テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。｜リアクション

テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。

　中間テストは中学生たちにも容赦なく襲い掛かる。
　彼らもまたこの試練を戦い抜くために、今は勉学に励むのだ。
　赤羽勇樹と幼馴染の鍋島奈々美も、例外なくテスト勉強をするはずだったのだが……？
「……奈々美、赤点の危機なんだからお前は勉強しろ」
　赤羽は鍋島が勉強をサボるので説教の真っ最中だった。
「いいか？　俺がみっちり家庭教師してやるから覚悟しろ、奈々美」
「えーっ、勇樹はめっちゃ厳しいやんか！　あー、嫌やー勉強なんぞ滅んでしまえばええんやー」
　やる気のない鍋島に肩を落とす赤羽。
　これはもう少しこってり絞らないと駄目か、と思っていた矢先である。
「ハッ！　テオ様からのお告げ！」
　テオの言葉が届いた赤羽の顔付きが変わる。
　正義の味方を自称する赤羽にとって、テオの言葉はまさに天啓なのである。
「学生の勉強を妨げるとはなんという悪！　裁かなければ！」
「ということは！　うちの勉強よりも優先せなな！」
　これで赤羽の家庭教師に辟易していた鍋島は、参考書を放り投げて立ち上がった。
「うちのジャーナリズム魂が火を噴くで！　早速、現場へ直行や！」
　逃げるように部屋を出ようとする鍋島の肩を、がっちりホールドする赤羽。
　ドドドドと効果音が出そうな気迫で鍋島に彼は告げた。
「……奈々美。パパッと解決して勉強だぞ！」
「やっぱり！？」
　思わず溜息を吐いてしまう鍋島であった。
「まずこういう事件を起こすんはそれによって利益を得られる人間っちゅーのが定石や。最近、炒飯で問題起こした奴が怪しい」
　早速スマホで情報収集を行う鍋島。
　対して赤羽は聞き込みに専念するようだ。
「コック姿でカメラを持ったオッサンなんて目立つだろ。チャーハン連呼している奴から聞き込みしてくる」
　こうして２人は30分後に再び落ち合うことを約束し、別行動で調査を開始した。