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【演目その2 『オルフェウス』(3)】
地上には彼、ただひとり。冥界へ二度足を踏み入れることは、叶わない。
オルフェウスは、エウリュディケを永遠に失ったのだ。
「どうして、俺は……彼女を信じることが、できなかったんだ……」
失意に堕ちたオルフェウスは、そのまま当て所なく地上をさまよう。
彼は稀代の音楽家であったから、彼の感情を表現したのは瞳からこぼれた涙ではなく、嘆きや悔恨の言葉でも無く、主にかき鳴らす琴の音色と、それに歌であった。
オルフェウスはさまよう。愛しき者の無い地上を。
彼の愛はエウリュディケただひとりに注がれるものであったので、彼は他の女性との一切の関わりを絶った。彼の美しい音楽、琴の音や歌声に惹かれ、数多の女性たちが擦り寄ろうとも、決して彼がなびくことは無かった。
彼の愛は、本物であったのだ。
そうして旅を続けるオルフェウスの姿を、ある時、豊穣と酒を司り、自らも酒好きで享楽的な神
デュオニソス
が見かけた。彼は美しい妖精
ニンフ
たちをはべらせて、大いに酔い、歌い踊り、宴会に興じているところだった。
悲しみに暮れるオルフェウスを見るなり、上機嫌なデュオニソスはこう言った。
「ウホッ、いい男」
デュオニソスこと空音の一言に、ぎしっ! と固まってしまったニンフ、翠子をよそに。
もう一人のニンフ役、タルトが続けるのです。
「あーもー暗いなぁ、奥さんが奥さんがーって。美少年にも目を向けなさいよ! 亡くなった奥さんに心で詫びながら、カラダは新しい恋にのめり込んでしまうっていうのがセオリーで……」
途中ではっと気付いたタルト、それに空音。
(そーちゃん! ターちゃん……!)
翠子が、彼女の揺れる瞳が、やたらに力の入った必死な目が。二人へと、訴えかけているのです……!
B(ベーコン)! L(レタスは)!! ×(封印よッ)!!!!
と。
「……ウオッホン! いい男、であるな。それに、素晴らしき歌声である。うむ。そなた、名を何と言う?」
「オルフェウスよ。辛いこと、悲しいことも、全て酒に流してしまえば良い。私たちと共に、杯を交わそうではないか」
「そうそう。お酒を飲みながら、あなたのことを、聞かせて?」
「そして私たちのために、その竪琴を弾いて見せて?」
女性との関わりを絶ったオルフェウスには、デュオニソスの宴への誘いも極上の酒の匂いも、美しいニンフたちの舞や彼女らの艶めく誘惑であっても、何ら興味を抱けぬものに変わりが無かった。
「……断る。俺はもう、誰かのために音を奏でることは、無いだろう……」
彼は誘いを断り、宴の狂騒から己を遠ざけ、再び安寧とした絶望へと身を浸そうと、踵を返し立ち去ろうとした。
「おや……どうやら、あまり乗り気では無いようだよ。ニンフたちよ、この仕打ちをどう思う?」
ところがその無碍な素振りが、デュオニソスや、とりわけ自らの美貌に自信を持つニンフたちには、ひどく気に入らなかった。
ニンフたちは、怒り狂った。
「まさか、弾けないっていうの? 私たちのこと、馬鹿にしてるわけ?」
「つまんないなぁ。だったら……私たちが、奥さんに会わせてあげる!」
恐ろしい本性を表したニンフたちが、オルフェウスへと飛びかかる。
「何をする……!」
「この、トチ狂った琴弾きめ! お前なんか、こうしてやるよ!」
「ほーら、ほら! こうしてあげる!」
瞬く間に。さして抗うこともなく、オルフェウスは四肢を引き裂かれ……八つ裂きとなって、死んだ。とぷんと川に沈んだ彼の首だけが、流れに任せてゆらゆらと揺れる。
「あはは! 地獄で、奥さんと仲良くね!」
彼は、思っただろうか。ニンフの言葉を聞き、あるいはそれも良いかもしれないと。首だけとなった彼は、そう思っただろうか。
「哀れな。さあ、ニンフたちよ、私たちは宴を続けようではないか。歌い、踊り、つまらぬ琴弾きのことなど、酒に流してしまおうではないか……」
ぐいと杯をあおり、後に残った彼の琴をも川へ投げ捨てたデュオニソスの、ニンフたちの瞳にはもはや、彼の姿など塵ほども映らず。
オルフェウスの首、そして琴は、ゆらり、ゆらりと、誰に省みられることも無く、流れていった。
舞台袖へと戻ってきた空音、タルト、翠子はほっとひとつ息を吐いて、安堵。
荒太郎や笹鳴、冥たちが裏方を引き継いで、最後の仕上げを、弦一郎へと託します。
「最後にひとつ、盛大に盛り上げてくるか!」
「はい……お願いします……!」
笹鳴に背を押されて、屈強な身体でギリシャの主神へ扮した弦一郎は、深雪の弾き鳴らす最後のピアノ……神秘的で美しいメロディが流れる中、舞台へと上がります。
物語は、今、クライマックスへ!
