もれいびになれたなら｜リアクション

もれいびになれたなら

●漢女（おとめ）の夢は甘酸っぱい果実の香り

　ろっこん、もれいびの話は子供達の間だけの話題ではなかった。
　夜の繁華街でも、大人たちがもれいびなったら、ろっこんが使えたら、という話が。
　ミッシェル・ナイスゲイがママのゲイバー『ジオフロント』でも、客との会話に『もれいび』『ろっこん』という単語を耳に。
　噂の類はちらほらゲイバーの客から聞くが、どんなろっこんを使ってみたいか、もれいびになったら何をしたいか。
　そんな話は、初めて聞いた。
（どこで広まった噂なのかしら？）
　そんなことを考えていたら、お客さんがやって来た。
「いらっしゃ～いｖ」
「ねえママ、ママは、もれいびになったら、どんなろっこんを使ってみたい？」
　カウンター席についたお客さんが、注文の前にミッシェルにそう尋ねる。
「そうねえ……」
　ある客専用キープのボトルを手にし、何がいいかしら？　と考える。
（ジオフロント出張店に来てくれたあのお客さん、今は何をしているのかしら？　また会いたいわ～んｖ）
　筋肉質な体をクネらせ、恋い焦がれる乙女のような潤んだ瞳に。
「ママ？　話、聞いてる？」
「ごめんなさ～い。アタシなら、こんなろっこんが良いわねんｖＶ」
　ミッシェルが想像したのは、こんなカンジのろっこんだった。

　雲はイチゴ、森もイチゴ。
　イチゴのバルコニーとイチゴの尖塔をもつイチゴの宮殿。
　アタシはフリフリのピンクのドレスで乙女に決め、たくさんのイケメンに囲まれた長椅子に寝転んでいるの。

（やだ！　あの子と利害が一致しちゃったわ～んｖＶ）
　以前あった「あの子」と称するボトルキープした客も同じような妄想をしていたことがあった。

　イケメンのひとりがガラスの器に盛られたイチゴをひとつ摘まむと、それを口にするの。
　アタシに接近した整った顔立ちのイケメンは、口にしたイチゴを口移しでアタシに食べさせてくれるの。
　イケメンから漂う上品なフレグランスの香りとイチゴの甘酸っぱい香りが、アタシの鼻孔を膨らませわ。
　その後、選り取り見取りなイケメン達が代わる代わるアタシに口移しでイチゴを食べさせてくれるの。
（アタシ、超シアワセだわーんｖＶ）
　そう思った時にアタシの目に映ったには、アタシ好みのナイスガイｖＶ
（ウホッｖＶ　アタシ好みのイイオトコｖＶ）
　辛抱たまらん！　とアタシは長椅子から体を起こして押し倒しちゃったｖＶ
「……イチゴも良いけれど、アタシは貴方も食べたいわーんｖＶ」

　タックルするようにイケメンに抱きつき、腰かけていた長椅子に押し倒す。
「今度は貴方を食べさせてｖＶ　アタシからのオ・ネ・ガ・イッｖＶ」
　イチゴを咥えていたイケメンの唇に、ミッシェルの厚い唇が重なる。
　離した瞬間、ラバーカップがポン！　と離れたような音が。それほどディープなキスだった。
「こんな願いが叶うろっこんがあったら良いわ～んｖＶ　アタシ死んじゃいそうだわ～んｖＶ」
　赤くなった顔を手で覆い「いや～ん！」と全身クネクネ。
　客達は、ママの恥ずかしい想像が始まったな……と酒を飲みながら楽しそうにその様子を呆れ顔で見ている。

　キスの後のものすごーく濃厚ラブな展開は……ミッシェルだけの秘密ということで……。

　ひとがもれいびになれたなら。
　そうなったら、どんなにいいだろうか。そう思う「ひと」達だった。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。
参加してくださった「ひと」の皆様が考えたろっこん、楽しませていただきました。

小学生の方、女性の方は、夢がありメルヘンなろっこんが多かったです。
特に多いのは「空を飛んでみたい」「魔法を使ってみたい」でした。空を飛べたら、という想像は執筆していて楽しかったです。

男性陣は誰かを守りたい、現実的なことにろっこんを使ってみたい、という意見でした。
大人の男性は力強く、逞しいろっこんを想像されていました。

自分のために使うのも、誰かのために使うのも自分の意思次第と私は思います。

大変申し訳ございませんが、今回は個別あとがきはありません。
私から皆さんにお伝えしたいことは、あとがきの最初に書いてあります。

夢と想像溢れるアクション、ありがとうございました。

↑ページトップに戻る

もれいびになれたなら

あとがき

シナリオ

シナリオデータ

シナリオスケジュール

参加キャラクター一覧