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寝子島シーサイドアウトレット オータムフェスタ
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【構図とモチーフ】
シーサイドアウトレットの中央を貫くように伸びる通りを、左右に立ち並ぶ店舗へぼんやりと視線を巡らせながら、一人歩き。
自宅のクローゼットにいくつもある秋服の中から適当なものを引っ張り出してきて、人波ひしめくオータムフェスタへ。何となく、今日はそんな気分だったのです。
物憂げな面持ちで歩く
朝鳥 さゆる
を、周囲を行き交う人々は、どう見ているでしょうか?
一見すれば二十歳前後の美人が一人、手持ち無沙汰な様子でぶらついていれば、ちらほらと興味深そうな目を向けてくる男たちもありました。実際、幾人かに声をかけられたりもしました……今日はそのために来たわけでは無いので、適当にあしらい、追い払ってしまいましたけれど。
いいえ。彼らはみな、さゆるを見てはいませんでした。彼らが見ているのは、いつだって彼女の端正な顔立ちであり、その身体であり、彼女の表層に過ぎないのです。
15歳の一人の女の子のことなど、結局のところ、誰も見てはいないのです。
道行く人と幾度も、ぎりぎりのところですれ違うたび、さゆるは、
(失敗……だったかな。今日は)
そんな風に思います。見慣れた夜の街の騒がしさとはまた違った、明るくて真っ直ぐな昼間の喧騒は、どうにも、肌に合わないようです。
そんな煩わしさもあり、人混みの切れ目から見えた『ニャレッジヴァンガード』は、丁度良い避難場所のようにも思えました。
するりと流れを抜け出し、店内へと足を踏み入れれば、色彩鮮やか。多種多様、美術品めいた美しいオブジェやら、アニメのようなキャラクターがプリントされたカップにソーサーに、ポップでビビッドなアクセサリーの類に……心躍るような遊び心にあふれた空間が、さゆるを出迎えます。
(へえ、面白いわね……)
目に付いたものを手に取り、眺めては戻し。手に取って、表情を変えないままに眺めて、戻します。興味を惹かれつつ、どれも、購入するつもりはありません。
さゆる一人には広すぎる自宅には、いくらでもこういったものを置けるスペースはありました。また、そんなものを買いあさるには十分すぎる程のお金も。
けれど、たとえ、そう……このあたたかい光を灯すランプを買って帰ったとして、デスクの空きスペースへと置き、暗がりに灯してみたとして。それがどれほど、自分の心を埋めてくれるだろうか? 慰めてくれるだろうか?
そんなことにはさしたる意味は無いのだと、さゆるにはどうしても、そう思えてしまうのです。
雑貨を陳列する一角を抜けると、書籍コーナーが広がります。
世界中の美しい風景を集めた写真集。孤独に生きた画家が故郷の街並みを描いた画集。いくつか手に取って、ぱらぱらと何とはなしにページをめくり……やはり、書棚へと戻します。
これらを買ってみたところで。自宅に持ち帰り、ひとり眺めてみたところで。
(……? これは……)
しばらくそうして、無為な時間を潰すうち。ふと、一冊の本がさゆるの目を惹きました。
手に取ってみると、海外の女性作家が綴った、子供向けの絵本のようです。表紙には、一人の少女が手前へ向かって腕を広げる様子が、抽象的な画風で描かれています。
裏表紙には、たくさんの子供たち。
しばし眺めて、さゆるは、それを購入しました。
遅めの昼食に、『ハングリーキャット』のサンマ定食を、どこかぼんやりとしながら、もそもそと頬張ります。
フードコートに並んだテーブルセットはほとんど満員状態で、多くの人々がほっと一息。談笑したり、どこかのお店で買ってきた品を広げて確かめ合ったり。中には、さゆると同年代の少年少女たちの姿も、多く見られました。
けれどさゆるは、彼らを一瞥したのみで、さしたる興味も無さそうに、目の前の一人がけのテーブルへ視線を落とします。
サンマ定食のトレイの横に、先ほど買った絵本。箸を口へ運ぶ傍らで、ぱらぱらと、何とはなしにページをめくります。
それは、一人のまだ幼い少女が突然に両親を亡くし、たった一人で過酷な世界を生き延びながら旅をする、冒険物語。
大好きなパパとママ、住み慣れた家を、災害によって一度に失くした少女は、両親がプレゼントしてくれたぬいぐるみを片手に、あちこちを放浪します。少女を取り巻く世界は残酷で、彼女に対して決して優しくはありません。何度も何度も危険な目に遭い、いくつか怪我もして。ぼろぼろになりながらも、少女は当て所なく旅を続けます。
ある時少女は、とある親切な女の子に出会います。窮地を救ってくれた女の子は、健やかで真っ直ぐで、強くてたくましくて、そして孤独でした。少女と同じように。
その後も少女は、危険に直面するたび、壁にぶつかるたび、立ち向かうたび。友達になった女の子や、そして次々に現れる孤独な子供たちと出会い、助け合い、そして切り抜けていきます。
山を越え、川を渡り、湖を横切り平原を通り抜ける頃には、いつしか少女は、たくさんの仲間たちに囲まれていました。
彼らは手を取りながら旅を続け、やがて最後には、たどり着くのです。彼女らと同じ、ひとりぼっちの子供たちが寄り添い合って築き上げた、子供だけの王国へ。
きらきらと輝くおもちゃたち。甘くて美味しい、山ほどのお菓子。綺麗な家に、立派なベッド、あたたかい毛布。二人を出迎える、優しい子供たち。
(少女は、大好きなお友達に囲まれながら、楽しく暮らしていきました……)
ぱたん、と、さゆるは絵本を閉じました。
そして、考えます。絵本の中の少女と自分の違いは、どこにあったのだろうか、と。
旅を経て、少女は多くの仲間を得たけれど……さゆるの周りには、誰もいません。
見回せば、そう。たくさんの通行人と、時折こちらへ好奇の目を向ける男たち、同年代らしき名も知らない少年少女……喧騒の中、けれど一人でサンマ定食をつつきながら、えもいわれぬ物寂しさに浸っている自分の周りには、誰もいないのです。
