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【魂に刻まれたの私達の芸術】
「うわあ、寝坊しちゃったよー」
待ち合わせの昼から夕方を過ぎて、空が暗くなり始めた頃、寝子島ロープウェイ“登山道入り口”での待ち合わせ。
それに見事に遅れてきたのは、
海晴・メルブリーズ
だった。
「遅いですわ」
「海晴ちゃん、一体何かあったのかしら? もうっ、心配しちゃったじゃないっ」
一緒に待ち合わせをしていた
設楽 千聖
と
七雅 麗音
が各々なりの心配した様子で声を掛ける。
「ごめんねー。昨日頑張ったらすっかり寝坊しちゃって……」
海晴がそんな深刻そうに見えないのは、三人の中ではいつものこと。改めて顔を合わせて、笑顔でロープウェイに乗っていく。
見下ろす景色がとても高い。
「二人とも、タイムカプセルに入れるものは用意できたかしらっ?」
ロープウェイで他の二人が頷きあった。
三人でタイムカプセルに入れるもののテーマは“現時点で、自分が一番出来の良いと思った最高傑作”──それは、芸術科を専科にする三人ならではの発想だった。
それならば、数年後にタイムカプセルを掘り出した時、自分が今この時よりも成長しているかが一目で分かる──千聖の発案に、麗音も海晴も胸を高鳴らせながら頷いた。芸術を志す者にとって、一番知りたく、そしてそうでありながらも一番分かり辛いのが己の成長であったから。
他の二人は何を入れるのだろう。海晴は興味津々に二人の手持ちのバッグに目を向ける。
比較すると、自分のバッグには、書道具一式と、一枚の紙、そして他にも大切なものとしてミニ枕を持ち出してきた。
一枚の紙には、一筆“挑”と渾身の思いを込めてしたためられている。
昨夜に、書道を専科で選んでいる海晴は、寝坊しない為にという思いも一緒に込めて“己の限界に挑む”と決意の丈を書いたところ、その言葉は、見事に現在自分の出し得る渾身の一枚として心から紙へと写すことに成功した。
しかし、海晴の場合は、結果、その全力を尽くしすぎての寝坊と相成った次第ではあったが……。
「あ、山頂ライトアップされてるねぇ」
夕暮れ時の紅葉が舞い落ちる季節に、本日のタイムカプセルのイベントの為に急遽実行されたのであろうライトアップは葉と空の朱色が照らされてとても美しいものになっていた。
「まあっ、本当。素敵ねっ」
「ああ、何でしょう…この美しい光景には…そう、確か前世の記憶に──!」
各々が、その美しさに目を奪われている間に、ロープウェイは山頂へと到着した。
地面に降りれば、ライトアップの照明は更に眩しく紅葉を照らしていた。
三人で辺りを見渡しながら、受付でそれぞれにタイムカプセルを受け取る。
「リカちゃんとレオ先輩は、何を持ってきたのかなぁ?」
のほほんと海晴がタイムカプセルをいじりながら共に歩く二人に尋ねる。
「私は、この世界の在り方と自分の力に目覚めて、初めて作った曲をCDに録音してきましたの。
それまで、この私も地味な存在でしたわ……己の道行きに伸び悩み、このまま凡庸な奏者で終わるのかと世界を達観した時『シンフォニックメタル』という分野が、まるで封印されし鍵を解くかのように新たな世界へと私を誘いましたの……私、確信致しましたわ。
あれこそ、私の求めていたものであるという事を……!」
少なくとも現実ではなさそうな、どこか遠くを思う眼差しで千聖が告げる。
「あとは私の伝記ですわ!
ここには私の力のことや「機関」との対立のことなど、細かく記載されているのですわ!
