ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―｜リアクション

ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―

●六
　自分のシナリオはどんな話にしようかと、桜月は思案をめぐらせる。
「１４ページ目はきっと誰かが用意してくれるだろうから、そこへ飛ぶルートをプレゼントしよう」
「定番、よね。１４へいけって」
　塔尾松生がひょいと横からノートを覗き込む。
　１４へいけという指示は、いまやゲームブックの代名詞に等しい。
　不吉な数字を伴うこの指示が出たとき、プレイヤーは事実上のゲームオーバーをむかえる。
「最初に遊ぶときは何度も選択肢をまちがえちゃって、同じページに行き着いちゃうのよね。あーまたかーって悔しがりながら、次は選び間違えないようにするの」
「慣れてくると飛ぶ前のページにしおりを挟んだり、いくらでもズルができるのだけれどね。それで達成感が得られるかどうかは本人次第というわけさ」
　やりこみで小技や裏技を覚えてくるのは、どんなゲームであっても変わらない。
「もっとも今回は短いシナリオだから、すぐにやり直せるだろうね。さて、ゲームオーバーへ誘う案内人は誰がいいかな……」
「私たち自身が登場してもいいんじゃないかしら？　逆巻君たちが似たアイディアを使ってるけど、人間の姿で登場するならかぶらないはず」
　悩む桜に、塔尾が提案をだす。
「そうだね……では、私自らがサンマさんに試練を与えることにしようか」
　それもまた楽しそうだ、というように桜はイタズラっぽい笑みを浮かべた。

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＜６＞
　星ヶ丘を歩いていた君の前に、日傘をさした白い髪の女の子が現れた。
「君の魅力を更に引き出す服をプレゼントしよう」
　そう言って君の前に黒いタキシードを差し出してくる。
　君はサンマさんであるがゆえに、この服のズボンを履けそうにない。
　しかし女の子の目は、タキシードを身に纏った君の姿を見たい！　という期待に輝いている。
　どうしようか？

　俺のファンからのプレゼントだ、頑張って着るぜ！　→ページ１５へ
　すまねえ、俺にはその服を着る事ができないぜ　→ページ１４へ
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