「皆、あつまれー! あたしと一緒にオリジナルゲームブックを作ろー!」
桃原 空音がそう呼びかけたのは、ある晴れた日の放課後のことだった。
「なんでまた唐突に切り出すんだ」
「え、いやー、しいて言うなら気分転換かなあ? あ、べつに同人誌の原稿が行き詰まってるとかじゃないからね!」
友人からのツッコミにしゃべらなくていい情報をつけくわえる桃原。
何やらしめ切りがさし迫っていそうな様子だが、ここは聞かなかったことにしておこう。
「それで、さっき言ってたゲームブックってのは何なんだ?」
「よくぞ聞いてくれました!」
そういって桃原は一冊のノートを取り出す。
「口で説明するより、これ見てもらった方が早いよね」
-----
<ページ6>
君は今、村娘の病気を治すために薬草を摘みにきている。
崖のそばには赤くてトゲトゲした草と普通の緑色をした平べったい葉の植物がはえている。
これまでに得られた情報から、このどちらかが薬草らしいのだが……。
さて、どちらを摘んで帰ろうか?
赤くてトゲトゲした草 →ページ9へ
平べったい葉の植物 →ページ8へ
-----
「なるほど。好きな選択肢を選んで行き先のページに飛ぶのか……普通の色をしたって書いてある方が無難そうだな」
そういって8ページ目を開いてみると、そこに書いてあった結果は。
-----
<ページ8>
薬草の特徴を思い出せなかった君は、害のなさそうな色をしている方を摘んで帰った。
村につくと娘の母が歓迎してくれたが、袋を開けてみるなり怒鳴り始めた。
「これはどういうことだい! あんたが摘んできたのは惚れ薬に使う草だよ! うちの娘をどうこうしようって奴にはもう頼むことなんかないよ、とっとと出て行きな!」
勢いよくドアが閉まる。とんでもない誤解を招いてしまったようだ。
いずれにしても君は、もらうはずだった報酬すら受け取っていない。
今晩は野宿をするしかないだろう……。
→ページ11へ
-----
「うう……無難な選択が安全ってわけじゃないのか」
「へっへー、面白いでしょ。これは本屋さんで買ったものだけど、あたしたちで作ってみるのも面白いかなって思ったんだ!」
晴れた秋の日は工作びより。
皆でアイディアを出しあって、一つのものを作ってみるのも悪くない。
ページやカバーの装丁に凝ってみたっていいし、挿絵を描いてみるのもまた一興。
君はこの一冊のノートを冒険ものがたりに仕立て上げてもいいし、
整合性無視のドタバタコメディにしてみてもいい。
すべては、イマジネーションの赴くままなのだ。
「それで、舞台や主役はどうするんだい? いくら皆が好きに作るといっても、最低限のラインは統一しておかないと困るよな」
「んー、そうだよね。皆がイメージしやすいように舞台は寝子島の中限定かなー。主役は……」
誰がいいかと首をひねる桃原。
ふと、友人のかばんについているサンマさんストラップに目がとまった。
煮られても焼かれても、猫にくわえて連れ去られられても
どうにか生き残ってくれそうなアイツの目が、
『俺を選んでくれてもいいんだぜ?』とウインクした(ような気がした)。
「よし! 主役はサンマさんに決まり!」
はてさて、彼の道中にはどんなハプニングが巻き起こるのやら。
◇
桃原 空音さま、ガイドへのご登場ありがとうございました!
このシナリオは参加者の皆様で一冊のゲームブックを作ろう、というお話です。
ゲームブックとは、簡単なお話を読みつつ選択肢をえらんで先にすすみ、
ゴールをめざす遊びです。
今回あつまる場所は寝子高の空き教室となりますが、
寝子高生じゃないけどこっそり加わってみる、というのも素敵だと思います。
リアクションのページ下部に簡単なゲームブックを掲載し、
完成後も遊べる形で残す予定です。
●書き方のヒント
当シナリオのアクションは、以下のふたつのパートにわかれます。
1.キャラの行動
2.実際に作るゲームブックのページ
●キャラの行動編
リアクション中で、ゲームブック製作中の場面を描写します。
皆でわいわいがやがやとテストプレイをしたり、
工作の腕をいかしてページにしかけを施したり、挿絵を描いたり……。
キャラクターがどんな様子で本を作っているかを、どうぞ自由にお書きになってくださいませ。
●ゲームブック部分
皆様からいただいたアイディアを加筆・編集し、一冊のゲームブックに編集します。
主役はサンマさん、舞台は寝子島の中限定で、選択肢は2つほど。
シチュエーションなどはご自由に。
●書くネタに困ったら
以下の例のように、5W1Hにそってどこで・誰が・サンマさんに対して何をしたかを考え、
それに対してサンマさんがとれそうな反応を2つほど選択肢にしてみて下さい。
<場所の例>シーサイドタウンの本屋で/寝子高校舎で/寝子島神社で
<登場人物の例>暇をもてあました鷹取 洋二が/化学担当の五十嵐 尚輝が/皆様のキャラクターが
<イベントの例>画材の知識について長々と語りはじめた/小石にけつまずいてコーヒーをこぼしてきた/相談をもちかけてきた
<選択肢の例>相手の長話に負けじと七輪のうんちくを語る/危ないぜ!ととっさに抱きかかえる/親身になって話を聞く
何かトラブルが起こって、それをサンマさんが切り抜ける!
というようなシーンを思い浮かべると作りやすいと思います。
よろしければ下記のテンプレートもご利用ください。
-----
<起こるイベントの内容>
さて、どうする?
選択肢A
選択肢B
-----
◇その他のお願い
いただいた案はできる限り採用したいと考えておりますが、
多少表現や選択肢を変更する場合もございますのでご了承ください。
また、ゲームブックの中の出来事はすべて架空の出来事となりますが、
他のプレイヤー・キャラクター様が不快に思われる内容や、
サンマさんが取り返しのつかない大怪我を負ってしまう! というようなものは
念のためお控えいただけると助かります。
それでは、楽しいアクションをお待ちしております!