ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―｜リアクション

ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―

●四
　幻の金七輪を探しに行くストーリーを書き終えた八神修。彼の原稿はノートではなく、ノートパソコンのデータ上にある。
「この方があとで印刷や製本を頼みやすいからね」
「製本もするのですか？」
　氷雨潤一の問いかけに八神がうなずく。
「小口の印刷でも頼めそうな印刷会社を知ってるんだ。どうせならきちんと思い出を形に残したいだろ？」
　そういって彼は書きあがった原稿をデータに順次打ち込む作業に入っていく。
「全部で１４枚くらいになりそうだね。今回は二面付けの中綴じでよさそうだ」
「中綴じ、というと？」
「ページ数の少ない本は中綴じの方が多いんだ。たとえばこのノートもそうだね」
　ノートのとじ部分を指でひらくと、紙を重ね中央線でとじて製本しているのがよくわかる。
　氷雨が愛読している本は、背にのりをつけて重ねている。こちらの綴じ方はくるみ製本というらしい。
「中綴じ方式はくるみ製本より簡単なんだが、最初のページ印刷の段階で工夫がいるんだ。たとえば16ページの本なら、一枚の紙の左から順に1・１１ページ、裏側に１２・２……と印刷すれば、重ねた時に正しい順序でページが並ぶだろ？　面付けっていうのは印刷前のページを貼り合わせる組み合わせのことで、こんな風に考えていくんだ」
　八神の口から出てくる印刷や製本の用語は、作る側に立たない限りは馴染みがない。
　自分が普段読んでいる本がいかにして作られるかという知識は、氷雨にとって味わい深いものだった。
「一冊の本が仕上がるまでにも、さまざまな工夫が凝らされているのですね」
　さらりとした手触りのこの表紙も、きっと誰かが悩んで選んだものなのだろう。
　本を愛する者としての慈しむような眼差し。
　それを見て、八神はいっそう本作りへの熱意を高めるのだった。

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＜４＞
　持ち前のボランティア精神で、君は今日も人助けをした。
　君が助けたその人はお礼に宝物をくれるという。
「九夜山の奥に『幻の金七輪』を隠してあるんじゃ。そこに乗ればどんな夢も叶うと言うぞ」
　これが本当なら凄いことだ。
「どんなものか、この目で見てやるぜ！」
　意気込む君は地図と寝子島饅頭をもらい、意気揚々と探索に乗りだす。

　そこに、無愛想な灰色の猫と、オネエ言葉で話す黒いカラスと、緑色の服を着たお爺さんが現れた。
　彼らは仲間になりたそうにこちらを見ている。
　さて、どうする？

　仲間にしてやるぜ。ついてこい！　→ページ７へ
　助太刀はいらないぜ。クールな俺は一人で十分だ！　→ページ６へ
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