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エイプリル・ウール
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●パンと羊と隕石と
滝野が八神に自分のことを打ち明ける――その少し前。
寝子島神社の境内に、鋭く空気を振るわせる音が響いていた。
「ふぅ……こんなもんか」
額に流れる汗を首に掛けたタオルで拭きながら、
御剣 刀
が呟く。
旧市街に住んでいる御剣は、この寝子島神社で剣術の練習をしてから登校することが少なくない。今日も、つい先ほどそれを終えたところだった。
「さて、そろそろ行くか」
一通り身支度を整えて、駆け出す。遅刻をしないためというよりも、鍛錬の意味合いが強い。猫又川を越えた辺りで、パンの焼ける良い香りがどこからか漂ってくるのに気付き、御剣は走る速度を落とした。
「……うーん……」
パン屋の前で静かに立ち止まる。ウインドウに立ち並ぶ様々なパンを見て、悩む。一つ二つ買うぐらいなら財布の中にも余裕はある――が。
「足りない……だろうな」
朝食は取っている。しかし練習後の栄養補給には、控えめに計算しても八個は欲しい。度々「食べ過ぎ」と言われることもあるが、必要だと自らが思うのだから仕方がない。
だが必要だと思う量を買うには、財布の中身がやや心許ないのも事実。無常にもバイト代は生活費に消えていくのだ。
「…………よし」
瞼を閉じて何かを考えていた御剣が、パン屋に背を向けて再び駆け出した。昼まで空腹を感じてから昼食を豪華にしよう、と考えたのだ。実のところ費用対効果は薄いのだが、それはそれである。
空腹は最大のスパイス。そんな言葉を思い出しながら走る。と、街道の脇、背の高い草が生え揃っている箇所に、何かが動いていた。
(猫……にしては、大きいな)
再び足を止め、草むらの中を覗き込んだ。
くすんだ白い綿の塊のようなものが、微かに揺れている。御剣が近づくと、足元で枝が折れる音が鳴った。
その音に反応して、綿の塊が動いた。
「……ひつじ」御剣が呟く。
「ンベェ~ェ」羊が鳴く。
それから十五秒ほど、御剣と羊は見つめ合った。
ブムフゥ、と鼻を鳴らしてから、羊が足元の草を食べ始める。
(あぁ、動物園の羊、か。……交番か動物園に連絡……だったか)
「…………うん?」
その時、御剣の脳内にある一つのアイデアが舞い降りた。流れを確かめるように、順を追って口にする。
「動物園、羊を連れて行く、感謝される……謝礼金?」
一人で頷く御剣と、そんなことは知らずに草を食べ続ける羊。
ほのぼのとした光景である。
「それにしても……どうしたものか」
鞄の肩紐を羊に緩く結んで引き連れながら、御剣は思案する。動物園から逃げ出した羊は、おそらくこの一匹だけではないだろう。
一人だけで何匹も羊を捕まえて動物園に引き渡すのは、何かと難しいのではないだろうか。
誰かの手を借りられれば――と考えていると、見知った顔が見えた。
「……滝野、と」
もう一人は知らない顔だ。二人とも何かを探しているかのようにあたりを見て、人気のない路地裏に入っていった。
幸い、滝野は知らない顔ではない。もう一人のことは知らなかったが、同じ寝子島高校の制服に身を包んでいる。
関係が全く無いわけではなかった。事情を説明して手伝ってもらうのも、悪くない。
そう考えて二人の入っていった路地裏に入ろうとしたところで、声が聞こえた。
「……つまりは、羊を見ると、隕石が?」
「うん。大きさも、時間も、場所もわからないけど、落ちてくるのだけは確かなんだ」
その会話を聞いて、御剣は滝野と羊を交互に見る。
何かが口に入っているのか、癖でそうしているのかわからなかったが羊は相変わらず口をモゴモゴと動かしている。
「……ちょっと、ここにいろ」御剣が適当なポールに羊を繋ぎながら、頭を撫でた。
「ンベ~ゥ」羊が鳴く。了解したのかはわからないが、嫌そうな雰囲気は感じない。
わざと靴音を響かせながら、歩いた。
滝野が驚きながら、御剣の方を向く。振り向き様は驚いた表情を浮かべていたが、こちらの顔を確認するとそれはいつもの顔に戻っていた。
「おはよう。ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど、良いか?」
「えっと……今?」滝野が首を僅かに傾けてから、隣にいた男子生徒を覗き込む。
「そう。実は動物園から逃げ出した羊を捕まえたんだけど、引き取りの人が来るまで見張ってもらえないか?」
滝野の隣にいた男子生徒の表情が、僅かに硬くなったのが見えた。
「ごめん……無理なんだ」首を小さく横に振りながら、滝野が答える。
「……羊を見たら隕石が落ちるから?」
先回りするように、口にする。完全に信じていたわけではないが、可能性が全く無いわけでもないことを知っているからだ。
滝野は何かを迷っていたようだが、やがて小さく首を縦に振った。
「……そうか。いや、悪い。立ち聞きするつもりは無かった」
軽く頭を下げながら謝罪する御剣へ、滝野の隣に立っていた男子生徒が近づく。
「八神くん?」滝野が隣にいた生徒に呼びかけた。
「その羊は、今どこに?」八神と呼ばれた生徒(制服を見ると、同じ学年のようだ)が声量を抑えながら、御剣の耳元で囁く。「できれば、滝野に羊を見せたくない」
「後ろ。ちょうど陰になって見えないと思うけど」
御剣は自分の後方を指差しながら答えた。
手伝ってもらう当てが外れた以上、ここに長居しているのも意味が無い。それに、あまり滝野の近くに羊を連れているのも危険だろう。
そう考えて、来た道を引き返そうとした御剣だったが、途中で「……あ」と、動きを止めて、滝野を呼んだ。
「滝野、島岡先生に俺遅れるって言っておいてくれないか?」
「え、あ、うん……わかった」
それだけ伝えて、御剣は片手を上げながらその場を離れた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
歌留多
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月04日
参加申し込みの期限
2013年03月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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