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【演目その3 『かぐや姫』(3)】
みんなで劇をやろう、なんて話が持ち上がったときから、槙は浮き浮きとして、心が躍るのを感じていたのです。
いつかは特技の一つを活かし、手品師として舞台へ立ちたい! そう考えていた槙にとっては、願っても無い機会……それに、友達と一緒にわいわい、時には賑やかに、時には真剣に。練習へと打ち込む時間の、なんて楽しいことでしょう!
(えへへ。良いなぁ、こういうの!)
舞台には、綺麗な着物を着たるちるに、自分とお揃いみたいな格好の天佑も一緒。樹の綺麗な声や落ち着いたナレーションに、紫鶴の大胆不敵な演技だってカッコよくて。
(みんなでやるのって、良いなぁ♪)
「きゃあああ! 槙! 可愛い~! かぐや姫より可愛いわよッ、槙ぃぃぃ!!」
大好きな秋お姉ちゃんだって、ああして見てくれているのです。
槙はきっちり最後までやり遂げたら、もう一度、みんなをまとめてぎゅーっとしちゃおう! と、そう心に決めました。
かぐや姫がやってきてから、三年の時が経った頃のこと。
いつかの宣言どおりに、帝からの求愛はいまだ止まず。けれどその頃には、彼と文を交わしてやり取りするうち、かぐや姫もまた、それを嬉しく思うようになっておりました。おじいさんとおばあさんも、かぐや姫の望むことならばと、二人をあたたかく、微笑ましく、そっと見守っていたのです。
けれど、ある時。
「……どうしたんだい、かぐや姫?」
「困ったことがあるなら、お母さんたちに話してごらん?」
優しく、さらりと髪を撫でながら言ってくれた、おじいさんとおばあさん。
かぐや姫が見上げる、夜空。そこへぽっかりと浮かぶ、まんまるな月。そのまぶしい光に照らされて、きらきらと輝きながら……かぐや姫は悲しげにまつげを震わせながら、言ったのです。
「おじいさん、おばあさん。私は、次の十五夜の夜に……あの月へ、帰らなければならないのです……」
突然の言葉に、おじいさんとおばあさんは、浮かんだ月のように丸く目を見開いて、そして理由を尋ねます。
雫をこぼし、かぐや姫はおじいさんとおばあさんにすがりながら、秘密を打ち明けました。
「私は……月の民なのです」
かぐや姫は、月の都の姫君だったのです! そして次の十五夜の夜に、月より使者が舞い降りて、自分を迎えに来ると言うのです。
止め処なく頬を伝う涙を、拭うこともせず。かぐや姫は、悲痛な面持ちでそう語りました。
趣の異なる二つのセットが、舞台へ同時に用意されました。
ひとつは山のふもと、おじいさんとおばあさん、そしてかぐや姫の暮らす家。
もうひとつは、豪華な都。帝の住む宮廷です。
スポットライトが高い壇上に立つ帝、紫鶴の堂々たる立ち姿を照らし出し、そこへおじいさんとおばあさん、天佑と槙が駆け込みます……二人の懇願によって、帝は兵士を引き連れ、月からの使者を追い返そうと立ち上がるのです。
「案ずるな。かぐや姫は、私の妻となる娘。我が弓と兵たちが、必ずや姫を守ろう」
紫鶴がきりりと弓を引くと、背景映像には、勇壮な兵士たちが槍を構える影絵が現れて、鬨の声を上げました。
ぱ、とスポットライトが消えて、再び照らし出すのは、おじいさんとおばあさんの家。佇むかぐや姫、るちるの元へ戻った天佑と槙が、がば、と彼女を抱き締めます。
「絶対に、私たちが、守ってあげるからね……!」
「安心おし、かぐや姫!」
「おじいさん、おばあさん……」
天佑はもう、先ほどまでの緊張などどこへやら。目が据わるほどに役になり切って、大事な娘をこの手で守らんとしてか、きゅっと凛々しく眉を吊り上げています。自己暗示はまさしく、効果覿面でありました。
やがてライトが消えれば、いよいよ、かぐや姫の物語もクライマックス。最後の別れの場面です。
整えられていくセットの上で、樹はゆらゆら。ワイヤーに吊るされながら、その思わぬ高さに少々、落ち着かない思いをしております。
(高っ、こっわ……! で、でも演技は頑張る……!)
月の使者がするりと降りていったなら、泣いても笑っても、ラストシーン!
