テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。｜リアクション

テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。

　後木真央は歓喜した。
「ナイスなのだ、テオ！　これで公然とテスト勉強さぼれ……あばば、高校新聞用ＮＭＲ（寝子島ミステリーレポート）ネタゲットなのだ、食キング（しょっきんぐ）の血が騒ぐのだ！」
　つまり、テストからの逃避行の大義名分ができたことを彼女は喜んだ。
　真央ちゃん、あなた疲れているのよ……。
　早速、行動開始。
「犯人はカメラを抱えていると言っていたのだ建物の階段なり２階なりへ移動して撮影されないように隠れるのだ！」
　後木は慎重に事を進めていくようだ。
　スマホのアプリからねこったーを起動して情報収集をすると……？
「おっちゃん街中激写系と炒飯のねこったー情報……うぉ、炒飯引っ掛かり過ぎなのだ！？」
　タイムラインがチャーハン一色であった。
　むしろここまでチャーハンに染まると清々しい。
　麻雀でいうとリーチ１発ツモの字一色で役満が成立である。
　後木は情報収集をしながら、騒動の範囲を絞り込んでいく。
　その間も移動しながら隠れ続け、塀の隙間から顔を覗かせたり、角からチラ見したりと徹底した隠密行動である。
　後木の目的は、オッサンの近影を撮影し、ねこったーへアップして情報提供をすること。
　そのための文面もあらかじめ済ませておくことに。
『チャーハン事件の重要参考人なのだこのおっちゃんのこと知ってたらリプライなのだ！』
　周囲の警戒を怠らない後木。
　そんな彼女は、周囲に同じようにテオの声を聞いたもれいびたちが周囲を見回していることに気が付いた。
「みんなも犯人捜しなのだ？　協力して事件解決するのだ！」
　食べ物絡みで湧き上がる意欲と、テスト勉強からの現実逃避が掛け合わさった結果、後木のモチベーションは天井知らずで上がり続けるのであった。