触手ガールの憂鬱｜リアクション

触手ガールの憂鬱

●無敵の触手兵器

　そこへ姿を現したのは、髪をドレッドヘアーのような触手に変えた八神修だった。

　修の頭の右側の触手は首から肩を伝って長く伸び、修の右腕をびっしりと覆い、先は束ねられて一本の太い刃物状の触手になっている。全体が俊敏にしなり、鞭であり、槍であり、剣でもある巨大な武器と化していた。
　一方、頭の左側の触手は修の左腕をくまなく覆うが、指先で幾度も折り返し、肘上までに板状にみっしり並べて沿わせ固形化。刃は全て外側に向けた強固な盾と化している。
　その姿はまさに戦闘に特化した触手兵器の姿だった――

　襲い来るボンキュボーン子や未沙の回避困難な攻撃は左手の盾触手で防ぎ、引っかかった触手を勢いのまま引きちぎり、右腕の武器触手はフェイントを交えて攻撃を繰り広げる。
　修の圧倒的な戦闘能力の高さに周囲の空気が変わった。

「くっ、なかなかやるわね……こいつは厄介だわ……」

　未沙は思わぬ強敵の出現に舌を巻いた。