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【演目その14 即興☆ねこじま劇団・化け猫座『あやかしホームルーム』(4)】
甥っ子が頑張っているのに、自分は何もしないというわけにもいかないものでして。隙を見て、鴻は舞台袖近くで息子を探すそぶりをしながら、叫びます。
「おおーい、めがねやー。どこへいってしまったんだーい……」
言うだけ言って、素早くいったん舞台袖へと引っ込みます……が去り際に、観客席からちょこっと聞こえてくる、くすくすっと笑い声。
(……くそぉ、笑ってんじゃねぇ! ああしかし、我ながらこりゃ、演技がヘタすぎる……!)
棒読みセリフの自覚はアリ、なのでした。演技に自信なんて初めからありませんし、仕方の無いことではありましたけれど。
(まぁ……な。しょうがねぇ。あいつがやりたいってんならな)
舞台では再び、妖怪たちによるホームルームが始まります。中央で怯えた顔をしている、いつものマイペースとは一味違った甥っ子の演技を見ているのも、なかなかどうして、悪くはないのです。
集まった妖怪たちや子供たちのところへ、葉月がやってきたところで、お話は再び進み始めます。
「子供は元気ね……」
やってきた
吸血鬼
先生がつぶやいたのも、当然のことじゃろう。
教室には多種多様な、あやかしの生徒たち。彼らは事あるごとに人の子供らに怯え、また脅かしてはめがねやあいらに怯えた声を上げさせておるし、まいもみさの触手にすっかり面食らっておったし、そして集まった先生らもあやかしには変わりはないものじゃから、そりゃあ騒がしかった。
吸血鬼先生は、そんな騒ぎにはさほど興味が無さそうじゃったが、
「……せめて、意見はひとりずつ言ったらどうかしら?」
そう言って適当な椅子へ腰掛け、ホームルームはそっちのけで、人間の子らを物珍しげにスケッチし始めた。彼女はあまり授業に熱心なタチでは無いのじゃが、ともかく、美術教師であったのでな。
とはいえ、その意見はごもっとも。ひとりずつ手を上げて意見を述べることになったところで、まずは化け猫娘が進み出て、めがねに尋ねた。
「ぼうやはどこから来たの? お菓子食べる?」
「に、人間の世界だよぉ。はやく僕たちを、おうちに帰してくださいー……」
「それはできないわ。だって……」
差し出したお菓子を引っ込めて、化け猫娘はすうっと目を細める。
「ここは妖怪の世界。ここのことが人間たちに知られたら、大変なことになってしまう。あたしは、自分の居場所を守りたいだけ……かわいそうだけど、あなたたちはもうここにずっといるか、それともあたしたちの、ちょっと贅沢なディナーになるか? そのどちらかかしらね、あなたはどちらがいい?」
「ど、どっちもいやだよぉ……!」
そう、妖怪たちにだって事情はある。考えてもみい、人間たちがあやかしの世界へと大挙して踏み入ったなら、双方ただでは済むまいよ?
だから化け猫娘のこの主張は、教室の中にも広く支持者がおった。あいらとまいの上を、烏天狗が飛び跳ねて、
「そうそう! だから帰すわけには……おわ!?」
ぼうんとぬりかべ弟にぶつかり床へ落ち……おどけてはおるが、こやつらもそういった立場ではあるようじゃ。
「おーまーえーはー! でかすぎるんだって!」
「そう言われてもな……仕方が無いだろ」
と、弟が烏天狗を助け起こす一幕はさておきじゃ。ぬりかべ兄もまた、化け猫娘の言葉には鷹揚にうなずいた。
「その通りだ……かべ」
春彦がステージの高くまでひょいひょいと飛び上がり、くるり、くるん! とアクロバティックに烏天狗の動きを表現しておりますのは、ろっこんによるものです。未沙の触手までをも舞台機構の一環としてしまう風潮ですから、彼だってもちろん、心置きなく演じることができました。空中を軽やかにひょいひょいと、くるりくるんと自由に舞う春彦の姿に、観客たちは、拍手!