引き裂かれたオルフェウスの首と彼の琴は、川を下り、やがて海へと出て波間を漂いながら、嘆きの調べを夜空へと響かせる。
彼が死した後も、琴はあの素晴らしい音色を奏でることを止めなかった。たとえ、誰も聞く者が無かったとしても。延々と、琴は主の首と共に揺れながら、鳴り続けた。
いや。
「……なんとも哀れな、オルフェウスよ」
たったひとりだけ、彼の声のごときその音色に耳を傾ける者が、ここにはいたのだ。
それは神々の父、他ならぬ全知全能の神、
ゼウス
その人であった。
ゼウスはオルフェウスの首と琴を波間より引き上げ、そして天空へとそれらを掲げ……まばゆく輝く星の海の中へと、押し上げた。オルフェウスの、魂を。
「人としては難しくとも……星としてなら、あるいはおぬしの愛しい妻ともう一度、巡り合うこともできよう」
天へと宿ったオルフェウスは、父より受け継いだ琴をかき鳴らし、そして歌声に乗せ、彼女を呼んだ。彼はいつか再び、出会うのだろう。
愛するエウリュディケと、いつの日にか、もう一度。
「おぬしは神にはなれぬ。だが、輝く星の光のように、まばゆく人の世を照らすだろう。おぬしの鳴らす琴の音のような……美しき、星座であれ」
オルフェウスは、こうして人より、琴座の星の煌きとなったのだ。
<『オルフェウス』 終>
「星座にまつわる伝説になぞらえた、悲しい愛の物語。胸を打つ演劇だったわ……!
特にあたしが感情移入してしまったのは、ニンフたちね。ツレないオトコへ容赦のないあの仕打ち、あたしの胸にズギュンと響いて……あら、ごめんあそばせ!
あたしの趣味を抜きにしても、素晴らしい劇だったと言ってあげるわ。映画研究部のみんな、これからも精進しなさいな? あなたたちなら、きっと良い結果にたどりつけるはずだから。ね!」
じいいい……翠子のちょっぴりトゲのある視線が、空音とタルトに絡みつきまして。
「……ベーコンレタスは封印! って、言っておいたわよね?」
「いやぁその、ついつい、張り切っちゃったのだ……?」
「あははっ、でもおかげで、すっごく楽しかったよね!」
明るく笑ったタルトには、翠子も、もお……なんて苦笑いして、許してしまうのです。
「二人とも、すっごく良かったよー!」
と言う荒太郎が、ぽぽん、と背中を叩いたのは、深雪と冥の主演コンビ。二人とも、演技に歌に演奏にと大忙しでしたけれど、
「雨崎のカロンにハデスも、なかなか良かったぜ? それに……ま、俺も楽しめたさ。榛名はどうだ?」
「もちろん! 何だか、小さい頃から憧れていた歌劇に出たみたいで、楽しかったよ!」
弦一郎が、巨体を反らしてうーん! と伸びをひとつしてから、
「さあ、後はみんなで、打ち上げだな! 何か食べに行こうぜ!」
と言うと、さんせーい! と、仲間たち。
笑顔でうなずいてから……笹鳴は最後にもう一度、舞台を振り返ります。
彼女の右目の弱視では、眺めてみても、その正確な像を瞳に受け取ることはできません……けれど、そこから伝わる熱気。仲間たちが伝えてくれる全てを、胸の中へと刻み込むように。
みんなで作り上げ、そしてやり切った、この一幕。なのにすぐにも、
(また……やりたくなってしまいます、ね……)
名前を呼ばれて、慌てて振り返り、笹鳴は仲間たちの後を、小走りに追いかけていきました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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