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【裏と表の狭間から】
「こちらのセットは、どこへ運びましょうか?」
天動 記士郎
は特に、演劇に明るかったりとか、興味があったりということはありませんでした。ただ何か、裏方としてでも、自分に何かできることがあるならば……そう思ったのです。
「ああ、こちらへお願いします。ありがとう、確かにお借りします」
寝子島映画村
からレンタルの許可を取り付けたという大道具を、
八神 修
へと引き渡します。聞けば彼は、そうして外部へと交渉することで、製作の手間を省きながら、本物のセットでリアリティを高めることにしたのだとか……学生ながらに巧みな彼の手腕に、記士郎は内心で感心しつつ。
「それでは、頑張ってくださいね」
一言添えて、次の仕事へ。
白いタオルをぎゅっと頭に巻いて、作業着までも身につけて、今日の記士郎はそうして、演劇祭の裏方としてあちらこちらを手伝って回り、ひたすらに奔走しておりました。任されるのは概ね力仕事。大道具の搬入や撤収など、出演者たちの手の回らないところや負担を軽くしてあげられるところへ、彼は進んで手伝いを申し出ているのです。
「さて、次は……と、どうしました?」
ふと見ると、出演者の幾人かが難しい顔をして、舞台で使うものなのでしょう、背景セットを前にうーん、うーんと唸っております。尋ねてみますと、搬入の時にセットを少々破損してしまい、困っているとのこと。
記士郎は、失礼します。と言って壊れたセットの前へと屈み込み、視線を走らせ、素早くチェック。ふむ、ふむ、とうなずいて。
「……うん。これなら、すぐに直せそうです。良ければお手伝いしましょうか?」
もちろん彼らには、渡りに船!
持ち運びだけでなく、そんな風に応急的な補修までもこなして回る記士郎の、何ともありがたい裏方ぶり。自ら雑用係をかって出た彼の働きは、あちらこちらでもう、大変に重宝されておりました。
「うおーい! そろそろこっち、頼めるかい?」
「あ、はい、今行きます!」
ふと聞こえてきたのは、威勢の良いあの声。遠目にも分かる銀色流線形ボディ、
寝子 サンマ
さんです。彼もまた、記士郎の働きに頼る一人でありまして、
「次はいよいよ、『即興☆ねこじま劇団』の始まりだぜ! 三毛猫座のセットを運び込むから、手伝ってくんな!」
「ええ、分かりました」
もともとは実のところ、サンマさんに演目の一つである即興劇に出演するよう、促されたのがきっかけ。
記士郎は演劇に明るいということもなく、もちろんそういった経験も無いもので、せっかくの指名ながらお断りを入れ……けれどそれでは申し訳ないということで、今日一日は裏方へ専念することを決めたのでした。
それだけに、次の即興劇の準備には、記士郎も力が入ります。
「なあ、どうしても舞台に上がる気は無いのかい? お前さんならなかなか、ステージにゃ映えると思うんだけどな」
「それは……いえ、やっぱり、ごめんなさい」
「はっはっは、そうか! もったいねえが、そんじゃその分、力仕事を頑張ってもらわねえとな!」
「ええ、任せてください!」
舞台に上がるのだけは、どうしても、ご勘弁……!
けれど記士郎は舞台を眺めて、ちょっぴり、思います。
舞台裏から見る、ステージ上の……例えばあの学生さんたちの姿は、なんて、眩しいんだろう。
こちらは観客席、舞台へ程近い一階席の良いところ。
(いよいよ、いよいよだわっ!)
多喜 美律
はわくわくと胸を躍らせ、その時を待ち望んでおります。
これまで上演された演劇も、美律は真剣な瞳をたたえて観劇しておりまして、俳優たちの熱のこもった演技に見とれ、一喜一憂。感動しておりました。どれももちろん、素晴らしい劇でした……けれど!
けれど美律にとっての本命は、次の演目。そう、即興劇『三夜湖畔別荘殺人事件』なのです。それはなぜか?
決まっています。美律の愛しのお兄様、
多喜 勇生
が出演することになっているのですから!
(お父さんから借りたこのカメラで、イサ兄の晴れ姿をばっちり、余すことなく! 撮影しちゃうわよ!)
端的に言いまして美律ちゃん、めちゃブラコン! なのでした。お兄ちゃん大好き!