子孫たちがこれを見て私の偉大さを感じられるように……」
ここでの私の力のこととは(ちゅうにびょう発病時)のことらしい。
そこには敵対する「機関」との壮絶な争いの記憶が刻まれているようだ。
「あ!そうだわっ、サインを入れておきましょう」
……こうして、そんなに遠くない未来、まさしく彼女の正真正銘の黒歴史となるノートが音楽CDと共にタイムカプセルへと入れられた。
「そうねぇ…」
こちらも麗音が少し迷うように、しばし思案してから、
「やはりどちらも選べないわね。自分が作詞作曲したデモCDと初めて作った歌──両方とも今まで作ったモノより良い出来なのよねぇ……まぁ現時点でだけど」
はにかんで見せながら、麗音は2枚のCDを取り出した。
「何というタイトルなのです?」
千聖の言葉に、恥ずかしそうに麗音がタイトルを口にする。
「『好きだと言えなくて……』と言う悲恋ソングと『ありがとう―─My Best Friend―─』と言う友情系ソングよ。
悲恋ソングの方は結婚を控えた女性に片思いしてる男性の想いを綴った歌なの。
コレは今迄の中で最高の出来だと思ってるわ。
──ぶっちゃけ、姉さんの友人の話を聞いて作った曲だったり」
その曲のイメージ元に苦笑しながらも、それでも隠さず現時点の名作だと告げる麗音は、生粋の芸術家肌であると言えた。
「友情系は普通に友達に対しての想いを表した曲よ。
初めて作ったのがこの友情系なのよね……折角だから埋めちゃうわ」
少し、それが作れた事へ幸せそうに目を細めて。麗音は、ふと思いついたようにそう口にした。
その二人の作品に込められた思いを受けた海晴は、思わず触発されるように心が躍った。
そして、同時に自分の作品の至らなさを思い知る。
「……なんだろ、今すぐ書きたい」
今すぐ受けた感銘を、今すぐこの場でしたためたい──創作の衝動は留まる所を知らず、自分が来る時に書道道具一式を持ってきていた事を心から感謝した。
しかし、早速それを取り出そうとした瞬間、悲劇は起こった。
一足先に持ってきていた書道具一式に、現状での渾身の一作、そして己の安眠の為には欠かせないミニ枕は全て、ほんのつい先程に、これでもかと言う程にぎゅうぎゅうにタイムカプセルに詰め込んで気合と根性で封をしてしまったばかり。
もう、詰め込んだ密度が並ではなかった。一度開けてしまえば再びタイムカプセルに収められる保障など、もはやどこにも存在しないくらいの密度だった。
「あ、道具一式……この中だ……」
タイムカプセルを開け直して、面倒だが書きたい。だが面倒……そんな2つの衝動欲求と戦っている間に、だんだんと“眠い”という第三欲求が海晴に襲い掛かる。
そう言えば枕も大切だからと持って来ていたはずだ──そして、思い出す。
「枕……枕もタイムカプセルにいれたんだ……」
こうして海晴は、望まずとも生きながらにして、この世の絶望の全てを味わった気分を堪能する事となった……
「ねぇっ、いっそのことタイムカプセルも3人で同じ場所にしない? 数年後に掘り出す、3人だけの秘密の場所っていうのはどうかしらっ?
せっかく大きなスコップも借りて来れるみたいだし……」
海晴が打ちひしがれる間にも、受付の方を見ながら、麗音が口にした先の受付には確かに、小型のスコップの他に、大量に土を掘る用の大型スコップも置かれていた。
3人は芸術科、そして3人揃ってインドア派。
しかしそれでも、楽しさに溢れた心は隠せず、麗音はいつの間にかしっかりと、3人分の大きなスコップを抱えて帰ってきた。
「さあっ、掘りましょうっ」
麗音がいきいきとした笑顔で他の二人にもスコップを渡す。
「汗をかくのは嫌です…が、仕方ありませんわね。
掘るのはここら辺にしましょう」
千聖が穴を掘る場所に、しっかりと地面に枝で魔方陣を書き始める。
「全員インドアなのに……レオ先輩は泥仕事似合わなそうだし……!
リカちゃんの魔王に愛されし力的なヤツで掘れないのー?」
「今日は我が王と月齢との相性が非常に良くないので、『あの方』のお力をお借りする事はまかり通りませんの」
「そうなると……男らしい男は俺しかいないじゃない……俺に任せて……!」
千聖は見るからにか弱い少女。麗音は性別的にも男だが、麗しのオネェでもある麗音に土仕事をやらせるには気が引けた。
ここは自分の見せ場──! 海晴が見せたキリッと見せた決め顔で気合を込めて二人を見やる。
スコップを大きく振るう事、2回。心地良い音が2回響いて……止まった。
見れば海晴は、寝ていた。いつでも寝ていたいを信条に疑わない海晴は、そのスコップを支えに既に睡眠という楽園モードに入っていた。
「まぁ、想定内ですわね」
千聖が、この状況を納得した様子で現状をざっくりと切り捨てる。
「穴掘り、メーちゃんには酷かも知れないけど大丈夫?」
「私これでも体力はあるほうですの。
奏者に必要ですもの……体育が嫌なのは無駄に汗をかかされるからです。
もう、こんなに苦労したのですから、これを見つけた子孫達にはうーんと感動してもらわなければ!」
「あまり無理しちゃダメよ。辛かったら直ぐに言ってねっ?
──そうだわ、穴掘りが終わったらタイムカプセルを埋める前に、3人で写真を撮ってタイムカプセルに入れない?
麗音が胸元からそっとデジカメを取り出す。
「イベントは今日の夜までやっているし、デジカメだったら直ぐに印刷できるわ!」
「それは名案ですわね」
「それじゃあ、沢山写真取るわよ~っ☆」
こうして、眠っていた海晴を何とか起こして、千聖と麗音達は3人で、九夜山の山頂でのあちこちで楽しげにデジカメを片手に、今この時間の思い出作りに全力で励む事とした。
数年後の自分達との比較を、心から期待し楽しむ為に。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月15日
参加申し込みの期限
2015年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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