十五夜の夜。おじいさんとおばあさん、かぐや姫が暮らした家を、愛しい姫を守るべく布陣した帝とその軍勢を、空から降り注ぐまぶしい光が包み込みました。
「……お迎えに上がりました。姫よ」
使者はかぐや姫の語った通りに、天より現れました。どこかしんと冷たい瞳は真っ直ぐに、美しい顔へ険しさを滲ませながら見上げるかぐや姫へと向けられていて、あたりを取り囲み槍を構える兵士たち、矢を番えた弓をぎりと引き絞る帝、それに、ひしと娘へすがるおじいさんやおばあさんなど、目に入らないかのようです。
「さあ、行きましょう。わたしたちのような者が、ここにいるべきでは無いのですから……」
「それはさせぬ!」
と叫んだ帝。放った矢が飛び、使者の胸へと突き立つ前に……いかなる術なのでしょうか。すう、と使者が手をかざしただけで、不思議なことに、帝や兵士たちはぴくりとも、身体を動かすことができなくなってしまいました。
姫を守る者はもう、たった二人だけ。
「この子は私たちの、大切な子供なんです……! お願い、連れて行かないで……!」
使者へ、挑むような目を投げかけていた、気丈なかぐや姫。おじいさんとおばあさんの、大切な、大切な、愛娘。
ふ、と、微笑みました。大切な、大切な、おじいさんとおばあさんへ……彼女にはもう、分かっていたのでしょう。どうすることもできないのだと。
かぐや姫は、使者の前に立ち塞がり娘をかばう両親へ、とある薬を手渡しました……それは自分を育ててくれた二人への、最後の贈り物。不老不死の薬でした。
「……おじいさん、おばあさんとお別れするのは、何よりも辛いこと……でも、せめて今、この時を見届けてください……そして」
そして。身動き取れぬまま、口惜しそうに……悲しそうに姫を見つめる、帝へ。
「最後まで、あなたにお応えすることができなくて……申し訳ありません……」
文を、渡しました。
したためられていたのは、歌。かぐや姫の想いを綴った、自ら詠み上げた、最後の歌。
今はとて 天の羽衣 着るをりぞ
君をあはれと 思ひいでける
「贈り物より、一緒にいておくれ! いかないで……かぐや!!」
「私たちを置いていかないでおくれ、かぐや姫……!!」
纏ったのは、ひらとはためく天の羽衣。ふわりと雲に乗って、ぐんぐんと。登っていきます。
もはや振り返りもせずに進んでいく使者に連れられて、かぐや姫も、ぐんぐん、ぐんぐんと。
登っていきます。
「…………かぐや!!」
まばゆく光る、まんまるな月の中。
大切な人たちへ、最後に、もう一度だけ。泣き濡れた頬も構わずに、ふんわりと。
かぐや姫は、微笑みました。
<『かぐや姫』 終>
するすると下りていく緞帳の前へ、それぞれの衣装を身に纏ったまま、5人揃って、舞台の最前へ並びます。
演劇を終えた中学生たちのカーテンコールに、観客はもちろん、惜しみない拍手の雨あられ!
るちるは満面の笑みで、客席へ……そして仲間たちへと、
「ありがとうございましたー!」
ぺこり、と一礼。
隣の樹は静かに、皆にだけ聞こえるように、言いました。
「……こちらこそ。楽しかったよ、いい思い出になった」
「ああ、俺もだとも」
紫鶴は芝居がかった、優雅で上品な仕草で一礼……何だか貫禄です。樹と二人、ちらと顔を見合わせて、そして満足そうに笑いました。
「あ……あ、ありがとう、ございま……むぎゅっ!?」
自己暗示も解けてしまったらしく、素に戻った途端に真っ赤っかになってしまった、天佑と。そして一緒に頑張った仲間たちを、みーんなまとめて。
槙は、むぎゅっ!!
「おつかれさまーっ! ああ、楽しかった! またやろうねっ、皆!」
「誰もが知ってるかぐや姫の物語だからこそ、演じる側のセンスってやつが問われるんだよなー。
その点『劇団寝子中』の劇は、映像を上手く使った演出とか、セットや小道具、衣装なんかのリアリティに、中学生ならではの元気な演技も合わさって、新鮮な気分で楽しめたぜ!
後はあれだな、皆仲良さそうで微笑ましくてな、見てるだけで顔がニヤケっちまうぜ。これからも良い仲間同士、仲良く頑張れよな!」
楽屋に戻って一休み。
全力を尽くした舞台を思い返しながら。るちるは仲間たちの賑やかな声を聞きながら、いつになく静かに、ぼんやりと。
そんな風にしていたら、ふと、視界の中に何かが、ひょいっと現れました。
つちのこの里、でした。
「……頑張ったな」
妹ひまりの照れくさそうな言葉に、ついついふにゃりとしたるちるの顔はもう、舞台の上の遠い世界のお姫様ではなくて、中学生の女の子の、可愛らしい笑顔なのでした。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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