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【雨降りのあとは】
この間は失敗したなぁ……と、
諸星 譲
は肩を落とします。
親しいあの子の前で、ふいに晒してしまった醜態、と、少なくとも彼自身はそう思っていました。カッコ悪いとこ、見られちゃったなぁと。
(……油断してたよなぁ……)
蘇ってきた過去、懐かしい思い出に触れて、思わずこぼしてしまった涙。それを、真正面から見られてしまったこと。
未だ消えやらぬ、握り締めた拳を包み込んでくれたあの温もり。あの子の優しさにすがるしか無かった、情けない自分。
(っと、いかんいかん!)
ぶぶぶんっと頭を振って、譲は気持ちを切り替えようと無理やり、口の端をぐいっ。いつもの笑みを浮かべて見せます。
今日、この寝子島シーサイドアウトレットへとやってきたのは、気分転換のため。あの日から、どうにも狂いっぱなしの調子を戻すべく、外の空気を吸いに来たわけなのですから。
(よし、そうと決まれば……)
「……譲にいさん?」
ひとまずどの店でもいいから入って、気を紛らわせよう、なんて考えていたところへ、後ろからかけられた声。
ざわつく胸を押し隠すように、いつもより二割り増しくらいの笑顔を作ってから、譲は振り向きました。
「や、奇遇だねー紫蓮ちゃん! びっくりしたよ。買い物かな?」
「あ、うん。えっと、その、気分転換に……」
はっとした表情で、ふいと視線を反らした、
詠坂 紫蓮
。あれから何となく、顔を合わせづらいと思っていたのは、彼女も同じだったのかも知れません。
言葉が続かず、しばし、流れる沈黙。がやがやと通り過ぎる客たちの他愛の無い談笑が、ひどく騒がしく思えて。
譲は再び、ぶんっぶんっと大きく頭を振ると、努めて明るい声で、
「あー。ねえ紫蓮ちゃん、何か買いに来たんだよね? 俺、付き合うよ。ほら、荷物持ち!」
「え? あ、でも、その」
「女の子の買い物には、必要でしょ? 遠慮しなくていいからさ。さ、行こう行こう!」
ちょっぴり強引なお誘いに、けれど紫蓮も、断るわけでもなく。少し笑って、こくんとうなずいてくれました。
「ん……分かった。お願いね、譲にいさん」
「まーかせて!」
とんと胸を叩いて、歩き出します。
やっぱりちょっと、気まずいけれど。まだまだ、割り切れていないところはあるけれど。
(いつまでも、引きずってるわけにも行かないから……)
彼女の前では、いつだって、カッコいいお兄さんでいたいのです。
混雑を避けて『ネコスケ』に入ると、ゆっくりと店内を見て回りながら、良品を探します。
「紫蓮ちゃん、これなんかどう?」
「あ、素敵ね、その赤いコート。でも持ってる服と、ちょっと合わないかも……」
「なるほど、それじゃあ……こっちのカーディガンとパンツを合わせて、シューズはあっちのあれを……」
ぱ、ぱ、ぱぱっ。譲は、手に取った商品を次々に紫蓮へと宛がい、ふむん、と思案。
「えっと、あの……譲にいさんが、見立ててくれるの?」
「あ、ごめん、嫌だった?」
「ううん、そうじゃないけど」
カメラマンとしての譲の目、それに美大にも通う彼のセンスは、これがなかなか秀逸。瞬く間に選び出してくれたコーディネートは、紫蓮の目から見ても、自分にピッタリ! そう思えました。
けれど、それだけでは無いようで。
「……うん。嫌じゃ、ない。嬉しい……」
ぽそり、つぶやいた紫蓮。楽しそうに彼が服を選んでくれていること自体が、どうやら彼女は、嬉しかったようで。
「えっ? ごめん、良く聞こえな」
「なっ何でもない! そ、それじゃお願いね、譲にいさん!」
「OK、じゃ、任せてよ!」
譲にしたって、紫蓮をより素晴らしく輝かせてあげようと思えば、俄然やる気がみなぎってくるのです。
「そうだね、やっぱり紫蓮ちゃんは、赤が似合うから……うん、これとこれ、これを合わせて……あ、あっちのあれとか、あれもいいね。よし、全部試そうか!」
「お、お手柔らかに……」
