絵具に絵筆、水入れに……と、
桃井 かんなは、明日、必要なものの用意に余念がなかった。
絵具の箱を開けて、中身が全部そろっているか確認する。
「大丈夫。ちゃんと、白も青も、そろってるね」
笑顔でうなずき、鉛筆に消しゴム、と用意を続ける。
明日は、寝子島小学校の写生大会だった。
生徒たちは学年に関係なく、抽選で三つのコースに分けられることになった。
Aコースは教室で友達の顔を描き、Bコースは寝子ヶ浜海浜公園まで行って風景を描き、Cコースはエノコロ岬で同じく風景を描くことになっている。
かんなはBコースの、海浜公園だ。
学校が用意したバスで海浜公園まで行って、そこで絵を描きながら一日を過ごすことになる。
画用紙や画板は学校が用意してくれるので、彼女たちは持って行く必要はなかった。
ふと彼女は、部屋の窓辺に吊るしたテルテル坊主をふり返る。
「明日は、絶対晴れだよ」
ちょっと怖い顔で睨みつけた。
雨天でも写生大会は行われるが、外には行かず、教室で担任教師が用意した果物だとか花だとかを描くことになるのだ。『絵を描く』こと自体は変わらないが、やはり外に出かけるのとは、テンションが違う。
(お弁当だって、外で食べる方がきっと美味しいじゃん。それに、こっそりお菓子とか持って行けないもん)
かんなはそんなことを、胸に呟く。
ちなみに、お弁当に果物が入っているのは問題ないが、お菓子を持って来るのはいけないと数日前に渡されたプリントには書いてある。今日、学校でもそのことは、先生から念を押された。
でもたぶん――。
(みんな、持って来るに決まってるじゃん)
と、かんなは思っていた。もちろん自分も、おこずかいで買ったお菓子を持って行くつもりだ。
それはともかく。
「用意はこれで終わりだよ」
用意ができると小さくうなずき、かんなは立ち上がった。そのまま部屋を出て、台所へと向かう。
やがて。
「お母さん、明日のお弁当のおかずは、ハンバーグだよ。それから、イチゴもね!」
台所からは、そんな彼女のはしゃいだ声が、聞こえて来た――。
こんにちわ。マスターの織人文です。
秋といえば、芸術の季節、ということで、寝子島小学校では全校生徒を対象にした、写生大会が行われることになりました。
【写生会の内容】
どこで何を描くかは、三つのコースがあり、学年に関係なく、抽選で決められます。
・Aコース→教室で友達の顔を描く。
・Bコース→寝子ヶ浜海浜公園にて、風景を描く。
・Cコース→エノコロ岬にて、風景を描く。
移動は、学校がチャーターしたバスで行います。
外に出るコースの引率は、教職員が手分けして行います。
【持参するもの】
・絵の道具(絵具、絵筆、水入れ、鉛筆、消しゴム)
・お弁当とお茶
・雨具
画用紙と画板は、学校が用意します。
果物は、お弁当に入っている場合はOKですが、お菓子は持って来てはいけません。
===== 以下、PL様情報です =================
【ガイドへの参加について】
・どなたでも参加いただけます。
・小学生でなくても、問題ありません。
【アクションについて――小学生でない場合】
小学生でない場合は、写生会に参加している小学生たちと、どこかで出会うという形になります。
なので、たとえば「海浜公園を散歩していたら、写生している小学生に出会った」というような形で、なぜそこにいるのかを明記していただけると、助かります。
もちろん、小学生たちに声をかける、こっそりその絵を見るなど、ご自由にどうぞ。
【アクションについて――小学生の場合】
どのコースに参加するかを、明記して下さい(リアクション上は、抽選でそのコースになったという形になります)。
その他は、何をどんなふうに絵に描くとか、お弁当はどんなふうだとか、ご自由にどうぞ。
なお、ガイド本文には雨天についての言及がありますが、リアクションでは晴れますので、その前提で、アクションをお願いします。
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それでは、皆さまの参加を、心よりお待ちしています。
【追記】
※写生大会は休日に行われます。中学生以上の学生もお気軽にご参加ください。