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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
嵐の夜に、猫鳴館にて
【２】
同じように、板切れやトンカチ、釘を持って寮内を歩き回っているのは、南雲 銀丸だった。
桜花寮に避難しようかと思っていた彼だが、筋トレが終わったあと眠ってしまい、起きた時には雷が鳴っており、さすがに移動する方が危険だと考え、結局ここにいることにしたのだ。
刀と共に傷んだ箇所を補強している天野を手伝ったあと、部屋に戻る途中でふと、廊下が風で揺れているように思えて、気になった。
（柱とか、大丈夫なのか？）
思わずろっこんを使って、床下や壁の中の様子を透視した。結果。
（ああ、やっぱ傷んでるな。補強した痕もあるが……ずいぶん、古いな。このままじゃ、やべぇな。補強しに行くか）
放っておけなくなって、床下に潜って補強作業を開始した。
そこが終わったあとも、おそらくは他にもこういう目に見えないが傷んだ箇所がありそうだと考え、一人で寮内の点検作業を始めたのだ。
（逆巻たちと一緒の時に、ろっこんで見えないとこもチェックしとけば、よかったかもな）
ふとそんなことも思ったが、一人で作業するのは苦にならないので、まあいいかと、こうして寮内を回っている。
点検の結果、今すぐに補強が必要ではないが、傷んでいると見えた部分は、ノートを破いた紙に手書きした寮内の見取り図に印をつけて行く。見取り図には、透視して得た柱などの位置情報も書き込まれており、台風が過ぎたあとも、充分に役立ちそうなものだ。
もちろん、すぐに補強や補修が必要な所は、最初と同じく床下に潜ったりして、直して行く。
そんな中、壁を叩きつける雹の音が強くなった。
（そろそろ、本格的になって来やがったか。……急いだ方が、よさそうだ）
胸に呟くと、彼は釘を打つ手を早めた。
一方。
大部屋では、切奈と真央、荒太郎、マウル、初島の五人が鍋の用意をしていた。
鍋をしようと言い出したのは、切奈である。
というのも彼女、九夜山を降りる際に土産として、野鳥や兎肉、鹿肉、キノコなどを持って来たのだ。
本当に吹雪になるなら、当然、気温が下がって寒くなるに違いないし、大勢いるなら鍋が一番だと考えたのだ。
「兎肉や鹿肉の鍋？ 美味しそうなのだ！」
聞くなり賛成したのは、真央である。
ちなみに彼女は、鶏舎の補強作業を終えたあと、自分の部屋に戻って、紙類や電気製品、衣類など濡れては困るものをビニール袋に包む作業をやっていた。その後、再び寮内の補強作業を手伝っていたのだが、さすがに雷が鳴り出したので、中に戻って来て鍋のことを聞いたのだ。
荒太郎やマウルも、そのあたりは同じだった。
野鳥は切奈が、台所で捌いた。兎肉、鹿肉はそれぞれ、真央がフードプロセッサーを使って、ミンチにして行く。人参、白菜、ネギ、春菊などの野菜とキノコの処理は、荒太郎とマウル、初島がやっていた。台所が狭いので、野菜を洗ったあとは、食堂から探し出して来たキャスター付きのワゴンを大部屋に持ち込み、その上で切り分ける作業にいそしんでいる。
部屋の真ん中には、いつの間にかコタツが出ていた。
初島が食堂から持って来て、セッティングしたものだ。今はまだ電源を入れていないので、普通にテーブルがわりといったところだろう。
その上に、切奈が自室から持って来たポータブルのガスコンロが据えられ、鶏がらスープの入った大鍋が乗せられている。
そこへやって来たのは、士だ。
「何をしているんだ？」
「もしかして、鍋？」
尋ねる彼の傍から目を輝かせたのは、一緒に来た春香だった。
「そうなのですよ～。私が、山から持って来たお土産なのです～」
切奈が、捌いた野鳥の肉を、これもミンチにしながら答える。
「いいわね。用意、私も手伝うわ」
聞くなり言って、春香は士を促す。
「ほら、君も手伝う」
「あ、ああ……」
うなずいて、士も野菜を切り分け始めた。春香の方は、ミンチになった肉を丸めて団子を作り始める。
そこへもう一人。瓢が顔を出した。
「台風が本格的になる前に、地下帝国へ避難……。おやおや、宴会の用意かい？」
言いかけて、中を見回し、声を上げる。
「宴会ってわけじゃないけど、鍋の用意だよー」
「小刀祢さんのお土産だってー」
荒太郎と初島が、どちらものんびりした声音で答えた。
「ふうん。……コタツもあるし、何かもう、すっかりここに腰を据えることにしたって感じだねぇ」
感心したように言うと、瓢はひょこひょこと中に入って来てコタツに座り、楽しそうに鍋の用意をする一同を眺めやる。
「見てないで、君も手伝ってよ」
春香が声をかけるも、「人手は足りてるようだよぃ」などと返して、腰を上げる気配もない。
そんな中、大鍋のスープが煮立ってぐつぐつと音を立て始める。あたりには、いい匂いが充満し始めていた。
同じように、板切れやトンカチ、釘を持って寮内を歩き回っているのは、南雲 銀丸だった。