とはいえ美律ももう中学生、それなりの慎みというものも持ち合わせておりまして。当のお兄ちゃんの前では、そんなそぶりは全然見せません、どころか結構キツく当たっていたりします。おかげで兄の勇生は、手厳しい妹に『嫌われてるのかなぁ』とか思ってたりするのです。
実際には美律ちゃん、こんなです。
(イサ兄ったらどんなイケメン演技を見せてくれるのかしら、ああもう待ちきれない、早く幕、上がって! って、ああいけないわ、これじゃあ他のお客様に迷惑だもの、抑えて、抑えるのよあたし……)
と、ひとまず大きく深呼吸。暴走しがちなラブがうっかり周囲に漏れ出してはいなかったかしら、とあたりを見回して……。
(……? ど、どうしたのかしら、この人?)
お隣の席で、彼女が静かに泣いていることに、気付きました。
楽しい劇でした。アドリブ劇、『ヘンゼルとグレーテル』。はちゃめちゃで、混沌としていて、それはそれは、楽しい劇だったのです。
けれど、
緋紅朱 赫乃
の表情はどこか、冴えません。
(……会いたい、な……シグレさん……)
このところはお互い忙しくて、なかなか会えない恋人、
シグレ・ナイトウォーカー
の演技。楽しそうに舞台の上で、仲間たちと一緒に演じる彼……何だか懐かしく思える、あの笑顔。
(みんな、一生懸命、で……頑張ってて……面白くて、楽しくて。すごいなぁ、って、思っちゃう、よ)
本当はちゃんと、お疲れさま、と言ってあげたいのです。それが胸の中での言葉であったとしても、頑張っているみんなに、シグレに、言ってあげたいのです。お疲れさま、って。
けれど……舞台の彼を見ていると、こみ上げてくるのはどうしても、寂しさ。
ステージの皆はとても輝いていて、素敵で。シグレだって、あんなにもかっこよくて。
けれど、遠いのです。とてもとても、彼のことが、遠くに感じてしまうのです。
(……あ……あれ?)
気付けば。す、と頬を伝ったのは、あふれだした涙。
(おかしい、な……なんで、私、泣いて……)
慌てて手の甲で拭っても、それは後から後から、ぽろ、ぽろとこぼれ落ちて。
会いたい。
会いたいな。
(会って、お話して……それだけの、ことなのに……どうして……)
「あ、あの。大丈夫ですか? ハンカチ、使います?」
聞けばどうもお隣の彼女は、大好きな恋人にこの頃はあまり会えずにいたところ、舞台と観客席を挟んで見た彼の姿に、うっかり寂しさが爆発してしまい、つい泣いてしまった……ということのようです。
「……それで、私……ごめん、なさい。ありがとう、ハンカチ……あっ」
「ああっ、まだ使ってて良いですから! ほら、拭いてください、ね?」
可愛らしい人だなぁ、と美律は、さめざめと泣く赫乃を見て思います。
そして次に、大好きなお兄ちゃん、イサ兄がどうもこのところ、何やら少々色気づいているような節があることに、思いを馳せます。
例えば……もちろん例えばの話! ですけれど。大好きなイサ兄が、どこかの誰かとくっついた末、自分の元から去ってしまったとしたら……。
そんな風に、ちょびっと、ほんのちょびっと! ですけれど。考えてみましたら。
「……ええっと、緋紅朱、さん? でしたよね」
「? ええ……」
「次の舞台、ウチの兄が出るんです。いえ、メガネかけたダッサイ兄なんですけど、一応ほら身内だから、応援くらいしてあげようかしらって……だから、良かったら一緒に。応援してもらえませんか?」
きょとん、とした赫乃。つうっと、彼女の頬を雫が伝っていきます。
何となく、ですけれど……それを、止めてあげたいなと、そんな気になってしまったようなのです。少しでも気が紛れれば、止まってくれるかも? と、そんな風に。
唐突な申し出に、赫乃はしばし、ぽかんとしておりましたけれど。
やがて、借りたハンカチできゅっと目元を拭ってから、美律へふわり、微笑みました。
いよいよ、『即興☆ねこじま劇団・三毛猫座』の幕が上がります。
「……舞台の上で、演技をしたり……演奏したり」
「ん?」
出演者たちを誘導するサンマさんの隣でふと、記士郎はぽつり、つぶやきました。
「そういうことができるのって……本当に、すごいと思うんですよ」
目を細めてステージを見上げた彼を、サンマさんは、何だか優しい目で見つめておりました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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