にぎやかな悪夢　～ミドリ人間の逆襲編～｜リアクション

にぎやかな悪夢　～ミドリ人間の逆襲編～

■？？？／？？？

　動かす体がやけに重い。
　それになんだかとても――喉が渇いた。
　水でも飲もうかと体を起こしたところで、彼は自分の異変に気づく。
（なんだこれ……手がミドリ色？）
　それに指からは、恐ろしいほど長い爪が生えている。
　ミドリの肌、長い爪。彼のぼんやりとした頭はその特徴を知っていた。
　そう、これは確か――
（なんで俺、ミドリ人間になってるんだ？）
　浮き上がってきたのは至極当然の疑問であった。
　しかしその疑問などどうでもよくなってしまうほどに、彼が抱えていたのは圧倒的な渇きだった。渇いた。喉がとても渇いた。
　ここはどこだろうか。
　視界が澱んでいてよく分からない。
　彼は喉の渇きを潤すために、立ち上がった。

　途中、誰かを見つけた。
　その顔には見覚えがないから知り合いではないだろう。
　彼は――それが知り合いではなかったことに心のどこかで安堵していた。
「げへへっ、げへへへ……」
　なぜなら彼は、今からその人間を食べるからだ。