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【2】
旅鴉 月詠
は、岬全体が見渡せる高台に、椅子付きザックに座ってスケッチブックを広げていた。
もちろん、絵を描いているのだ。
(あれは……)
ふと、バスが止まってそこから降りて来た小学生の群れに気づいて、彼女は手を止める。
(彼らも、絵を描きに来たのか)
彼らが画板を持っているのに気付き、月詠は胸に呟いた。
(自然を故意に荒らしたり、危険な行為を行わない限り、私がどうこう言う必要はないな)
そう考えて、再び彼女は手を動かし始める。
ちなみに、彼女がここに来たのは、単に気分の問題だった。ただ、小学生たちがここに来たのは、正解だとも思う。
というのも、今はエノコログサの季節だったからだ。
あたりのエノコログサは、どれも黄色く染まり、風にたなびく姿はどこか金色の海を思わせる。
しばらくすると、その彼女に声をかけて来る者がいた。
「こんにちわ」
顔を上げると、翼が立っていた。
「翼。君も来ていたのか」
「はい。抽選で、ここへ来るコースになりました」
翼は返す。
「何描いてるんですか? 絵、見せてもらってもいいですか?」
「ああ」
問われて、月詠はうなずいた。
翼が、スケッチブックを覗き込む。そして、目を見張った。
「……すごいですね」
そこに描かれていたのは、水彩色鉛筆を使って丹念に描写されたエノコログサの草原と、その上に広がる秋らしい雲のかかった空だった。動物の姿はいっさいなく、なんともいえない哀愁が漂っている。
「上手に描くコツを、ボクに教えてもらえませんか?」
しばし声もなく絵を眺めたあと、翼は言った。
「上手に描くコツ……か。技術的なものの話なら、美術の先生にでも聞けばいい」
月詠は、小さく肩をすくめて返す。
「だが、自分が感じたことを、どう絵にしていいかわからないと言うなら、私にもアドバイスできる。君が思うように描けばいいのさ。君は何者にも縛られていない」
「それじゃあ、アドバイスになっていません。……その、こんなふうに描くには、どうすればいいんですか?」
翼は、内心困惑しつつも、笑顔を浮かべて問うた。
月詠は、小さく肩をすくめる。どうやら、自分の言っていることが、相手に伝わっていないようだと感じたのだ。
「では、言い方を変えようか。形だけ上手に描きたいのならば、美術の先生にでも尋ねるか、腕が痛くなるほど何枚も絵を描くことだ。だが、人の心を揺さぶるものを描きたいのならば、君がここで感じたことを、そのまま描けばいい」
「でも……」
翼は、少しだけ不満な思いを胸に抱いて、月詠の絵を見下ろした。
彼女の言うことは、わかる。要約すれば、技術よりも心だと言いたいのだろう。だが、学校での評価は、技術に対して行われるものではないのか。殊に、高学年ともなれば。
そんな彼女を見上げ、月詠はまた肩をすくめた。
「アドバイスを求める相手を、間違えたな。……私では、君の質問には答えられないようだ」
「そう……ですね」
笑顔のままうなずき、翼は頭を下げる。
「ありがとうございました」
言って、そのまま自分の荷物を置いた方へと、戻って行った。
由貴は、景色を見ながら鉛筆で画用紙に下書きを描いていた。
その表情は、真剣そのものだ。
彼にとって絵は、けして馴染みのないものではなかった。彼の祖母は絵が得意で、よく油絵や水彩画を描いていた。
その祖母の絵が好きな彼は、時おり祖母と一緒に絵を描くことがあった。
(ばぁちゃんが以前、言ってたっけ。絵を描く時のコツは、何をメインに置くか、どう色を表現するかだって)
胸に呟き、彼はメインに置くと決めた鈴島を画用紙の真ん中に据え、下書きを描き進めて行く。
やがて色を塗る段階になって、彼は眉間にしわを刻んで、画用紙を眺めた。
(海の青と空の青の違いって、どう表現したらいいんだろう?)
青をパレットに出し、少し海を塗ってみるものの、なんだかピンと来ない。
しばし首をひねっていた彼の視界に、高台で絵を描いている月詠の姿が写った。
(あの人、俺たちが来た時から、いたよな……)
思い出し、彼は立ち上がる。同じように絵を描いている人なら、アドバイスをもらえるかもしれないと考えたのだ。
彼はそちらに歩いて行くと、月詠に声をかけた。
「こんにちわ。あの……海の青と空の青の違いって、どう表現したらいいのかな」
「そうだな」
問われて少し考え、月詠は答える。
「私なら、空の青には透明度と、この季節ならではの『もの悲しさ』を加えてみるかな」
「透明度と、もの悲しさ……」
由貴はちょっと怪訝な顔をして、彼女の言葉を繰り返した。が、すぐに何か納得するものがあったらしい。小さく目を見張ってうなずくと「ありがとう。やってみる」とだけ言って、踵を返した。
元の場所に戻ると彼は、改めてパレットに青い絵の具を出すと、たっぷりと水を含ませた筆にそれを取り、空に色をつけ始めた。
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担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月21日
参加申し込みの期限
2015年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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