this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
マタタビック演劇フェスティバル
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
69
つぎへ >>
【演目その5 『ヘンゼルとグレーテル』(2)】
迷子にならないよう、ヘンゼルとグレーテルは、ちぎったパンくずを目印にぽとり、ぽとりと道へ落としていく……なんてことはもちろんせずに、鬱蒼と茂る森の中をずんずんと、ただひたすらに景気良く進んでいきます。
「よおし、グレーテル。せっかくのチャンスだ、このまま独り立ちしようぜ! 独立して起業して、兄妹揃ってビッグになって成り上がって、財界に名を残そうぜ!」
「お兄ちゃん、ここは森の中よ? それに私、そんな子供らしくない俗物的な目標に向かって邁進するより、もっと夢のあることがしたいわ。ほら、例えば森の中で、お菓子の家を見つけるとか」
マイペースにビジネスの構想など語るしたたかな兄ヘンゼルと比べて、妹グレーテルは実にメルヘンで可愛らしく、花のようにたおやかな女の子で、とっても童話向きの素直な性格をしているのです。妹が彼女でなかったなら、兄はどこか別の世界にでも生れ落ちて、それはもう勇ましいバトルものの主人公か何かになっていたことでしょう。
そんな風に、兄と妹がのんびり森を散策していると。唐突に木々がぱあっと開けて、二人は目の前に、世にも不思議な光景が広がっているのを見つけました。
カラフルに螺旋を描いてそびえ立つのは、飴で出来た柱。壁はさっくりさくさくのウェハース、それも生クリームが壁紙がわりにたっぷりと塗りつけられていて、ふわふわです。屋根にはつやつやの板チョコが並べられていて、それも高級チョコレートで知られるあの、おっといけません、商標名なのでここでは明かせませんけれど、誰もが知ってるあの有名チョコメーカー製の一級品なのです。
そこにはなんと、甘くて美味しそうな香りを漂わせる、お菓子の家が建っていたのです!
「まあ! お兄ちゃん、見て! 本当にお菓子の家があったわ!」
嬉しそうに、てててっ、と駆けていくグレーテル。何て純朴で可愛らしいんでしょう。
「待て、グレーテル! ウマイ話にゃ裏があるもんだぜ」
けれどお兄ちゃん、ヘンゼルが妹を制します。確かにアヤシイこんな状況、大事な大事な妹のためを考えたら、単純にオヤツの時間と言ってやるわけにもいきません。腐っていたり毒が入っていたりしたら、お腹を壊してしまうかも知れませんもの。
「まずは俺が毒見をしてからだ、ちょっと待ってろよ」
と言ってヘンゼルは、壁の生クリームを手にすくって、ぱくり。
「おっ、これは……」
続けて飴の柱をかつんと少々割って砕いて、ひょいとひとくち。ぱくり。
「ほほう。これもなかなか……」
「ちょっとお兄ちゃん? ずるい、私も食べたいわ!」
ニヤリ。どちらかと言うと、役柄より割と本気っぽい望春の訴えに、シグレは懐からスティック付きの飴を取り出して、
「ほら、むくれるなよ。可愛い顔が台無しだぜ?」
「むぐぅ」
お口の中へぱくんと放り込んでやりました。
「……シグレ先輩。飴くらいで俺の機嫌が直ると思ったら、大間違いですからね?」
「劇。劇」
「ですからね、お兄ちゃん?」
口に広がる優しい甘さに、望春グレーテルはむぅ、と可愛く頬を膨らませつつも役へ戻ります。望春の飴好きは、シグレも知るところなのです。慣れない女装、すーすーと寂しい足元への違和感も少々薄れたらしい後輩に、シグレはやっぱり、にっと笑みを浮かべます。
と、ふいに。
(……ん? あれは……赫乃?)