桜花寮に避難しようかと思っていた彼だが、筋トレが終わったあと眠ってしまい、起きた時には雷が鳴っており、さすがに移動する方が危険だと考え、結局ここにいることにしたのだ。
刀と共に傷んだ箇所を補強している天野を手伝ったあと、部屋に戻る途中でふと、廊下が風で揺れているように思えて、気になった。
（柱とか、大丈夫なのか？）
思わずろっこんを使って、床下や壁の中の様子を透視した。結果。
（ああ、やっぱ傷んでるな。補強した痕もあるが……ずいぶん、古いな。このままじゃ、やべぇな。補強しに行くか）
放っておけなくなって、床下に潜って補強作業を開始した。
そこが終わったあとも、おそらくは他にもこういう目に見えないが傷んだ箇所がありそうだと考え、一人で寮内の点検作業を始めたのだ。
（逆巻たちと一緒の時に、ろっこんで見えないとこもチェックしとけば、よかったかもな）
ふとそんなことも思ったが、一人で作業するのは苦にならないので、まあいいかと、こうして寮内を回っている。
点検の結果、今すぐに補強が必要ではないが、傷んでいると見えた部分は、ノートを破いた紙に手書きした寮内の見取り図に印をつけて行く。見取り図には、透視して得た柱などの位置情報も書き込まれており、台風が過ぎたあとも、充分に役立ちそうなものだ。
もちろん、すぐに補強や補修が必要な所は、最初と同じく床下に潜ったりして、直して行く。
そんな中、壁を叩きつける雹の音が強くなった。
（そろそろ、本格的になって来やがったか。……急いだ方が、よさそうだ）
胸に呟くと、彼は釘を打つ手を早めた。
一方。
大部屋では、切奈と真央、荒太郎、マウル、初島の五人が鍋の用意をしていた。
鍋をしようと言い出したのは、切奈である。
というのも彼女、九夜山を降りる際に土産として、野鳥や兎肉、鹿肉、キノコなどを持って来たのだ。
本当に吹雪になるなら、当然、気温が下がって寒くなるに違いないし、大勢いるなら鍋が一番だと考えたのだ。
「兎肉や鹿肉の鍋？ 美味しそうなのだ！」
聞くなり賛成したのは、真央である。
ちなみに彼女は、鶏舎の補強作業を終えたあと、自分の部屋に戻って、紙類や電気製品、衣類など濡れては困るものをビニール袋に包む作業をやっていた。その後、再び寮内の補強作業を手伝っていたのだが、さすがに雷が鳴り出したので、中に戻って来て鍋のことを聞いたのだ。
荒太郎やマウルも、そのあたりは同じだった。
野鳥は切奈が、台所で捌いた。兎肉、鹿肉はそれぞれ、真央がフードプロセッサーを使って、ミンチにして行く。人参、白菜、ネギ、春菊などの野菜とキノコの処理は、荒太郎とマウル、初島がやっていた。台所が狭いので、野菜を洗ったあとは、食堂から探し出して来たキャスター付きのワゴンを大部屋に持ち込み、その上で切り分ける作業にいそしんでいる。
部屋の真ん中には、いつの間にかコタツが出ていた。
初島が食堂から持って来て、セッティングしたものだ。今はまだ電源を入れていないので、普通にテーブルがわりといったところだろう。
その上に、切奈が自室から持って来たポータブルのガスコンロが据えられ、鶏がらスープの入った大鍋が乗せられている。
そこへやって来たのは、士だ。
「何をしているんだ？」
「もしかして、鍋？」
尋ねる彼の傍から目を輝かせたのは、一緒に来た春香だった。
「そうなのですよ～。私が、山から持って来たお土産なのです～」
切奈が、捌いた野鳥の肉を、これもミンチにしながら答える。
「いいわね。用意、私も手伝うわ」
聞くなり言って、春香は士を促す。
「ほら、君も手伝う」
「あ、ああ……」
うなずいて、士も野菜を切り分け始めた。春香の方は、ミンチになった肉を丸めて団子を作り始める。
そこへもう一人。瓢が顔を出した。
「台風が本格的になる前に、地下帝国へ避難……。おやおや、宴会の用意かい？」
言いかけて、中を見回し、声を上げる。
「宴会ってわけじゃないけど、鍋の用意だよー」
「小刀祢さんのお土産だってー」
荒太郎と初島が、どちらものんびりした声音で答えた。
「ふうん。……コタツもあるし、何かもう、すっかりここに腰を据えることにしたって感じだねぇ」
感心したように言うと、瓢はひょこひょこと中に入って来てコタツに座り、楽しそうに鍋の用意をする一同を眺めやる。
「見てないで、君も手伝ってよ」
春香が声をかけるも、「人手は足りてるようだよぃ」などと返して、腰を上げる気配もない。
そんな中、大鍋のスープが煮立ってぐつぐつと音を立て始める。あたりには、いい匂いが充満し始めていた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年01月23日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年01月30日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年01月30日 11時00分
