それは、昨日の昼のこと。
九夜山にある寝子島ロープウェイの到着地地点である「展望台前」周辺を見渡しての事だった。
淡々と緑深く連なるロープウェイ。
寝子島町・町長である
中沢 リッカルドは、昨日のその光景に非常に頭を悩ましく抱えていた。
確かに、奥に進めば見晴らすにふさわしい三夜湖が姿を見せて観光客を楽しませてくれる。
しかし、それまでの辿ってきた、ロープウェイの道のりだけでは、幾ら樹が生えていてもあまりに殺風景ではないのか?
もっと、魅力的な──例えば、
『思いやりを。この町の人の心を汲んで、この温かい寝子島の人の心をキャッチしてリリースできない位に鷲掴みに』してみたい。
そこまで思考したところで、リッカルドは何かを思い立ったように、がたんと椅子を跳ね上げ立ち上がった。
そして、町役場の執務室に座っていた彼は、真命を見つけたりと言わんばかりの勢いで口にする。
「そうですね、これはやはり『展望台前』の傍の敷地に、タイムカプセルを埋めましょう!」
──一体、タイムカプセルはどこから出てきたのか。
しかし、町長は本気だった。
島の為に。島に住む町の全ての人の為に。たまには、イベントという名のサプライズも必要なのだ。
決断すれば、その行動は余りにも早かった。
リッカルドは、即座にテーブルの上の電話に手を伸ばし、どこかへ向かって早速その件について話し始めた。
初めまして、こんにちは。長らく留守にしてしまい申し訳ありませんでした。このたびMSをつとめさせて頂きます冬眠と申します。
今回は『皆でタイムカプセルを作って九夜山に埋めよう』です。
愛ゆえに、リッカルド氏の頭の中で全てが完結してしまった内容を、こちらで細く説明させて頂きます。
・【状況/PC様が事前情報として、簡単に入手出来る情報】
リッカルド氏の行動に応じて、町中に『タイムカプセルを九夜山山頂に埋めよう!!』というチラシが配られました。
その為、こちらに記載の内容につきましては全てPL様ならびにPC様の共有情報としてご利用頂けます。
【何が出来るの?】
自分用のタイムカプセルをご自由に作って埋める事が出来ます。
今回は開けずに、埋めるだけのシナリオとなります。
→【タイムカプセルについて】
・縦50cm、横30cm程度の卵型をした地面に埋めても分解されない、固くて厚いプラスチックカプセルです。
・中央から半分に割れており、上下を合わせて回す事で完全に中身を密封出来ます。
・カプセルに、カラーを取り揃えた油性ペンで自分の名前を書くことが出来ます。普通に名前を書くも良し、芸術魂を爆発させてフリーダムに書くもよしとなっております。
【時間はいつ?】
タイムカプセルイベントが1日開催の予定の為、
1日の内であれば早朝から深夜まで任意のお時間を選んで頂けます。
特にご記載の無い場合は、こちらで指定無しとして自由に設定させて頂きます。
【どの位もつの?】
タイムカプセル、通称“卵”は地中分解されず、リッカルド町長の溢れるパッションにより、町場管理の下、まさかの200年先まで、その場所の保持が約束されました。
その為、万が一亡くなられて生まれ変わっても、はたまたその子孫等が宝の地図などで場所さえ分かれば、充分後世に伝えられます。
【穴はどこ?】
寝子島ロールウェイの展望台前(G-5)を降りて草木の少ない所に埋める用の穴が既に掘ってあります。
「滴り落ちる汗が輝く肉体労働がしたい!」という方向けに、自分で穴を掘り自分で埋る為のスコップも用意されております。
【神魂影響などは?】
今回は一切ありません。
極めておかしくない日常です。
それでは、数十年先の未来への自分に向けて。過去のあの日を振り返る為に。
お年寄りの方は、来世があるならその時の自分に向けて。亡くなられた連れ合いの方との愛の手紙も魅力的。
そんな、時間を切り取るタイムカプセルは如何ですか?