怪人セブンの暗躍｜リアクション

怪人セブンの暗躍

【エピローグ】

　八神と常闇、そして楢木は翌日、リッカルド町長のもとへ出向いた。
　ネコジマ・ランウェイの中止を訴えるためだ。
「島ぐるみで叢雲の計画に加担させてたまるか……！」
　使命感を帯びつつ町役場に入った八神。
　……だったのだが。
「いやぁ、弱りました。スポンサーの草薙製薬側から『寝子島はイベントに適さない』ってドタキャンされましてねぇ……？」
　泣き出しそうなリッカルド町長に八神は何も言えなかった。
　八神はここぞとばかりに叢雲と草薙製薬の因果関係をまとめた資料をこれでもかと持参していたのに。
「また空振りか……」
「そんな時もありますよ……」
　常闇も遠い目をしながら唖然としていた。
「非常に悲しいです……。私が心血を注いでようやく誘致できたと思ったのに……！」
「え、ということは、町長は自分の意思でイベントを招致していたのか？」
　悔しがる町長に楢木が尋ねた。
「俺、てっきり悪い奴らの洗脳を受けて町長が裏で糸を引いていたと思ってたぜ！」
「えっと、なんのことでしょう……？」
　不思議がる町長を横目に、ただ１人だけ喜ぶ楢木であった。
「よかったなぁ、町長はシロだぜ！　な、八神、常闇！？」
　八神と常闇は秘書が淹れた渋い緑茶を黙って飲み干すのだった。

　旧市街のラーメン屋『猫島軒』の壁には、アイドル魅紗歌との記念写真とサイン色紙が飾られていた。
「これでうちも有名人が来た店と言い張れるアル！」
　あの日以来、売上も絶好調で笑いが止まらない畑中。
「それにしても、吉祥寺先輩、なんで早く言ってくれなかったアルか？」
　吉祥寺から送られてきた今回の事件の真相を見て畑中は溜息を吐いた。
「次は私も“英雄”になって、みんなを助けたいアル！」
　様々な絶望や謀略が渦巻く『英雄』と『教団』の確執。
　ここにまた１人、英雄の資格を持つ者が現れたのであった……。

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