熱血！　寝子島不良伝　～死闘！　木天蓼不良四天王現るッ！～｜リアクション

熱血！　寝子島不良伝　～死闘！　木天蓼不良四天王現るッ！～

【状況は絶望的か？　逆落としに負けてはならぬ】

「ここはあたしが抑えるから先へ行って！」
　伊藤佳奈は竹刀で向かってきた不良の面を思いっきり打ち据えつつそう叫んで、仲間がここを突破するのを促した。
「チームワークが乱れっぱなしよね……先行するわ」
　神薙焔がそう言って乱戦地域を抜け出す。迷彩服にインカム……サバゲーの装備の応用である。
　人数分のインカム型トランシーバーを準備してリアルタイムで連絡が取り合えるようにしたいと思っていた焔だが、人数と時間の都合上用意できたのは自分の分を含めて数名分であった。
　それらは、八神修と桜庭円に配られていたりするのだが、二人からの通信はない。
「お、女もいるぜ！」
「いいぜ！　やっちまえ！」
　襲いかかってくる不良たちを手にもった小型の弓を使いつつ、回避して森の中へ中へと進んでいった。
　一方、その場所へと残った佳奈にも敵が押し寄せてきていた。
「ここにも女だ！」
「ゲヘヘヘ！　上玉だぜ！」
　若干テンプレなセリフを吐いて迫る敵。しかし、佳奈は慌てなかった。
「日頃おじいちゃんにしごかれ磨いた腕を見せるときだよ！」
　一刀流奥義「払捨刀」と自称するその技で、かかってくる不良たちを払い捨てるように竹刀で打ち据えていく佳奈。
「ぎゃふん」
　クリティカルヒットしたのか、どうと倒れ込む不良の一人。
　このまま、ここで踏んばって敵を倒すことにより一人でも多く敵を引きつける。
　旗狙いに行く人に併走するつもりだったが、と周りを見回す佳奈。
　まだ、小規模ではあるが戦いは続いている。
「はッ！」
　と息を吐き出しながら、次々と矢を射る始が見える。
　矢は次々と不良たちの額にあたり、当たりどころがよかったのか、そのまま角材に足を引っ掛けて転んで気絶する不良もいた。
　しかし、飛び道具の悲しさかな、敵の接近それも複数に対してはどうしようもない。
「援護するよ！」
「助かる」
　そうしているうちに、寝子生が徐々にこの乱戦を突破し始めた。
「そういえば、ネコッターに上がっている情報によると、何か途中の参道が水浸しになってるみたい」
　焔か円が投稿していたのであろうつぶやきを見つつ、なんだろうなと考える佳奈。
「今はわからないけど……とにかくここを突破するのが先だ」
「そうだね」
　そう言って、佳奈と始はこの地点を制圧しにかかった。

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