まぁ時折、
「おわー!」
「……何してるんだ、お前は……」
やっぱりぼうんとぶつかっては、蒼志に助けられたりしておりましたけれど。
そんなやり取りを経て春彦は、ぬりかべ弟をどこかのんびりとして演じている彼を、
(何か、面白いヤツだなー、こいつ)
なんて思っていたりしました。最初に助けてくれたのもあってか、何やら息が合っているような二人を、観客たちもコンビのように眺めていたかも知れません。
もうひとりのぬりかべ、源一は、そんな二人の後ろからセリフを入れ、自然とそのやり取りを締めるような役割になりつつあります。例の『かべ』のためか、巨体も相まってでしょうか、口数少ないながらにぬりかべ兄はやたらとキャラが立っておりまして、最前列に座るどこかのお子様たちの一団などは、きらきらとした目で彼を見つめていたりします。
そんなきらきら視線を浴びながら、源一もちょっぴり、思ったということです。
(いつもとは違う自分を演じる……か。たまには、悪くは無い)
根はとっても真面目な源一、これで高校二年生。何だか、得意の武術以外にも、新たな世界が拓けそうかも?
「なるほど、良い意見ですね。では、次に……人形の付喪神である君は、どう思うかな?」
面霊気先生が問うたのは、髪の伸びる日本人形である彼女じゃ。付喪神は良くも悪くも、人の想いによって生まれてくるもの……彼女にも、人の子に対して思うところはあるじゃろう。
す、と彼女は立ち上がり、
「私は……彼らとの、和平を提案しますわ」
そう言った途端、教室は再びざわめいた。
「ええ、分かっていますわ。彼らとの関係を決めるこの選択は、とても重要なもの。ひとつ間違えば、私たちの世界には危機が訪れる……例えば大勢の人間が襲ってくる、なんてことにも繋がってしまうかも知れません。あるいは」
と、そこで人形が見つめたのは、あいらじゃった。優しげな彼女の視線に、あいらも怯えた瞳へ、不思議な色を浮かべた……気付いたのかも知れんの。あやかしにも、人の味方をする者がいるのじゃということをのう。
「あるいは……彼らが豹変して、襲ってくるということも、考えられないことではありません。そうなれば、とても私ひとりでは抑えられない……けれど、だからこそ、皆の心をひとつにしなければならないのだと思います」
真剣な人形の言葉に、いつしか生徒たちも、そして人の子供らも聞き入っておった。
「……正直に言います……きっと私は、人間さんたちのことが好きなのだと思います。そうでなければ、迷い込んできたこの子たちを擁護しようなんて、そのような気持ちにはなりません。私は、彼らが好きです……そして、この世界のことも。だから私は、こう、言わせていただきたいのです」
みなが見守る中で、人形は進み出ると、あいらの手をそっと取り、真っ直ぐに覗き込んで、言ったのじゃ。
「私のお家で……一緒に、暮らしませんか?」
七星の演技は、なかなかに熱が入ったものです。それはもう、手を握られたあいらが、ぽーっとしてその目をじっと覗き込んでしまうくらいに。
人間に憧れているから、人間の子供たちにも歩み寄ろうとする『人形』の役柄、その内面を、七星はとても繊細な機微で演じているように見えました。そこには彼女の、生来の優しく慈しむ性格が滲んでいて、それがあいらにもまた、演技を通じて伝わったのかも知れません。
あいらだって思わず、
「ありがと……もう怖くない、かも」
舞台の上で初めて笑顔を見せたもので、どちらも役柄で演じているだけのはずなのに、七星の胸にも何だか、あたたかい気持ちが満ちていきました。
(とっても楽しい劇……舞台に上げていただいたサンマさんには、感謝しなくてはいけませんわね)
人形の意見にももちろん、大いに賛同する者たちがおった。
ジャック・オー・ランタンのキュルビス、それに白い少女のゼロなどは特に、人の子らへは多大な好意を寄せておったから、
「ナイスアイディアデス! 人間の格好が気になるナラ、仮装すれば良いデスヨ! キュルビスのオススメはー……ハイ!」
どん! と取り出したのは、大きなカボチャじゃな。はしゃぎがちなあの子らしいのう。
