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時間を切り取るカプセル
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【2次元と3次元の狭間で】
午前中限定のバスケ部の休日練習。
スモール・フォワードという立ち位置にある彼女は、疾風の如くドリブルで相手を抜き、そうかと思いきやゴール争いにも容赦無く参加し相手を押し退けて、今日も嵐のように得点をゲットしていく。
そんな
羽生 碧南
が息をついている休憩時間に、彼女は仲間のバスケ部員からタイムカプセルの話を耳にした。
「タイムカプセル……かぁ」
嵐のような気性はコートの中での事でだけ。
そんな碧南が、自分が200年後に残しておくとしたら、何にするだろう──そう思った答はものの5秒をせずに頭の中から飛び出してきた。
「(自分がここにいる証明──ああ、あれやこれの乙女ゲームへの思いの丈を、タイムカプセルに山ほど詰め込んでみたい──!)」
ほんわかしながら考えるその思考は、むしろ、頭ではなくパッション震える心の中から飛び出してきたものの様子。
もう、想像するだけでバスケ部メンバーの中で、照れ照れになりそうなのを必死に押さえて、碧南は早速タイムカプセルに詰められそうなものを思案し始めた。
一度家に帰り、早速準備して必要な物を取り出してくる。
色々と詰めたいものが多すぎて、大分時間が経過してしまったが、それでも手に持つバッグに入っているものは宝物。
そのまま早速、碧南は自転車に乗って寝子島ロープウェイの方へ、意気揚々と飛び出していった。
寝子島ロープウェイ“展望台前”夕日になりつつある日差しの中で、カプセルを置いた長机の上に、家から回収してきたものを並べて入れていく。
まずは手始めに自分の写真。乙女ゲームの情報と同じくらい大事なのは絆の証。写真は最初にバスケ部のメンバーと一緒に撮った輝かしい思い出をチョイス。
「う~ん、やっぱり自分が一番良く写っているのがいいよね」
次に選んだのは、自撮りしたものや、夏のビーチバレーで物凄く活き活きと撮ってもらったもの、後は大分前になってしまうけれども、初々しい制服姿のものまで遡って自分で厳選。
写真群は綺麗な密封シート式のポケットアルバムに収められ、空気による劣化も完全防御だ。
次に入れるのは乙女ゲームのグッズシリーズ。クリアファイルや、ゲームの初回予約限定ポストカードや大切な同人誌やペーパーも一緒に。
一緒に同封する予定の個人所有の可愛いアクセサリーや雑貨も大事だが、それ以上に大切に愛を込めてタイムカプセルに入れていく。
「………………」
同時に周囲の目線という恥ずかしさも込み上げるが、これも愛故。愛の為なら恥ずかしさは幾らでも我慢できる。
一緒に埋めた日の証拠品として、途中のコンビニで新聞を買ってきたが、タイムカプセルはとにかくグッズと本や紙類に溢れていて、既に紙1、2枚収まれば良い方だった。
仕方が無いので、新聞紙の一面が載ったページだけ、名残惜しくも破いて押し込む。
最後に、碧南はギリギリ収まりそうなスペースに手紙を一通入れることにした。
カプセルが高湿度状態になった際に滲んで読めなくなってしまうので、置いてあったペンではなく、受付にいって鉛筆を借りてきた。
“200年後にこれを発掘した人へ
これを発掘した人はもしかするとがっかりするかもしれないけれど、それでも自分のタイムカプセルらしいものを入れておいた方がいいかなと思って、大切なこれらを入れて手紙を書いています。
200年後には自分はこの世にはいなけど、自分が今ここにいるということを確実な形で残しておきたいと思ったので。200年後も、きっと寝子島が変わらずここにあると思いたいので……”
手紙をしたため、同人誌で上に伸びている中身に気をつけながら、カプセルの上下を上手く合わせて封をした。
油性マジックで自分の名前と大好きなお気に入りの乙女ゲームのキャラクターを“描き過ぎは良くない。誰か1人…誰か1人……”と必死に心の中で“1番の好きなキャラ”という、乙女ゲーム好きには一番ハードルの高い選択をした後、他のキャラクターを涙ながらに諦め、絞りに絞った1人を、描き慣れた様子でタイムカプセルに描いていく。
「ふぅ、完成……っ」
出来上がったタイムカプセル。
碧南はさっそくその完成度に心から満足しながら、穴が掘ってあるところまで持って行って埋める場所の見当をつけて卵を穴に置いた。
その時、
「そこの可愛らしいお嬢さん。お嬢さんもここへタイムカプセルを?」
よく乙女ゲームで聞くようなとても柔らかな男の人の声。
碧南は思わず自分の後ろ周辺を振り返り、それからやっとその言葉が自分に向けられていることに気付いた。
「え? え…あの…っ! は、はい……」
碧南は一瞬、何か見間違えたかのように相手を見直した。
赤い髪に緑の瞳、格好良くてその上、優しそうなこの物腰。偶然にも、最近ハマった乙女ゲームの登場人物にあまりにそっくりに見えたものだったから。
「よかった。せっかくだし、俺もこの辺りにしようかな」
ふと姿を見せた
ジェレミア・ベルトーニ
が、とても自然な仕草で碧南の隣に屈み込む。
──つい魅入ってしまう。2次元から何かの間違いで3次元に来てしまったのか、それとも現実的なラインでコスプレ……いや、流石にどちらもないだろう。
