学園ロミオとジュリエット！｜リアクション

学園ロミオとジュリエット！

　　【それは階段。昇る一歩は千の奇跡】

　１歩、１歩。
　少女、叶寿里は足を進める。

　１歩、止まって１分。確認してから更にゆっくり、もう１歩。
　放課後前のホームルームをサボってまで挑む階段。
　慎重に。それはもう慎重に。

　やっと２年生の教室の扉が見えてきた。
　少女は泣きながら訴える。

「ああ、吾妻先輩！　吾妻先輩！
　どうして、先輩は『先輩』なんですか！？

　先輩じゃなかったら、せめて同学年であったなら！
　私だってこの階段くらい……むしろ、この階段さえなかったら！！」

　叫んでガッと足を掛けた瞬間、滑り止めがあるのに滑り落ちる階段！　足！
　手すり？　そんなものは数日前に自分が手を掛けた瞬間に、外れてしまって直っていない！

「にぎゃああああ！！」

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