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嵐の夜に、猫鳴館にて
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●台風一過
翌朝。
空は青く澄み渡り、あたりには明るい光が射して、鳥たちがにぎやかにさえずり交わしている。
台風は去った。
一晩中吹き荒れた吹雪は、明け方近くにようやく止んだ。
外の空気はいつもより、少しだけ冷たいようでもある。屋根や日陰には、昨夜の名残のように、わずかに雪が残っていた。
寝子高は今日も臨時休校となり、そのことは担任から連絡を受けた士の口から、寮内の者たちに伝えられた。
炊き出しをしようという真央の提案で、昨夜の鍋の残りが雑炊にして提供された。結局昨夜は、雑炊は食べられなかったのだ。調理をしたのは、言いだしっぺの真央と、鍋の材料の提供者である切奈、それに部屋から出て行く野良猫たちを見送ってから大部屋にやって来た綾花の三人だった。
士が声をかけたので、彼の部屋に泊まった吾妻や、部屋で飲み明かした朱蘭、林檎、メイソンの三人、途中で大部屋から部屋に移動した天野と刀、自室で爆睡していたガイも大部屋へと集まり、雑炊の鍋を囲んだ。
そのあと。
世話になった士と綾花に挨拶し、吾妻は桜花寮に戻るため、外に出た。
「シロネコ、二度と寝ぼけて俺のこと、不審者扱いするんじゃないぞ」
一緒について来たガイをふり返り、言う。
「なんのことか、わからにゃいのである」
小首をかしげて返すガイに、小さく溜息をついて「じゃあな」と片手を上げ、彼は歩き出した。が、途中で足を止めて、つとふり返る。
朝の光の中に、廃墟然とした猫鳴館の姿がくっきりと浮かび上がっているのが見えた。
(俺、よく無事でいられたよな)
ふと胸に呟いて彼は、ちょっとだけ自分の幸運に感謝して、再び歩き出す。
ガイも中に入り、誰もいなくなった玄関に出て来たのは、犬のジョニーを連れたメイソンと林檎だ。朱蘭も、二人を見送るために、一緒に来ている。
「ゆうべは楽しかったぜ。また、一緒に飲もうぜ」
手をふりながら、朱蘭が言った。
「あはは、今度は、お手柔らかに頼むよ」
メイソンが苦笑したのも無理はない。女の子二人は、なんともタフで、結局明け方近くまで飲み会は続いたのだった。
(それなりに、役得はあったがな)
苦笑しつつも、彼は胸に呟く。朱蘭のろっこん効果が付与されたジュースを口にした林檎が、まるで小型犬のように彼と朱蘭に頭を擦り付けて来て、たいそう可愛かったのだ。
「ああ、またな」
うなずきつつも、内心「ゆうべ、何かしちゃったかもしれない。どうしよう……」と青くなっているのは、その林檎である。そう。当人には、途中から記憶がなかった。だが、表面上は平気な顔で別れを告げ、メイソンと共にジョニーを連れて、寮をあとにした。
「今度は、天気のいい時に遊びに来たいな」
と言うメイソンに、「ああ」などとうなずきつつ。
その二人を見送って朱蘭が中に入ったあと出て来たのは、メアリだ。
すっかり乾いたゴスロリのワンピースドレスとミニハットを身につけ、ブーツを履いて、玄関に立つ。
「災厄の嵐は去った。ゆえに、わらわもここを去るのじゃ。……昨夜はなんとも美味な……もとい、有意義な視察の夜であったのう」
一人呟き、楽しげに笑うとそのまま、意気揚々と玄関を出て行った。
朝食後、寮生たちは窓などに張った板をはがしたり、壊れた場所を修理する作業を始めた。
綾花の部屋は、すでに猫たちを出すために、窓に張った板ははずされていた。
「……今回も、ありがとうございました」
軒下に吊るした身代わり猿に、彼女はそっと手を合わせる。風で飛ばされているかもしれないと、少し心配していたものの、それも杞憂だったようだ。
(猫ちゃんたちや、優くんたちのおかげですっかり癒されて、怖かったけど、楽しく過ごせた気がします)
胸に呟き、彼女は壊れたものをかたずけるため、軍手を履くと部屋をあとにした。
「せっかくだ。かたずけも手伝って行こうか?」
天野にそう声をかけたのは、刀だった。
「ありがたいが……自分の家の方はいいのか?」
問い返されて、刀はそうだったと天を仰ぐ。とりあえず、今は戻った方がよさそうだと判断すると、彼は「じゃあ、また」と軽く手を上げ、猫鳴館をあとにした。
それを見送り、天野は銀丸と共に壊れた箇所の修理に向かう。
そんな中、士は外から猫鳴館の被害状況を確認しようと、庭に出た。
もともとボロい建物だが、被害は思ったほどではないようだ。なにより、屋根や壁が吹き飛ばされてなくなっている場所などがないのは、幸いだった。
そこへ歩み寄って来たのは、瓢だった。
「この建物も、案外丈夫だったってことだねぇ。あっしは、どうせ本当に危なくなったら邪衣はんが出て来るかと考えてたんだよぃ」
「まあ、本当に危険な時は……な。だが、今回はできるだけ、俺は口を挟まないつもりだった。有事を寮生で乗り越えられないようでは、意味がないからな」
小さく肩をすくめて返し、士は歩き出す。
鶏舎では、荒太郎とマウルが会議室に入れてあった鳥たちを連れて来て放し、元気に鳴いたり歩き回ったりする様子を、嬉しそうに眺めていた。
鶏舎は、屋根に薄く雪が残っているものの、それ自体は補強してあったせいか、どこも壊れたりはしていないようだ。
そのことを確認して、士は裏庭へと向かう。瓢も一緒について来た。
「士ちゃん! 菜園の野菜が、枯れてしまったのだ!」
菜園の傍にしゃがみ込んでいた真央が、彼の姿に立ち上がって叫ぶ。士と瓢が足早に歩み寄って行ってみると、たしかに、野菜たちはどれもすっかりしなびてしまっている。
「防風ネットだけじゃ、雪の被害は防げなかったんだねぇ」
「だが、全滅したわけでもなさそうだ」
呟く瓢に言って、士は端の方を指さした。一見すると土に埋もれたようになっているその付近の野菜は、台風が来る前と同じ、みずみずしさを保っていた。どうやら、風で飛ばされた土がたまり、自然と防風壁になったらしい。
「本当なのだ! ……全滅じゃなくて、よかったのだ!」
真央がそれを見て、目を輝かせた。
ともあれ。
こうして猫鳴館は、嵐の夜をなんとか乗り切ったのである。
あたりには修理やあとかたずけに精を出す、寮生たちの明るい声と槌音が響くばかりであった――。
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あとがき
担当マスター:
織人文
ファンレターはマスターページから!
マスターの織人文です。
参加いただき、ありがとうございました。
読んでいただければわかるとおり、なんとか無事に台風の一夜を過ごすことができたようです。
ボロい建物なりに、補強された部分や新しくなった部分があったことなどが幸いしたようです。
というわけで、楽しんでいただければ幸いです。
それでは、またの機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月23日
参加申し込みの期限
2015年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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