さゆるは、気付きました。何をするでも、どこにいるでも、いつだって、
「結局……あたしひとり、か……」
途方も無く、どうしようもなく、自分が、一人ぼっちだということに。
自嘲するような響きのつぶやきを漏らしてから、さゆるは絵本を片付けて、味気ない昼食を済ませました。
……けれど。
胸を締め付ける寂寥感に目を伏せたさゆるは、知りませんでした。気付いてはいませんでした。
その場の人々と、いつの間にか、知らないままに、気付かないままに。彼女が、関わりを持っていたことを。
「あの……旅鴉さん? そろそろ、着替えてはいけませんか?」
「まだまだ。しっかりと、細部まで描き残しておきたいからね」
フードコートで一休み。気まぐれで取り出したスケッチブックへさらさらとペンを走らせる、
旅鴉 月詠
。白いページの真ん中へと見る間に描き出されていくのは、ロリィタ・ファッションが様になっている、
常闇 月
の姿です。
「スースーとして、恥ずかしいのですが……何だかじろじろと、見られているようですし」
「ユエが可愛いからだよ」
軽口で応対しつつも、さらさら、さらり。月の晴れ姿を見事に描き切った月詠は、そのまま手を止めず、描き続けます。その場に居合わせた人々は、見たままに。印象深くもちらりと見かけたのみの人々は、まだ色褪せない記憶を取り出しながら。
二人席で向かい合い、今日に見た素敵な小物たちについての話に花を咲かせる、
荒井 景貴
と
紅林 柳霞
の笑顔を。
何だか疲れた顔ながら、月詠とふと目があった途端、照れたようにはにかんだ
津島 直治
を。
大漁の戦利品を両手一杯に抱えつつ、更なる獲物を求めて駆けていく、賑やかな
真境名 アリサ
と、彼女に張り合うような
三宅 ゆり
の姿を。
買い物帰りらしき友人たちと、その連れの人々。
御剣 刀
と
小山内 海
、
夕鈴 翼
が談笑する様子を。
桜庭 円
と
桜庭 弓弦
の独創的な姉妹と、二人に挟まれながら楽しそうな
ブリジット・アーチャー
を。どこかバツの悪そうな苦笑いを浮かべた
笠原 ひびき
と、上品でにこやかな
北条 冬華
の笑みを。
桐島 義弘
先生と並んで歩きながら、幸せいっぱい、満面の笑みを浮かべる
宮祀 智瑜
を。
他愛の無い雑談に、可笑しげに笑い合う二人。互いを理解しあっているような、自然な表情の
諸星 譲
と
詠坂 紫蓮
を。
「うわぁ……! これが音羽的な? 可愛く描いてくれてありがとーって感じぃ♪」
「さすがだな。この短時間で、ここまで精緻に描き切るとは」
横合いから覗き込んだ二人。静かな表情で毛糸を編む、
竹内 音羽
を。子猫の写真集をめくりながら、柔らかく微笑む
八神 修
を。
「……ふむ」
そして。瞬く間に華やかになったスケッチブックを眺めて、月詠は少し小首を傾げ、思案すると……ペンをさらりともうひと走り、どこか神秘的にも思える佇まいの彼女の姿を、描き入れました。
広げた絵本へと瞳を落とす……寂しそうな、さゆるの横顔を。
最後に、フードコートの店舗や看板などの小物を背景に。丁度通りがかり、こちらへ向かってひらひらと手を振った
寝子 サンマ
さんを付け加えれば、
「うん。なかなか良い出来だ」
「終わりましたか? それでは、もう着替えても良いですよね?」
「まだまだ。今日一日はそのままで」
「えっ」
「何事も慣れだよ、慣れ」
ばっさりと言ってのけてから、月詠はテーブルの上で放置されていたハンバーガーのことを思い出し、ひと口、ぱくり。
「うん。たまにはこんな日も、悪くは無いな」
いつものクールな顔のまま、けれどどこか満足そうに、うんうん。うなずきました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『寝子島シーサイドアウトレット オータムフェスタ』のリアクションをお届けいたします~。
シーサイドアウトレットでのお買い物、楽しんでいただけましたでしょうか? お友達同士でわいわいと、あるいはカップルさんでゆったりと……過ごし方も様々ですけれど、何かしら思い出に残る一日になっていたら良いなーっと思います。
今回は色々と、ネコジマライクなブランドやお店を考えたり、皆さんの考えたオリジナルネームから拝借したりしつつ、並べてみたらこれが賑やかで、楽しかったです。
ファッションについて調べ物をしていたら、いつの間にかネットショップを真剣な顔して眺めてたりもしまして……特に、ロリータ・ファッションってすごいなぁ。可愛いやら美しいやらで、ついつい見入ってしまいました。
こういった何気ない日常を綴るシナリオも、墨谷は大好きでして。
また違った形のまったりほんわかシナリオも、この先出していけたら良いなぁと思っております。
それでは今回も、ご参加ありがとうございました!
またの機会にぜひお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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墨谷幽
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ブロンズシナリオ(100)
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3人まで
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日常
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月24日
参加申し込みの期限
2015年01月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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