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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
さぁ、メンタルトレーニング合宿だ！ in 錬心寺
そんな彼の後ろに居た羽生 碧南は、孤独な戦いを強いられていた。座禅では足が痺れ（その上信彦につつー、っと触られて悶絶した）、続いて説法では壮絶な眠気との戦いを味わった。それらを経てより集中力が必要な写経である。
（うぅ……。でも、がんばらなくちゃ……！）
もはや根性で正座し、眠気と戦いながら写経を進める碧南。書道が苦手という事もあり書き損じる自信があった。まぁ、今回はお手本をなぞる為そこまで心配しなくてもいい、と住職は言っていたが。
「大丈夫ですか？」
そんな様子に心配になった静天が声をかけるも、碧南は「大丈夫です」と笑顔で答える。彼は「無理はしないように」と言った上で彼女を見守る。
（大丈夫、いける、大丈夫！）
はっきり言って眠い。足も疲れている。だが、この後待っているのは精進料理の調理体験と夕食、入浴だ。
（がんばろう、あと少しだから！）
碧南はどうにかこうにか写経を進めていくのであった。
写経がそろそろ終わる、という頃。タカシはふと、小声で静天に色々と考えた事を話していた。静天は、黙って、それでいて朗らかな笑顔で聞いている。
「仏道の修行者さんから見たらどうなんでしょうね、こういうのって」
「実はね。座禅でも揺らがず、まったく迷いの無い文字を書く君に、聊か不自然さを感じていたんですよね」
あっけらかん、と静天が言う。それに面食らっていると、静天はニコニコと言葉を続ける。
「君ぐらいの歳の子は基本、迷いの無い文字を書き続ける事はすごく少ない、と私は経験から思います。けれど、君の場合はちょっと迷いが無さ過ぎる、かな？ それがおかしいとは思わないんですが」
何が言いたいんだろう、とタカシが疑問に思っていると、静天はそっとタカシの肩に手を置いた。
「今のままでいい、と貴方が思うならそのまま進んでみてください。でも、少しでも『コレでいいのか？』と疑問に思ったら、迷ったらそこが岐路でしょう。『ないないずくし』な心に疑問を僅かにでも感じたら、変わりはじめた証拠ですから」
悩んで苦しむようだったら、いつでもおいでなさい、と笑いかける住職に、タカシはただ肯く。
「『必要か』『不必要か』だけでは図れない世界もあります。貴方が壁にぶつかるとしたら、そこでしょうかね？」
そういい残し、静天は一礼した。後に残されたタカシは、最後に書く願いの所で筆を止め……静かに筆をおいた。
そしてその近くでは、願い事として『学業成就』と書き、最後の最後で誤字し、途方にくれる拓郎の姿があった。
「……どんまい、だよ！」
そう言った碧南と、後でプリティヴィが肯く。碧南が書いた物はミミズがはったようなモノだったし、プリティヴィにいたっては途中でヒンディー語が混ざっている。
「一緒に提出しに行きましょう」
プリティヴィと碧南に誘われ、拓郎は１つ肯いた。
因みに、プリティヴィは胡坐よりも正座の方が苦手らしく、足が痺れてしまっていた。どうにか碧南に助けられてあるけたが、案の定信彦に足を触られて悶絶する羽目になったがここだけの話である。
休憩中に、円は北条 冬華と共に思い切ってボクシング部顧問の巧に話を聞いてみることにした。途中で出くわした八神 修も興味があったのか一緒である。
「先生、お寺で何かあったんですか？」
楽しげに問う円に、巧は小さく笑った。
「どうしてそんな事聞くんか？」
「いや、先生が懐かしそうにお寺をみていたので、気になったんですよ」
修がそういえば、巧の眼差しが少し柔らかくなる。彼は苦笑交じりにこう言った。
「ワシがガキん時住んでた家の近くに、こういうお寺があったんや。でぇ、ガキの頃はよぉ、住職のじいさんに叱られとったんよ」
「だから懐かしかったんですね」
冬華の言葉に、「まぁな」と、どこか照れくさそうに答える巧に、円はにやにや顔になる。
「何か悪戯したの？ 柿の実とか取ったとか？」
「いっぱいありすぎて言えん。ただ、こういう場所の寺を見るたびに故郷の事を思い出すんよ」
ふと、遠い目になる巧の横顔に、いつもと違う一面があるんだな、と感じた円。その傍らで修がこんな事を聞く。
「先生、お寺で修行した事ありそうですね。どうなんですか？」
「ん？ ちーっとだけ座禅をしたぐらいやな」
巧はいつもの調子に戻って、おどけて言えば円は「へぇ～」と相槌を打つ。あまり過去を語らない巧の事をちょこっと知れて嬉しかった３人なのだが、その一方でどんな子供時代だったのかもちょっと気になるのだった。
（やんちゃ坊主だったのかも、しれませんね）
