this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
秋桜、ふたりぼっち
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
12
つぎへ >>
お嬢様の優雅な、午後の散歩です。
お嬢様とはすなわち、
財前 華蓮
のことなのです。
特に予定のないこの日、思い立って華蓮は、単身この秋桜畑を訪れていたのです。
「あら、ここですわね……まあっ!」
華蓮は眼前の光景にしばし、我を忘れました。
一面の秋桜畑です。
秋の黄金の陽を浴びて、競うように咲くたくさんの花々。そのいずれもが、ひとつひとつ丁寧に水彩絵の具で色づけたような、赤紫のグラデーションを誇っているのです。
「綺麗ですわ!」
それはまるで、風景を閉じ込めた一枚の写真のよう。
けれども写真とは違います。断然、それ以上のものです。
なぜって写真には、実際に入り込むことはできませんもの。
「いい香りですわねぇ、なんだか心が洗われる気持ちですわ~」
華蓮はその物腰、口調、隠せぬ育ちの良さなどから、どうしても高嶺の花的なイメージをもたれがちです。近寄りがたいとすら、感じている人もいるかもしれない。
けれども華蓮をよく知れば、そのイメージは間違いであると知るでしょう。今の彼女、つまりスカートなびかせ鼻歌交じりに、秋桜の香り楽しみながら軽やかに歩く華蓮は、とってもチャーミングな、それこそあどけない童女のような魅力にあふれているのですから。
「晴れやかな気分ですわ……こんな」
夢見る瞳で華蓮は考えました。
こんな綺麗な花畑で出逢いがあったら素敵ですわ――と。
とりわけ、イケメン高身長高学歴の王子様と出会えたら――。
夢見る少女にしては妙に世俗的な部分もありますが、それはともかく。
このとき華蓮の姿は異世界に出現していました。いやむしろ、彼女の周囲にだけ異世界が現出したのかもしれません。
いずれにせよ彼女はこの、どこまでも続く秋桜畑という異世界に……ふたりきりとなっていたのです。
――何か足音が……はっ!
「まさかイケメン王子様との出会いですのねっ!?」
人の気配に振り返った華蓮は、『相手』の姿に目を見張りました。
「……って、なんであなたなんですのっ!」
そこにいたのは華蓮にとって、どうしても意識せざるをえない相手……キャラかぶり(と、華蓮は思っている)ガール・ナンバー1こと
剣崎 エレナ
だったのです。
「イケメン王子はどこなんですの!?」
いくらか取り乱しつつ華蓮はシャウト気味に告げました。
ところがエレナのほうも戸惑っているようで、
「なんで、って? それは私の台詞よ」
と、片方の眼を細めたのです。
その表情の憎らしいこと! けれども……憎らしいながらも、いえ、憎らしいほど、美しいのは華蓮も、渋々ながらも認めざるを得ないのでした。
けれどそれで怯む華蓮ではありません。美貌であれば決してエレナに、劣っているとは思わぬ自分です。いやむしろ、勝っていると思いたい。いいえ勝っているのです。そのはずです!
だから華蓮はのけぞるのほどに胸を張って見せました。
「まあいいですわ! この現世に舞い降りた美しき女神、財前華蓮が暇つぶしにあなたと会話してあげますわよ、喜びなさい! オーッホッホッホ!」
スカイツリーもかくやの高見から、地の底に呼びかけるような高飛車ぶり、すべての男たちも女たちも、いまや財前華蓮の前にひれ伏さずにはいられないのではないでしょうか。
…………華蓮の話を聞いてさえいれば。
「どうやら妙な場所に出てしまったようね。誰もいないし、果ては見えないし……」
このときエレナは華蓮に背を向け、目の上に手をかざして周囲を見回していたのでした。
「
けんけんけんけん剣崎さんっっ!
」
なんだか恥ずかしくなり、顔を真っ赤にして華蓮はエレナに食ってかかります。彼女の眼前に飛び出して、
「
人が話しているときはちゃんとお聞きなさいましっ!
