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秋桜、ふたりぼっち
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頃は十月の半ばです。それにしても、日一日と寒さが増していくではありませんか。屋外、それも風のある日の屋外は、なんだか肌寒い今日この頃なのであります。
深まる秋を皮膚で感じ取りながら、
青物 といき
はぜえぜえと荒い息をしております。体は燃えるように熱いのですが、吹き付ける風は効き過ぎのクーラーみたく冷たくて、やっぱり寒さのいや増す季節だと、自覚せずにはおれません。
ここまでといきはずっと、根を詰めて走ってきたのです。
ぽたぽたとしたたる汗が銀色のしずくになって、足元に落ちていきます。
「ち、ちょっと考えなしに走りすぎたにゃー……」
言葉も途切れ途切れ、汗と一緒に地面に吸い込まれていく気がしました。
本日、といきは自主練を行っていました。長距離ランナーとして走り込んだのです。一日走るごとに、走覇したキロ数を上乗せするたびに、将来の全国江代学対抗駅伝大会に出場するという夢へと近づく気がする最近の彼女です。
今日は特に走りやすい日だったということもあって彼女は、ランナーズハイといいますか、途中からはペース配分も忘れてひたすらがむしゃらにダッシュしてしまいました。ちょっと無理をしたかもしれませんが、良い意味で完全燃焼できたというか、といきの四肢も肺も「やりきった」という声をあげていました。
このとき、さぁっと秋桜の花びらを舞い上げる風が吹きました。
顔を上げて汗をタオルで拭って、
「……?」
といきはやや猫目の、くりっとした瞳を丸くします。
「あれ? なんか変な感じのするところだにゃ?」
たしか、秋桜畑の方角へ走ったはずです。
そして実際、見渡すかぎり秋桜が花を咲かせているのですから、気持ちの上では正解です。
でもなんだかおかしい。
だって、足を踏み入れた覚えはなかったのに、いつの間にかといきは秋桜畑の真ん中にいて、しかもその秋桜畑が、どこまでもどこまでも地平線が見えるくらいどこまでも、ひたすらに続いているのですから。
そもそも、ここまで走ってきた舗装路はどこにいったのでしょう。
吹く風の音と揺れる秋桜の音、それくらいしか聞こえるものもありません。道路に面していたはずなのですが……?
ぐるりと四方を巡り見て、といきはこちらに近づいてくる人影を見ました。
たったひとりです。
男性のようです。
あそこにいる人に訊いてみよう、と思ったとたん、といきは仰天して跳び上がりそうになりました。いや実際、ジャンプしてしまったかもしれません。
驚き桃の木いやここは秋桜畑……なんと近づいてくるのは、
「な、なんで浅井先生がそこにいるの!?」
声を上げてしまいます。
「ししかもなんでスーツ着てるの!? ええー!」
「おかしいか?」
というその人こそ、
浅井 幸太
ではありませんか。
すっくと立つ幸太は、といきの言うようにスーツ姿、それも、キメキメという表現を使いたいくらい寸分隙のない格好をしていました。もしかしてイタリア製のスーツでしょうか。といきはスーツのことはわかりませんが、それが高級品であることくらいはすぐにわかりました。童顔の彼ゆえややもすると正装は、紳士服店の『新社会人応援セール』の広告みたいな姿になりがちなのですが、今日の浅井先生にそんなチープ感はまるでありません。たとえるなら、サッカーの日本代表チームが空港で見せるような自信と凜々しさに満ちていました。
かああっ、と音がしたかもしれません。それが彼だと認識するや、といきの頬はたちまち真っ赤になってしまいました。
ああ、穴があったら入りたい。本当に!
普段のといきは、内心の動揺を顔に出さないタイプなのです。浅井先生に対しても、いじり対象としてじゃれついたりはしますが、それでもどこかクールというか、隙は見せないようにしてきました。その自覚もあります。
ところが今のといきときたら!
隙だらけじゃないですか!
秋桜の陰にかくれて、天使がといきのハートにアローを放った……とかいうことはないですよね?
「なんだよ、そんなおかしいか? 今日の俺?」
浅井先生はちょっとムッとしたようです。いや正確にはムッとしたというより、傷ついたようにも見えます。
「そそ、そんなことはないですにゃあ! よ……よく似合ってますにゃ」
慌てて言いながら、といきの胸には疑念がわき起こっていました。
――もしかして……。
といきは思います。
――もしかして、誰かとデートしててその帰りにたまたまあっちゃったとかそういうパターンかにゃ。
でも、そうだとしても……といきにはそれを非難する権利は当然ないし、そもそも理由を詮索する権利も、ちょっとないような気がします。
なんでしょう、このもどかしさ。
のけ者にされたみたいな気分もします。誰にどうのけ者にされたのか説明しようがありませんが。
「あの浅井センセー、その格好……」
なんだそれが気になるのか、と先生は笑いました。
「俺だって出かけるときは、まともな服装だってするさ」
「お出かけ……えと、どなたと……?」
「決まってるじゃないか。青物、お前とだよ」
「……え、
えーーーーーーーーーーっ!
」
といきの中では富士山が大噴火、しかもその富士火口から飛び出してきたのは、紅白ののぼりに金銀きらきら紙テープ……といった恐るべき心象風景が展開されております。
「秋桜のきれいな季節だからな」
「で、で、で、でもわた、わたし……こんな服装で……服装……」
服装?
恥ずかしくて先生の顔を見られない現在のといきですけれど、彼女の左脳内の冷静な部分が違和感を口にしました。
――考えてみると先生って、デートとかで服装とか気にするタイプじゃないよね……うん。
だとすると……こういう推論が成り立ちます。
――じゃあ、今回のこれはなんかのろっこんの力とかかなあ……。
悲しいけど、ちょっとほっとしたのも事実。といきは大きく深呼吸しました。
でも、こう思うことにしましょう。
たとえ幻覚だったとしても、浅井先生が出てくるなんて今日はラッキーだったのだと。
ちょっと寂しいのは事実ですが、認めると気が楽になったのも事実です。触ったりしたら、彼は消えてしまうでしょうか。
それまでの会話の流れを無視して、といきは手を伸ばしました。そして彼女は、
「浅井センセ! といき、今日も練習頑張るにゃ!」
と言って勢いよくパーン、と先生の背を叩いたのです。
といきの手は空を切りました。
そうして彼女は、秋桜畑の目の前にひとり、立っている自分に気がつきました。
たくさんの観光客が彼女の前を横切っていきます。知っている姿もあります。
でも、浅井先生の姿はありませんでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月05日
参加申し込みの期限
2015年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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