譲にいさんプロデュースによる、紫蓮のファッションショーは、しばらく続きました。
「ありがとう、譲にいさん……買ってもらっちゃって。大事にするね」
「いいんだよ、そのくらい。うん、やっぱり紫蓮ちゃんは、赤だね。鮮やかで、綺麗で……瞳の色と一緒だ」
(……もう。さらっとそういうこと、言うんだから)
紫蓮は、譲が買ってくれた新しい服を着て、『starboxs』でしばしの休憩。
薄手で軽いツイードの赤いジャンパースカートに、シックな黒のタートルネックのワンピース。黒のタイツに、ブラウンの編み上げロングブーツで、完璧! さすがの譲のコーディネートです。
服はもちろん、とっても気に入ったのですけれど……何より紫蓮が嬉しかったのは、それらを選んでくれている間、そして今も彼の表情を明るくしている、その笑顔。
(やっぱり落ち込んでたものね、譲にいさん……それに、私も……)
紫蓮もまた、このところ何度と無く脳裏へ浮かんでくるのは、あの時。譲のこぼした、あの涙でした。
紫蓮はそのたび、自分の中に芽生えた気持ちを思い出して、沈みがちだったのです。
確かに自分の内から浮かび上がってきた、あの暗い気持ちを。
(私、あの時……)
「ええと、その。この間は、ごめん」
ふいに。譲がそう言って、紫蓮ははっとして、顔を上げました。
「カッコ悪いところ見せちゃったよね、あはは。我ながら、情けないやら恥ずかしいやらで……」
「そ、そんなこと!」
少し声を荒げてしまって、周りの視線がにわかに集まったのに気付いて、紫蓮は声を潜めて。
「……そんなこと」
「でもね。それでも、良かった、って思ったんだ」
「え?」
紫蓮を真っ直ぐに見つめて、笑いながら、譲は言いました。
「あの時一緒にいてくれたのが、紫蓮ちゃんで……良かった、って」
譲は目を細めて、いつかの光景を思い出すかのように、微笑んで。
「すごく、安心した。握ってくれた手が、あたたかくて……頼もしくて。紫蓮ちゃんがいてくれて、良かった……心から、そう思ったんだ」
はっきりとした理由があったわけでは、ありませんでした。ただ、あの時紫蓮は、そうしなきゃと思ったのです。譲のために、自分に出来ることがこの瞬間にあるのなら、これしかないと。手を伸ばし、譲のそれへと重ねたのです。
そして、同時に……思ったのです。
嬉しい、と。
いつも明るくて、優しくて、強い意志を持っている彼が、弱みを見せてくれることを。自分だけが今、彼のそんな姿を見ているのだという優越感を。確かに紫蓮はあの時、感じていたのです。
「……私も……ごめん」
だから。
怪訝そうに、心配そうに首を傾げた譲へ、紫蓮は、打ち明けました。あの時の気持ちを。
彼と同じように、正直に。
「私、嬉しかったの。でも後から、私って嫌な子だなあって、思っちゃって。だから……なんだかこの頃、会い辛かったの」
「……紫蓮ちゃん」
それ以上は、何も言わず。
譲はそっと、きゅっと握り込んだ紫蓮の小さな拳の上へ、そっと包み込むように、手のひらを乗せて。
お互いごめんなさい、で仲直り。きっと明日からは、今までどおりの二人に戻っているはず。
譲の照れたような笑い顔に、胸の中へとわだかまったものがすうっと溶けていくのを、紫蓮は確かに感じました。
二人はその後、一つの約束を交わしました。
「せっかく買ってもらったんだもん。これを来て、またどこか……お出かけしようね、譲にいさん」
「もちろん。その時は、君の写真を撮るよ。最高に可愛い、最高の笑顔の瞬間をね!」
きっとそう遠くない日に、果たされることになるのでしょう。二人だけの、約束を。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月24日
参加申し込みの期限
2015年01月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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