」
「けんけんうるさくって……」
「好きでけんけん言ってるんじゃありませんっ!」
「それにどうせ、ぜんざいカレーさんのことだから大したこと言ってないと思うし……」
「
ムキー! ぜんざい言うな! ですわ!
」
「それは失礼……でも、大したこと言ってなかったでしょ?」
「大したこと言ってましたわ! 私、ここで出会いの予感を抱いていたのです! イケメン王子に出会えるんじゃないか、って!」
一笑に付されるかと思いきや、エレナはあごに手を当て、興味深げな顔をするではありませんか。
「そういえば噂に聞いたことが……この秋桜畑では、『会いたい』と心から願う相手と出会えることがあるって……」
「えっ……」
「だとしたら財前さん、あなたの『王子様に会いたい』という気持ちを私が邪魔したことになるのかしら……? とすると、私、『財前さんに会いたい』って願ってたということ……?」
言いながら今度は、エレナのほうが恥ずかしげに顔をうつむけたのです。
しかし華蓮のほうも突然、水を頭からかぶったかのように硬直していました。
――『会いたい』と心から願う相手と……?
そもそも華蓮は、イケメンだか王子だかと心から『会いたい』と思っていたでしょうか?
――もしかしたら……私……?
「あー……ええと、その……」
頬をかきながら、エレナは上目遣いで華蓮を見ますが、
「コホン、コホン」
華蓮のほうも空咳するばかりで、エレナの視線を受け止められません。
やがて、
「ああ、まあ、剣崎さんのほうがどうしても、っておっしゃるのであれば、しばらくおしゃべりしてあげてもよくってよ」
と華蓮が強く出てみると、
「うーん……ま、まあそうね。なんだかんだ言って、財前さんと話すのって、楽しいもの」
エレナもそういって気恥ずかしげに笑みました。
なんだか照れくさくて、くすぐったい気持ちです。
やがてふたりは、手を伸ばせば触れあえる距離で、並び秋桜畑を歩き始めたのでした。
「そういえば最近勉強の方はどうですの? そろそろ中間テストですわよ」
「さあ、私は普段通りにするつもりだけど?」
「点数は私が圧勝する予定ですけれど、変な点数を取ったら承知しませんわよ!」
「ふふっ、それは私の台詞ね。またしても」
フン、と華蓮は鼻を鳴らしました。エレナも似たような口ぶりです。調子が戻ってきました。やっぱり彼女とは、こういうやりとりをしているほうが性に合います。
「それに生徒会選挙の時期ですわね……私が勝ったあかつきには、あなたを私専属の雑用係にしてさしあげますわっ! 首を洗って待っていることね」
「あら財前さん、私に今日、同じことを三回も言わせるつもり?」
――言ってくれますわね!
けれど、それでこそエレナと自分という気もするのです。さっきみたいになんだか、互いにもじもじしてしまうのはちょっと違う気がします。
そこで勢いよく華蓮は宣言しました。
「絶対に負けませんわ、正々堂々と選挙の場で決着をつけましょう!」
ところが、グ~、です。
これは華蓮のお腹が鳴いた音です。そろそろおやつタイムですものね。
それを指摘してはやし立てるようなエレナではありません。聞こえたはずですが聞こえなかったかのように、
「選挙、楽しみにしておりますわ」
と不敵に笑んだのです。
そのとき、周囲のざわめきがよみがえりました。
どこまでも続くような秋桜畑も、元のサイズに戻っています。
ふたりきりの時間は、ここで終了ということなのでしょう。
けれどエレナはあいかわらずそこにいます。ともに過ごす時間は、まだ作ることができるでしょう。
さっきお腹が鳴ったことを意識しながら、
「……どこか食事にでも行きます? おごりますわよ」
と言った華蓮は、頬を赤くしていました。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
秋桜、ふたりぼっち
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月05日
参加申し込みの期限
2015年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!