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嵐の夜に、猫鳴館にて
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【3】
一方。
メアリに驚されて脱兎のごとく寮内を駆け回っていたガイは、綾花の部屋にいた。
その綾花の部屋の中は――。
どこもかしこも、猫だらけである。
当人が自負しているとおり、彼女は本当に猫に好かれやすい性質であるらしい。その上、猫たちの間には、何か情報網でもあるのだろうか。よくわからないが、雹が降り始めたあたりから、部屋の前に野良猫たちが集まり始め、やって来る猫を次々と部屋に上げていたら、こうなってしまったのだった。
「大丈夫だからね。怖くないよ」
吹雪が吹き荒れ始めてからは、綾花は猫たちをそっと撫でてやりながら、あやすようにそんな言葉をかけていた。
部屋はずっとガタガタ揺れたり、天井や壁がミシミシ鳴ったりと、今にも崩れそうなありさまで、彼女はラジオのニュースに耳を傾け、猫たちの鳴き声に癒されながら、台風が過ぎ去るまでなんとか建物が無事であるようにと、祈り続けていた。
そんなところに、ガイがやって来たのである。
部屋の前で派手にすっころんだその物音に、驚いてドアを開けた。
「助けてぇぇえ~! 知らない人に追いかけられて、逃げていたら、今度は別の知らない人に、エンカウンターって言われたのであるよ~」
途端にガイは、そんな綾花にとっては支離滅裂なことを叫びつつ、すがりついて来た。それで、驚きつつも、部屋に入れたというわけだ。
「……すごいのである。この猫は、なんなのにゃ? そなたが飼っているのか?」
部屋に入るなり、目を丸くしてガイは尋ねる。
「野良猫ちゃんたちです。……みんな、台風を逃れてやって来たんです」
「台風?」
答える綾花に、ガイは首をかしげた。しばし考え、ようやく思い出して、小さく手を打つ。
「そういえば、朝からそんなことを言っていたのであるにゃ。……爆睡していたら、うっかり忘れていたにゃ」
「のんきなんですね」
それを聞いて、綾花はくすくすと笑った。
「そ、そうかにゃ」
あははと笑って頭を掻いたガイの腹が、きゅるきゅる……と鳴る。おあ? と自分の腹部を見やるガイに、綾花はまた笑った。
「お腹が空いているみたいですね。……おにぎり、食べませんか? お茶もありますよ」
言って彼女は、ラップにくるんだおにぎりの乗った皿を勧め、水筒からカップにお茶を注いでガイの方に差し出す。
「いただきますである」
おにぎりを見るなり言って、ガイは一つを手に取った。食べ物を目にして、ひどく空腹だと自覚したのだ。ラップをはがすのももどかしく、はぐはぐと口に運ぶ。
綾花が、そんな彼女を見やって、自分も食べようとおにぎりに手を伸ばしかけた時。ドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
答えて立って行くと、ドアの外には吾妻が立っていた。
「すまない。ここに――」
言いかけて、ドアの向こうにガイの姿を見つけ、彼は声を上げる。
「シロネコ! お前、こんな所に……! 綾辻、すまん!」
一言詫びるなり、彼は綾花を押しのけるようにして、部屋の中へと駆け込んだ。おにぎりを手にしたまま、固まっているガイに駆け寄るなり、プリントを突きつける。
「受け取れよ、ほら! 担任からだ!」
「……ん」
プリントを受け取り、それを見やってから、まじまじと吾妻を改めて見つめた。
「なんだよ?」
顔をしかめて問う吾妻に、彼女は首をかしげて問い返す。
「吾妻、なんでここにいるのにゃ?」
「な……っ!」
一瞬、息を飲んだ吾妻は、そのままその場にへたり込んだ。
「吾妻?」
怪訝そうなガイに、吾妻は大きく深い溜息をつくと、ようやく顔を上げた。
「お前なあ……。俺が、どんだけ……!」
言いかけて、彼は再び溜息をつくと、「メンドくせぇ……」と呟く。
言いたいことは、山ほどあった。
台風が来る日に、こんな今にも壊れそうな建物にわざわざ届けものをしにやって来て、寝ぼけて逃げ回る友人と追いかけっこを続けたあげく、家に戻れなくなった。
クラスメートからは修繕の手伝いをさせられ、ようやく放免されて再びガイのあとを追ったと思えば、またもや寮内の補強に当たっている二人組につかまった。
例によって、壊したのは逃げるのに夢中で壁や窓にぶち当たったガイなのだが、彼女はさっさと逃げ出し、残された彼の方が睨まれるハメになった。
「……ほう、面白いことをするね。――いい度胸だ」
両手をボキボキと鳴らしながら歩み寄って来る相手の目は、「簀巻きにして門に吊るすよ」と言っているように見えた。
むろん吾妻は、脱兎のごとく逃げ出した。
だが、めちゃくちゃに走ったせいで、ガイだけでなく道まで見失い、ようやく玄関まで戻って来れたと思えば、今度は強面の上級生に睨まれ――それでもようやく、ガイを見つけたと思ったのも束の間、この部屋の周辺で見失った。
それで、あたりの部屋を手当たり次第にノックして、ガイのことを尋ねてみようと考えたのだ。いくつかは、鍵がかかっていたが、幸いにもこの部屋には人がいて、求める相手も見つけられた。
だが、そうしたことを思い返すうち、説明するのが面倒になったのである。
それにどっちみち。
(この馬鹿ネコは、説明したところで、理解しねぇぞ。たぶん)
胸に呟き、そういう奴だと溜息をつく。
そんな彼に、綾花が声をかけた。
「あの……事情はわかりませんけど、優くんも一緒に、おにぎりどうですか?」
「あ? ああ……」
ふり返ってうなずき、そういえば、ずうっと走り回っていて腹が減っているかもしれないと思い出す。思い出したら、本当にひどく空腹だったと気づいた。
そんな彼に、綾花はおにぎりを差し出す。
「今、お茶を入れますね」
言って、水筒からカップにお茶を注ぐ彼女を、彼はただぼんやりと見つめるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月23日
参加申し込みの期限
2015年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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