情報は、何も無かった。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。僕だって戦えるよ!」
はるかに遠いその男の子の声を最後に、悪のテロリストの理性は潰える。
「お姉ちゃんは大切な人だから、僕が怖いものから全力で守るよ。
だってお父さんが、男の子は大切なものを守れる勇気があれば、
正義の味方になれるって教えてくれたから!」
ひたむきに約束するその男の子をみつめながら、
エカテリーナ・クロキ
は違和感を感じていた。彼女にはまだ、高校生の記憶が残っている。
(ちがう……んじゃないかな)
これまで、最も樋口先生の心を開いたのは、
東雲 人里
の一言だったように思える。
(「いっちょだかりゃ大丈夫でしゅ」)
けれども、その後の彼女の行動が、何か決定的に樋口先生を追い詰めてしまったようだった。
それは、いったい何なのだろう?
──うそだよ。やよい、そんなの見えないもん!
(この女の子は、何かを怖がって泣いてる。
でも、今この子が恐れているのは、幽霊でもおばけでもなくって……)
エカテリーナはそっと
草薙 龍八
を押しのけ、嗚咽する女の子の手を、ぎゅっとにぎった。
(……幼児化で力は弱ってても、少しは発動するはず)
ろっこん、【一握りの空気】──発動。
エカテリーナの掌の中に、握りこまれた空気が圧縮され、やがてそれは、ビー玉よりもちっぽけな球体に変わる。
空気なので、目視はできない。重さも無い。けれど、わずかな手応えは感じる。
それを、そっと女の子の小さな手に移し、ゆっくりとそのくぼみに転がしてみせた。
「──あのね。私も特別なことができるんだ」
はっと前髪を上げてこちらを見る女の子に、にこりと言い聞かせるエカテリーナ。
「だからやよいちゃんは一人じゃないよ。大丈夫だよ」
嗚咽が、止まった。自分の手のひらに載せられた「それ」を、じっと見つめる樋口先生。
「……やよいには見えないの。でも、ここになにかあるって、わかる」
無言でうなずくエカテリーナ。
「やよいもね、見えないものが視えるの。ずっとそうなの。
でも、それは言っちゃだめなの。だって……だって……」
まつ毛をふるわせる子供の代わりに、言ってあげるエカテリーナ。
「うそつきって、みんなに言われるから?」
「やよい、もう、うそつかなくて……いいの……?」
そっと頷くエカテリーナに抱きつき、再びその女の子は号泣し始めたのだった。
そこに、遅れて講堂にたどり着いた2人がいる。
「あっ、霧切先輩!?」
慌てて駆け寄る
新井 米太郎
。それは
霧切 翠子
と
青野 海仔
の2人だったが、そのうち翠子の方は、手からぽたぽたと血を流している。
「どっ、どうしたんですか。その手!」
「あっ、こー君が女の子みたいに可愛くなってる……じゃなくって」
そう言う翠子はなぜか、その後輩より頭1つ分ぐらい背が高い。10歳児ぐらいに見えるのだが、それはここまで、ろっこん【バジリカ】を使って、自身の幼児化を緩和させてきたためだ。
けれどその代償は大きく、疲労がとても激しい。朦朧とする意識を繋ぎ止めるため、ここまで自分の手をカッターナイフで刺して、痛みで正気を保ってきたようだ。
「樋口先生……ですね?」
その場にいた、
三ツ瀬 銀次郎
などから事情を聞き、ようやく泣き止んだ樋口先生に近付いて、【バジリカ】で包み込む翠子。半径5mの効果範囲も弱体化しており、先生を抱きしめるぐらい接触しないと恩恵が発生しなかったが、
「あ、……いったい私……それに、この身体は?」
その甲斐あって、5歳児だった樋口先生が、10歳の小学生の姿に成長した。髪型もお団子頭になり、すでにこの頃から、大人びた先生の面影がある。
「そこにいるのは……
小鳥遊 雛姫
さん? それに、みんな──」
そして決定的に重要なことに、先生の記憶が、元の大人に戻ったのだ。
また、同時に
青野 海仔
が、成長した先生に触れ、ろっこん【RECEIVE】を行使していた。もし、樋口先生がこの子供化現象を引き起こしている暴走もれいびであるなら、【RECEIVE】で能力をコピーすることで、その識別ができないかと考えたのだ。