ちらりと。
緋紅朱 赫乃
の姿を、観客席の中へと見た気がして……シグレは少しばかり、はっとしたものの。
「せんぱ、お兄ちゃん?」
「……おお、これは美味いお菓子だな!」
彼もまたすぐに、ヘンゼルを演じるのに意識を傾けていきました。
「クックックッ」
お菓子の家を、ちょっとお行儀悪く手づかみで貪り食うヘンゼルとグレーテルの前に、突然、ひとりのおばあさんが姿を現しました。
おばあさんは、失礼ですけれど、どう控えめに見積もっても胡散臭いとしか言いようのないアヤシイ笑顔を頬に貼り付けて、クックックッ、と笑いながら言いました。
「腹が減っているのかい? いいとも、好きなだけ食べるといい。クックックッ……」
アヤシさ、爆裂です。
けれど、人を疑うことを知らない純朴なグレーテルは、
「ありがとう、おばあさん!」
とぱくぱく、ああなんて可愛らしいんでしょうこの娘ったら。
「へえ、気前が良いな、ばあさん。お菓子代は無料でいいのかい?」
「……もちろん、タダだとも」
ヘンゼルはもちろん、おばあさんをこれでもかと警戒しています。もうあからさまにアヤシイ上、大事な大事な妹のためを考えたら、簡単に信じてしまうわけにはいきません。
「どれ、子供たち。家の中には、もっと美味しいお菓子がたくさんあるんだよ。さあ、おいで」
「まあ、本当?」
というおばあさんの誘いにも、ヘンゼルはずばっ! と手を掲げてグレーテルを制し、自分から先に家の中へと入ります。一体、どんな罠があるか分かりませんもの。
そして、ヘンゼルの思ったとおり。
「クックックッ! かかったな!」
咄嗟にグレーテルを突き飛ばしたヘンゼルはひとり、おばあさんの罠にかかり、がっしゃーーーん! 何と言うことでしょう! 降ってきた檻の中へと閉じ込められてしまいました。
「クックックッ。悪いな、自分は……」
と言いかけて、征一郎ははっとして口を閉じました。今の彼は、演技をしているのです。
「……あー、私は、魔女だ。グレーテル、お前には兄をもっと太らせ、美味そうなご馳走にするための、手伝いをしてもらうぜ?」
とまあ、結局口調や何かは、素のままの彼も若干混じりつつも。
舞台袖の忍穂や璃人が見守る中、征一郎は魔女としてグレーテル望春をこき使い、ヘンゼルシグレを肥え太らせるため、様々に工夫を凝らしていくのです。
ヘンゼルへとカロリーたっぷりな食事を与えては、太り具合を確かめる魔女。けれどヘンゼルはいつまでたっても痩せっぽちなままで、魔女をにやりと嘲笑う……なんて演技を、しばらく続けた後。
「指を出せ、ヘンゼル。どれだけ太ったか、確かめてやるぜ」
言ってみれば、役者としては大根な征一郎、けれど彼なりに一生懸命魔女を演じていて、演劇を最後までやり遂げようとここまで頑張っておりましたけれど……檻の中へ、ヘンゼルの仕上がり具合を確かめようと、彼が手を伸ばしたところで。
ばしっ、とその手を掴んだシグレが、ヴァイオリニストでもある征一郎の滑らかな手をするりとなぞりながら、ニヤリ! 嫌味たっぷりに、こう言ったのです。
「こんなお綺麗な指して、人間を食うとはな。驚きだぜ」
「……てめぇ……」
ぴくりっと、征一郎の眉が跳ね上がりまして。
「あのう。お兄ちゃん? 魔女さん?」
頃合を見て、ヘンゼルは帽子の中に隠し持っていた針金でもってかちゃかちゃかちゃり、がっしゃーーーん! 檻を開けて飛び出してしまいました。そんなダーティなピッキング技術なんてものを、一体お兄さん、どこで身につけたものでしょうか……純真なグレーテルだって、もうびっくりです。
そして今、お菓子の家には、何だか剣呑な空気が漂い始めています。
「上等だ……ヘンゼル。今すぐに食ってやろうじゃねぇか」
「できるもんならやってみな、魔女!」
バチバチバチっと視線の火花が飛び散り、今まさに、ヘンゼルと魔女は一触即発!
ついでに。どかーーーん!
お菓子の壁をぶち抜きながら現れたのは、
「兄と妹の前に立ちはだかる試練、そして最強の敵! 二人はいかにしてこのピンチを切り抜けるのでしょうか、さあヘンゼル! グレーテル! 頑張るのですよーっ」
「脆弱なる貴様等へ課せられし試練の終焉、今こそ羽化の時は来たれり!(怪我しない程度に、頑張ってね?)」
「お母さん、お父さん!?」
さあ、ご両親もこうして応援に駆けつけてくれました!
ヘンゼルは兄として、ヒーローとして。優しくか弱き妹を守り抜くという絶対の意思を貫き、鍛え抜かれた強靭な力を見せ付ける時!
いざ! ラストバトル!
大音量で流れ出すノリノリでカッコイイBGM、まさにこれが最終決戦!
「グレーテルは今の内に逃げろ! ふっ、妹を守ってやるのが兄貴ってもんだろ……?」
「何でヘンゼルとグレーテルに、バトルシーンがあるんだーっ!?」
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
69
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
マタタビック演劇フェスティバル
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!