そんなイメージを持ち、ちょっと楽しくなる冬華だった。
（うぅ……。でも、がんばらなくちゃ……！）
もはや根性で正座し、眠気と戦いながら写経を進める碧南。書道が苦手という事もあり書き損じる自信があった。まぁ、今回はお手本をなぞる為そこまで心配しなくてもいい、と住職は言っていたが。
「大丈夫ですか？」
そんな様子に心配になった静天が声をかけるも、碧南は「大丈夫です」と笑顔で答える。彼は「無理はしないように」と言った上で彼女を見守る。
（大丈夫、いける、大丈夫！）
はっきり言って眠い。足も疲れている。だが、この後待っているのは精進料理の調理体験と夕食、入浴だ。
（がんばろう、あと少しだから！）
碧南はどうにかこうにか写経を進めていくのであった。
写経がそろそろ終わる、という頃。タカシはふと、小声で静天に色々と考えた事を話していた。静天は、黙って、それでいて朗らかな笑顔で聞いている。
「仏道の修行者さんから見たらどうなんでしょうね、こういうのって」
「実はね。座禅でも揺らがず、まったく迷いの無い文字を書く君に、聊か不自然さを感じていたんですよね」
あっけらかん、と静天が言う。それに面食らっていると、静天はニコニコと言葉を続ける。
「君ぐらいの歳の子は基本、迷いの無い文字を書き続ける事はすごく少ない、と私は経験から思います。けれど、君の場合はちょっと迷いが無さ過ぎる、かな？ それがおかしいとは思わないんですが」
何が言いたいんだろう、とタカシが疑問に思っていると、静天はそっとタカシの肩に手を置いた。
「今のままでいい、と貴方が思うならそのまま進んでみてください。でも、少しでも『コレでいいのか？』と疑問に思ったら、迷ったらそこが岐路でしょう。『ないないずくし』な心に疑問を僅かにでも感じたら、変わりはじめた証拠ですから」
悩んで苦しむようだったら、いつでもおいでなさい、と笑いかける住職に、タカシはただ肯く。
「『必要か』『不必要か』だけでは図れない世界もあります。貴方が壁にぶつかるとしたら、そこでしょうかね？」
そういい残し、静天は一礼した。後に残されたタカシは、最後に書く願いの所で筆を止め……静かに筆をおいた。
そしてその近くでは、願い事として『学業成就』と書き、最後の最後で誤字し、途方にくれる拓郎の姿があった。
「……どんまい、だよ！」
そう言った碧南と、後でプリティヴィが肯く。碧南が書いた物はミミズがはったようなモノだったし、プリティヴィにいたっては途中でヒンディー語が混ざっている。
「一緒に提出しに行きましょう」
プリティヴィと碧南に誘われ、拓郎は１つ肯いた。
因みに、プリティヴィは胡坐よりも正座の方が苦手らしく、足が痺れてしまっていた。どうにか碧南に助けられてあるけたが、案の定信彦に足を触られて悶絶する羽目になったがここだけの話である。
休憩中に、円は北条 冬華と共に思い切ってボクシング部顧問の巧に話を聞いてみることにした。途中で出くわした八神 修も興味があったのか一緒である。
「先生、お寺で何かあったんですか？」
楽しげに問う円に、巧は小さく笑った。
「どうしてそんな事聞くんか？」
「いや、先生が懐かしそうにお寺をみていたので、気になったんですよ」
修がそういえば、巧の眼差しが少し柔らかくなる。彼は苦笑交じりにこう言った。
「ワシがガキん時住んでた家の近くに、こういうお寺があったんや。でぇ、ガキの頃はよぉ、住職のじいさんに叱られとったんよ」
「だから懐かしかったんですね」
冬華の言葉に、「まぁな」と、どこか照れくさそうに答える巧に、円はにやにや顔になる。
「何か悪戯したの？ 柿の実とか取ったとか？」
「いっぱいありすぎて言えん。ただ、こういう場所の寺を見るたびに故郷の事を思い出すんよ」
ふと、遠い目になる巧の横顔に、いつもと違う一面があるんだな、と感じた円。その傍らで修がこんな事を聞く。
「先生、お寺で修行した事ありそうですね。どうなんですか？」
「ん？ ちーっとだけ座禅をしたぐらいやな」
巧はいつもの調子に戻って、おどけて言えば円は「へぇ～」と相槌を打つ。あまり過去を語らない巧の事をちょこっと知れて嬉しかった３人なのだが、その一方でどんな子供時代だったのかもちょっと気になるのだった。
（やんちゃ坊主だったのかも、しれませんね）
そんなイメージを持ち、ちょっと楽しくなる冬華だった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年04月08日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年04月15日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年04月15日 11時00分