「ふむ……、しかし、どうやらちがったようだな」
樋口先生は、もれいびではなかった。
もっとも、すでに海仔が子供になっている状態で、原因である人物のろっこんをコピーできても、非常に判別が難しいのだが……、そもそも翠子の【バジリカ】で、先生の幼児化が緩和できている時点で、ちょっとおかしい。樋口先生もまた、外部にいる別のもれいびから、影響を受けているのだ。翠子や、他の生徒たちがそうであるように。
「その……あなたたちがさっきから言っている、
もれいび、とか、ろっこんって……何のことなの?」
詳しく私に話を聞かせて、と子供たちみんなを見渡す樋口先生。
けれど、その前に……
「東雲……さん?」
その中に、おびえる
東雲 人里
の顔を見つけて、
「さっきは、うそつき、なんて言ってしまって、本当にごめんなさい」
と謝る先生。さびしい表情になって、
「あれは……私自身が、子供の頃に言われた言葉。
そう、ちょうどこのぐらいの年になるまで……」
と10歳になった自分の姿を見下ろし、
「見て見ぬフリをすることを覚えるまで、ずっと言われ続けてきた言葉。
──『なんにもいないじゃない、やよいちゃんのうそつき』。
なのに、同じことを自分も、大切な生徒に言ってしまうなんて」
そう──
エカテリーナ・クロキ
も、理解する。
霊感の強いこの先生は、ただ、へんなものが見えちゃったから泣いていたのじゃない。そんなものが見えてしまうことを誰にも信じてもらえなかった、自分の孤独に泣いていたのだった。
(こわがっていたのは、幽霊だけじゃない。
先生にこわがられていたのは、そう、私たち自身──)
そういうわけだったのだ。
「らっかみ、ろっこん、もれいび……不思議なこともあるものね。
でも、現実に今、あなたたちが子供になっているのを見れば、信じられる。
ううん……、信じなきゃいけないわ。何があっても」
霧切 翠子
や
青野 海仔
らから、ののこが落ちてきた日からのことを説明された樋口先生は、次に自分が知っている、事件直前のことを話し出した。
そう、会議室でいったい、何があったのか?
「最初は……そう、ピチチチ……って鳴き声が、すぐ近くで聞こえて」
これは、
八神 修
もドアの外で聞いたという、小鳥の鳴き声のことだろう。
「それはきっと、五十嵐先生のろっこんの鳥じゃないかしら」
「五十嵐先生まで、もれいびなの?」
と翠子の指摘に、ひどく驚く樋口先生。けれどすぐに気を取り直して、先を続ける。
「気が付いたら会議室の先生方がみんな、子供になっていたわ」
誰が最初に、子供になったのかは見ていなかったらしい。その時ちょうど、樋口先生は別のものに気を取られていたからだ。
「窓から突然、黒くて大きな影のようなものが、入ってきたの。
ううん……、それが大きく禍々しいものに見えたのは、
その時点ですでに私が、子供になっていたからかもしれないわね」
そして、その黒い影は、まるでおばけのようにそのシルエットを伸び縮みさせながら、ある先生の頭の中に、吸い込まれるように消えたのだという。
それが、樋口先生の見た、会議室での最後の記憶。
「その……あるセンセって、だれやねんな」
おそるおそる訊ねる
十条寺 達磨
に、樋口先生は、はっきりとこう答えたのだった。
「──あれは、五十嵐先生だったわ」
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なし
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学校生活
コメディ
推理・サスペンス
定員
1000人
参加キャラクター数
187人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月01日
参加申し込みの期限
2013年04月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月08日 11時00分
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