「君はタイムカプセルに何を入れたのかな?」
柔らかな笑顔でジェレミアが尋ねて来た。
──碧南も決して2次元に閉じ篭りきりという訳ではない。
ただ3次元で2次元を求める事自体がおかしい事くらいは分かっていたし、それならそれはそれで2次元の夢の住人でも──と思っていたところで、
まさか、世界に2次元と紛わんばかりの3次元がいたとは。
そんなものが、突然現れても困る。困る。
碧南も“リアル3次元ノーサンキュー”という訳ではない。
思わず、タイムカプセルを背中に隠しながら、碧南はうろたえながら問い掛けた。
「そちらは、な、何を埋めに来たんですか?」
「俺は花の種を埋めに来たんだ。自分で掘り起こさなくても……200年後の人達に育ててもらえたら、と思って。
自分で掘り起こさなくても、この花達なら200年後でも、元気に芽吹いてくれると信じてる。
それで、この種から花を育ててくれると嬉しいな……と思ってね」
そう言いながら落ち着いた眼差しで柔らかくタイムカプセルを見つめるジェレミア。
その横顔に、タイムカプセルの中の花の種に向けられた優しさを、碧南はじっと感じ取っていた。
優しい人なんだな──その思いは、柔らかな声も容姿も越えて。ただ碧南の心に静かに響いた。
「あ、そうだ。カプセルにも花の種が入っている事を書かないとね」
そう告げて、少し慌てたように受付の方にペンを借りにでも行ったのだろうその間に、こちらは大慌てでタイムカプセルの絵柄の向きを変えた。
碧南は思案する。自分の中では乙女ゲーム攻略は胸を張ってもいい趣味だ。どんな初見ゲームであっても、複数エンドオール到達から4又5又のキャラ攻略など当たり前の効率化スキルだって脳内にはある。
ただ、今回タイムカプセルにはその自分の欲望を詰め込んでみましたとなった時、それを女性ではなく、男性に言ってしまって良いものか。しかも初対面で。
葛藤は数十秒もしなかった。
「ああ、とても可愛らしい絵を描くんだね」
「──!!」
先程と同じ位置から、微笑んでいるジェレミアの姿。
碧南はジェレミアの背の高さを度外視していた。
自分とほぼ同じ身長。しかし、それは碧南がバスケを行う180cmの長身であるからであって、しゃがみ込んでしまえば反対側に隠して見ても絵は殆ど丸見えだった。
「………………」
恥ずかしさに撃沈する碧南。
「恥ずかしがる事なんてないよ。タイムカプセルに込める思いは人それぞれなんだから。ただ、君が埋める位の物だから、君にとってそれはとても輝いているものなんだろうね」
内容を聞かれたら轟沈レベルだったものが、その優しい言葉にもう自分から沈没したくなるレベルになってくる。
そんな碧南の元に、正確にはジェレミアの元に一人の声が掛かった。
「ベルトーニさんじゃないですか。お二人ともタイムカプセルを?」
そこにいたのは、これから自分のタイムカプセルを埋めようとしていた
八神 修
の姿。
「ああ、いつもうちの子達がお世話になっています」
既知の間柄なのか、修がタイムカプセルを片手に改めてお辞儀をしている。
「八神君。
──もう時間的にはこんばんはなのかな。今丁度、ここにカプセルを埋めようと思っていたところなんだよ。
そうだ、もし良かったら二人に見てもらいたいんだけれども」
ジェレミアがタイムカプセルを開き、修と碧南に中身を見せた。
そこには綺麗に整えられた本と、乾燥剤が添えられた花のセット。
「わあ、きれい」
「綺麗に整えられていますね」
「この本と、このメモだけで通じるか少し不安に思ったんだ。是非確認してくれれば嬉しいな」
碧南はつい、本とメモではなく華やかな花の写った袋の方を手に取ってしまい少し恥ずかしそうにしつつも、修と共にはメモの方に目を走らせた。
「『気温と湿度と、日照。後は土、それだけ気を付けてくれれば、元気に育ってくれる良い子達ばかりを選んで入れたから!』──本当にその通りですね」
碧南には花の話題は分からないが、二人の様子と、この小さいがしっかりした装丁の花の育て方について載せられた本を見ればある程度は分かる気がした。
「ですが、先生らしいですね。タイムカプセルに花の種なんて」
「うん、200年も先の人にとって、昔の種が芽吹くのも、生命の神秘を感じられてとても素敵な事だろう?
そして元気に咲いた花達をみて、幸せな気持ちになってくれると嬉しいなと思ったんだ」
「……大丈夫だと思います」
その言葉を聞いた碧南は、少し胸をどきどきさせながらも、はっきりと口にした。
「こんなに大事に思いが込められた花の種なら、未来の人もきっと意図を汲んでくれて、きっと素敵な花を咲かせてくれると思います……!」
その言葉に修は僅かに微笑み、ジェレミアは優しく満面の笑顔を浮かべて頷いた。
「間違っても、自分で無理して、タイムカプセルの穴を掘るなんて真似をしないで正解だった。
君が言ってくれたのだったなら、それはきっと間違いない」
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月15日
参加申し込みの期限
2015年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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