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【3】
玲音は崖下を見て満足したあと、なんとなく灯台を描くことに決め、それがよく見える位置に腰を下ろして画用紙に鉛筆を走らせていた。
だが。
「あ……!」
目の前を横切ったトンボに、顔を上げた。
「わあ……」
彼女はそのまま、トンボの姿を目で追う。それが見えなくなると、ようやく鉛筆を握り直したものの。
すぐ傍の茂みがゴソゴソと揺れる気配に気づいて、そちらをふり返った。真っ黒な野良猫が、小さな鳴き声を上げながら現れる。
「猫だよだよ!」
声を上げて立ち上がり、驚かさないように近づくと、エノコログサを一本折り取って、野良猫の方へと差し出した。軽く揺らしてやると、猫は前足でそれをつかもうと、飛びついて来る。
「ほらほら、こっちだよだよ!」
エノコログサを巧みに操り、玲音は猫をじゃらす。
そこへ再び、トンボが横切った。今度は、二匹いる。
「あ! 待て待て!」
彼女の興味は、たちまち猫からトンボに移った。エノコログサを手にしたまま、トンボを追って、走り出す。
「きゃっ!」
しばらく走ったあたりで、絵を描いている誰かにぶつかった。上しか見ていなかったせいだ。
「痛ってぇ……。てめぇ、何しやがんだ!」
肩を抑えて顔をしかめ、声を上げたのは亮悟だった。
そう、彼女がぶつかった相手は、亮悟だったのだ。
「わあっ! ごめんごめん! 悪気はないんだよ。ほんとだよだよ?」
慌てて謝り、自分もころんだ玲音は起き上がると、服についた草を払う。
「悪気はないってな……」
ぎろりと睨む亮悟に、「本当にごめんねごめんね」と返して、彼女は踵を返した。その時には、元の場所に戻るつもりだったのだ。だが、少し行ったところで、きれいな赤い石をみつけた。
「きれいだねだね。これって、本当にただの石?」
しゃがみ込み、石を拾って日に透かしてみたりする。
「他にも、こんな石あるかなかな?」
呟いて、あたりをきょろきょろ見ながら、歩き出した。
けれども途中、また野良猫を見つけて、それを追って走り出す。
「こらこら。ここには遊びに来たんじゃないぞ。ちゃんと絵を描きなさい」
それを引率の教師の一人に見つかって、叱られた。それで彼女は、ようやく元の場所に戻ると、鉛筆を手に絵を描き始めたのだった。
やがてお昼になった。
教師たちがお昼休憩をふれて回る中、由貴と翼はなんとなく一緒に弁当を広げた。
由貴の弁当は、母親が作ってくれたものだ。
おにぎりにミートボール、ポテトサラダに卵焼き、タコさんウィンナーと、ウサギの形のリンゴが行儀よく四角い弁当箱の中に並んでいる。
一方、翼のお弁当は、ラップに一つずつ包んだおにぎりが二個と、爪楊枝で食べられるよう小さめにした唐揚げ、卵焼きといったもので、デザートとして別の容器に梨、柿、リンゴを切ったものを持参していた。
「翼も、おにぎりなんだ。お母さんが作ったのか?」
ミートボールを口に運びながら尋ねる由貴に、翼はかぶりをふった。
「自分で作ったんです。ボク、家事は得意なので」
「へぇ。すごいんだな」
由貴は、感心して返す。そして尋ねた。
「ところで、絵の進み具合はどうだ?」
「半分ぐらいは描けたと思います。……鈴島の形を取るのが、難しくて」
おにぎりを口に運びながら、翼は答える。ちなみに具は、今口にしているのが梅で、もう一つは昆布の佃煮だった。
「そっか。俺は、空の青と海の青の違いの表現で悩んだけど、今は解決したんだ。あの人に、アドバイスをもらったおかげだ」
言って、由貴は高台の方にいる月詠を示した。
「そうなんですか」
笑顔でうなずきつつ、翼は自分もそんなふうに、具体的に助言を求めればよかったのだろうかと思う。
だが、そのことは口に出さずに、彼女は果物を入れた容器の蓋を開け、由貴に勧める。
「果物、どうですか? 多めに持って来たので、よかったらどうぞ」
「ありがとう」
礼を言って、由貴はさっそく、柿を一切れつまんだ。
そこにやって来たのは、玲音だ。
「ボクも、仲間に入れてよ! よ!」
「いいですよ」
「ああ」
翼と由貴がうなずくと、彼女はそこに腰を下ろして、弁当を広げた。
彼女の弁当は、小さい丸いおにぎりに、コロッケ、ケチャップで味をつけたスパゲティと、なんとなくお子様ランチを彷彿とさせるようなものが、彩り良く並んでいる。
軽く手を合わせて、いただきますを言うと、玲音も食べ始めた。
「あなたも、よかったら果物をどうぞ」
翼がそれへ、果物を勧める。
「ありがとうだよだよ!」
礼を言って、そちらへ手を伸ばしかけ、玲音はふいに思い出したように叫んだ。
「ボクもね、お菓子をかばんに、こっそり入れて来たんだよだよ!」
そして、かばんをごそごそ探って、パッキーの箱を取り出す。が、箱を開けて、彼女は目を丸くした。
こっそり忍ばせたせいで、細長い棒状のパッキーは、折れてしまっていたのだ。
もっとも、驚いたのは一瞬のことで、彼女はまったくへこたれなかったけれど。
「折れちゃったけど、でもこれで、みんなで食べられるようになったね!」
言って彼女は、二人にもつまむようにと、中袋を大きく開いて、真ん中に置く。
翼と由貴は、思わず顔を見合わせたものの「遠慮なくいただきます」と、翼が折れたパッキーをつまんだ。
「俺も」
と、由貴もそちらに手を伸ばす。
「うん。折れてても、美味しいじゃん」
お菓子を咀嚼して飲み込んだあと、彼は笑って言った。
「だよねだよね」
玲音も笑ってうなずき、翼が持って来た梨を一切れつまむ。それを咀嚼しながら彼女は、自分が見たトンボや野良猫のことを、身振り手振りを交えて二人に話し始めるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月21日
参加申し込みの期限
2015年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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