「もちろんジャック・オー・ランタンデス! みんな揃ってカボチャになりやがると良いデスヨ、楽しいデスヨ!」
「人間さんがオバケになるなら、良い方法があるのですー。いちばん手軽な方法は、このオバケ消しゴムでー」
大きな消しゴムを抱えたゼロが、あいらの後ろからにゅうっと現れたが、あいらはうひゃっと短い声を上げただけで、先ほどのように怯えたりはせなんだ。
「鏡の中の自分を消してしまうか、地面に映る影を消すことなのですー」
「いいねいいね! 君たち、いっそここで妖怪になっちゃってさ、俺たちと一緒に暮らそうぜ?」
鳥人先生までもが、人の味方へと回った……まぁ、彼はあの性格じゃからの。戸惑うまいへと熱心に、
「ねえねえ、人間の女の子って、綺麗なものが好きなんでしょ? 俺の羽とかどう? 綺麗じゃない? 気に入ってくれた?」
「えっ、はあ……あの、綺麗だと思います、けど」
「よっしゃあ! やったぜ!」
と、鳥人先生は喜びのあまりにか、再び頭上へ舞い上がった。
それらはみな、あやかしなりのやり方ではあったが、彼らは人間と距離を縮めようと、仲良くなろうとしてのことではあったのじゃ。
他にも、白澤や妖狐先生などが人の子らを擁護した……が、やはり依然として、それを良しとせぬ者もおる。
「ええー、食べないんですかうさ? こんなに美味しそうなのに、もったいないですよ~。ほら、この男の子なんて、とっても身が締まっていて。歯ごたえがあって美味しそうですし、うさ」
うさぎ先生は相も変わらずで、めがねをぶるると怯えさせておったし、
「そうですよね先生、ああもう、すっごく美味しそう……じゅるりっ」
みさも主に女の子らを眺めてヨダレをたらし、触手をにゅるにゅるとさせてまいを警戒させたりしておった……こちらはどうにも、先生とは違う意味のようではあったが。
今や、教室は人間擁護派、色んな意味で食べる派と、少数のどちらでも良い派に分かれてけんけんがくがくと意見を戦わせる、実にホームルームと呼ぶにふさわしい様相を呈しておったのじゃ。
が、そんな賑やかな空間にあって、ひとり、別の行動を起こした者がおった。
「……お願いです。みんなを、おうちに帰してあげてください……!」
それは他ならぬ、まいとあいらの前へと立ちかばうように両腕を広げた、あの気弱なめがねであったのじゃ!
めがねは一環して怯えて震えているような気弱な少年でしたけれど、それでも決して、他の二人を置いて逃げようとはしません。怖くて怖くて、でも頑張って踏みとどまり、立ち上がりました。そんな行動は、瑠樹が演じる役柄ではありましたけれど、瑠樹自身の素直な気持ちの表れでもあるようです。
瑠樹は思います。
(めがねは、何で逃げないんだろうねぇ?)
どうせならいつもと違うような、内気で怖がりな子供の役でも、と思って、叔父さんに無理を言って眼鏡まで借りたものの。そんな気弱なめがねのままで劇を終わってしまうのも、何だかこれが、違うような気がしてきまして。
(オレは、劇をやってるのが面白くって、ここにいるけど。めがねが、本当に妖怪に囲まれてたら……)
きっと彼は、立ち上がると思ったのです。ふたりを置いて逃げ帰ったり、身代わりに差し出したりなんていうのは、もってのほか。このまま何もしないまま、即興劇ですし本当に食べられてしまって終わり、なんてエンディングになる可能性だってありましたけれど、そうはしたくなかったのです。
きっとめがねは立ち上がります。だって彼は、大事な友だちと一緒に、元の居場所へ戻りたいと思っているはずだから。
ぐるぐると彼なりに考えを巡らせた後に、めがねは、瑠樹はいつの間にか行動していました。
(何だか……ヘンな気分だねぇ)
でも、心は晴れやか! きっとこれが正しいんだと、めがねならこうするんだと、瑠樹はきりりっと顔を引き締めて、叫びました。
「みんなを、食べちゃうって言うんなら……それなら、僕が相手だぁ……!!」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
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