学園ロミオとジュリエット！｜リアクション

学園ロミオとジュリエット！

　　【某所にて……】

　埃を被った、独特のにおい。
　カビが生えている訳では無いが、生えていてもおかしくないんじゃないかという位の使用頻度の低い道具が揃ったその場所にて。

　中学生に逆戻りした吾妻壬王は、後ろ手にガムテープ、両足にもガムテープ、口にもべったりガムテープと、それはもう徹底した拘束ぶり。

　見渡せば、ライン引きの石灰による粉塵爆発、行事に使う風船用のガス、徒競走に使うピストルの火薬──ここは安全を装った火薬の倉庫。

「ケラケラケラ！　これで準備はいつでも万全さね。
　吾妻先輩にゃ悪いが、ここで待ち伏せしてリア充（予定）を皆もろとも吹き飛ばしてくれるわ！」
　それはもう、悪いと言いつつ、一向に悪くなさそうに宣言する骨削瓢。
　実際に、今はとても楽しいので悪いとは全く思っていない！

「むーむー！　むー！！」
　壬王が半体育座りで、呼吸を犠牲にして必死に不満とも罵声とも取れる声を上げる。
　「想い人が心配かぃ。大丈夫、吹き飛ぶ時にはあっし以外は皆一緒さね！」

　瓢が勝ち誇ったように高笑いを上げる。高笑いしても誰に見つかる場所ではないのは確認済みだ。
　これからの光景が、想像するだけで楽しみで仕方が無い！