学園ロミオとジュリエット！｜リアクション

学園ロミオとジュリエット！

　　【恋花教室２】

　１年１０組の教室にいた羽生碧南まで響き渡った絶叫。
　それはとある女子のもの。
“ろっこん”という存在のせいではないかという噂も聞いている。
　それがどんなものかは碧南には分からないが、その起こっている現象は非常に興味深いものだった。
　
　何が起こっているのかも、もうそれは既に噂どころか駄々漏れの事実として伝わっていた。

・両思いなのに、これでもかと言うくらいに数多の苦難を受けて、ラブレターが渡せない。
・攻略対象は硬派過ぎて自分からは絶対に告白しない。

　碧南は思った“え？　それってなんて恋愛攻略ゲーム！？”

　恋愛ゲーム好きの碧南は胸を思い切り高ならさせずにはいられなかった。
　そのシチュエーションは、まさしく、彼女が最近クリアした“恋花教室２”そのものだったのだのだ。

　恋愛アドベンチャーゲームが現実に起こっている──それは十分に碧南の心をくすぐった。
　“これって、全ルートコンプリした「恋花教室２」の悠麻ルートの展開まんまじゃないのっ！”
　思わず表情までにへらとばかりに緩んでしまう。

　しかし、
「そのままだとしたら──痛ましすぎる……っ！」

　──クリアした「恋花教室２」悠麻ルートは苛烈に苛烈を極めたシナリオだった。
　主人公はゲーム内で何度死に掛けたかも分からない。

　それが現実に起きているといたら、思えば思うほど、噂の彼女は生きているのかも心配になってくる。

「あれは、余りにも主人公が無惨すぎた──放っておく訳にもいかないよね……！」

　ＨＲ終了後、碧南は勇気を出して１-４の教室を訪れた。
　これから起こる悲劇を、想像だにもせず……

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