触手ガールの憂鬱｜リアクション

触手ガールの憂鬱

●最凶のコンビ登場！

「イケメンの……」

「ビショウネンノ……」

「「匂いがした！」」

　突如周囲に響き渡る不気味なハーモニー。
　そこへ姿を現したのはちょっと筋肉質な美女？　セクシーなドレスから覗く見事な肢体？　彼女？　ミッシェル・ナイスゲイの股間は……ぬるぬるの触手だった。
　そして頭部から触手を生やした「美少年（25くらいまでならセーフ）と結婚したい」小野田万里。
　ただでさえ触手で気持ち悪いのに、精神の方もやられちゃった感のある、残念過ぎる２人の登場だった。
　
「イケメンはアタシの物よ～　いや～ん！　アタシのぞうさんが触手になっちゃったわ～ん！
　しかもビクビクしているわ～ん！　」

「ビ、ビショウネンハ、アタシノモノ……」

　タッグを組み、協力して刀と修を襲うかのように思われた２人だったが、本能と欲望の暴走からか、お互いを獲物を横取りする敵と認識して戦いを始めたではないか。　その様は恐るべき怪物のバトルとしか表現のしようがない……

「ビ、ビ、ビ……　ビショウネン……　オ、モチ……　カエリ……」

　それは、結婚できない三十路女の怨念が彼女をモンスターへと変えたのか。その真相は誰にも分からない、だが眼前の真実は万里が本能に従って修を追っかけ回している。その事が表していた――

　万里に追いかけられるという事は、彼女の眼鏡に適ったという事で、同時にそれは美少年と認定された事にもなるのだろうが、気味悪い触手に追いかけられる修としてはたまったものではない。
　修は右へ左へ身をかわしながら、右手の触手を街灯へと伸ばし、掴んですぐに縮める事で体を高速移動させ、繰り出される触手から身をかわす。
そして、すかさず武器と盾を巧みに使い分け、伸びてくる万理の触手との拮抗状態を作り出し、頭部に隠しておいた隠し触手の死角からの一撃で万里の触手を断つ。

「やった……　か……？」