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危機一髪!
維都月 怜
は走りました。オーダーメイドのタイトなスーツ姿で、猫を胸に抱えて走りました。
本当に危機一髪!
怜が娘の元に顔を出すのがあと一分遅ければ、悪夢のような惨劇が繰り広げられていたに違いない。
ふっと怜が半ば気まぐれで、娘の様子を見に来たとき、なんと娘は猫のノインを抱いたまま、「猫を、洗う……?」と言って洗濯機をみつめていたのです。
いやマジで危機一髪!
これに気づくや怜は無言で娘から猫を奪い取ると、アキレウスもかくやの全力疾走で、外へ飛び出したのです。
「……いくら私でも
『猫は洗濯機で洗うものではない』
ことくらいは知っている!」
走れ走れと怜は走りました。
ガードレールを跳び越え子供や老人をたくみにかわし、階段を一気に飛び降り坂道を全力で駆け上がり疾風のように、走りに走りに走ったです。
とうとう息が切れて彼が我に返ったとき、そこは星ヶ丘でした。
陸上選手なみの力走だったと思います。よくもまあ、走りにくいスーツでここまでできたものです。当然、怜は肩で激しく息をしていました。外見は二十代後半といっても通じる彼ですが、実際は高校生の娘をもつ父親、そんなに若くありません。
「海……だな」
怜は呟きました。
青い海が見えます。汗ばんだ首筋に、潮風が心地良い。
娘が追ってくる様子がありませんでした。いやそもそも、最初から追いかけてこなかった気がします。それでどうしてここまで全力ダッシュで来てしまったのか……まあ、深く考えるのはやめておきましょう。
腕の中のノインが、くねくねと身じろぎしました。どうも、ずっと抱っこされているのは嫌と言いたいようです。
「しかし……」
「にゃあ」
猫の鳴き声がしました。
けれどもそれは、怜が抱いている猫ではありませんでした。
「うん……?」
目を転じると一匹の猫が、ノインと怜とを見ていました。
「あっ」
彼の手が緩んだの気づくや、ノインは身をよじって手を抜け出し、その猫のもとに走って行ったのです。
どうもノインとその猫は知り合いのようで、互いの匂いを嗅ぎ合ったりして挨拶をかわしている様子でした。
「ノインじゃないか。どうした。維都月は一緒じゃないのか?」
声がしました。物陰から一人、利発そうな少年が現れてノインの頭に手を乗せます。少年は袖をまくっており、腕がしとどに濡れていました。服にも水滴が染みを作っています。
「ああ、ええと……」
怜は多少気後れしつつ声をかけます。
「少年、ノインを知っているのか?」
これが維都月怜と、
八神 修
の出会いでした。
二人は八神家の庭で立ち話をしています。
「……そうか、君が八神くんだったか。話は娘から聞いているよ」
「よろしくお願いします。維都月……お嬢さんは俺の大切な友人なんです」
それから、と修はタイガを抱いて、
「こっちの猫はタイガと言って、ノインと同じ日にコンビニのそばで拾ったんです」
「そのときもう一匹いた猫はひまわりと名付けられて、鷹取さんっていう別の先輩が育ててるんですよ」
それにしても若い、と修は改めて怜を見て思います。正直、彼女の父親ではなく兄だといっても通るでしょう。
一方で怜も、修を見て内心舌を巻くのでした。頭が良さそうなだけではなく、紳士然たる物腰です。変にへりくだることはありませんが尊大でもなく、好感が持てます。これは親の育て方が、よほどしっかりしていたに違いない。
このままノインを連れて帰ってもいいのですが……怜は修の足元を見て、思い切って言いました。
「少年、猫の洗い方は知っているか?」
水道のそばには水を張ったバケツ、泡のついたスポンジに犬用猫用のシャンプーがそれぞれ置かれていたのです。
「もちろんです。発端はノインを洗う話でしたね……任せて下さい」
「いや……自分でやりたい。教えてもらえればいいんだ。娘と……」
言いかけて、怜は少しためらいましたが最後まで言うことにしました。
「娘と、話すきっかけになると思うから」
「喜んで」
修はそれ以上言いませんでした。
猫は水を嫌がるものですが、不思議と修の手に掛かると、タイガもノインもおとなしくシャンプーの泡に包まれ、すすがれてきれいになりました。こわごわやってみた怜も、なんとかこなすことができたのです。
充電式のドライヤーが暖まるのを待ちながら、怜は世間話のような口調で……つまり、それほど深刻にならないよう注意しながら尋ねました。
「普段はあれはどのようなことをしてすごしているのだろうか?」
不安は見せないようにしたつもりですが、かすかに、それこそ蝶の翅程度に語尾は震えていました。
男親にとって娘は解けないの謎です。娘から見ても、同じでしょう。
すると修は、穏やかに笑ったのです。
「お嬢さんは明るくて優しい女性ですよ。実は同じ部活なんです」
「というと……」
「射撃部です」
「あ、ああ、そうだったな」
「この前も体育祭の部対抗レースに出てくれました」
レースのことを思い出すと、修の口元は綻びます。あれはいい思い出になりました。
「学力に関しては心配していないが、学校ではどうだろうか?」
と口では言うものの、あきらかに心配が全面に出た怜の口調です。修は気づかぬふりをしながら、
「成績が悪すぎるということはないですよ」
と言っておきました。
「心配なら塾か家庭教師……ですかね。なんなら俺が教えますよ」
「そうか……うん」
まさかとは思っていましたが、やはり彼女の成績はかんばしくないようです。そればかりか、人から必死に教わりつつ今四苦八苦しているということすら、修の言葉から伝わってきました。
「親が言うべきではないのだろうが……すまない。よろしく頼む」
逆に、修の成績は良さそうです。それは彼の口調からもわかります。
「娘のことは、わからないものだな……」
つい、ぽつりと本音が出てしまいました。修は、押しつけがましくないよう気をつけながら言います。
「その年頃の女の子の考えは俺にも分からないですよ。女性は永遠の神秘なんです」
――恋をしている……のだろうか。
ふと怜は思いました。修には想い人がいるのではないかと。
思いの届かない……いえ、届いているのかどうか、わからない相手が。
そしてそれは、怜の娘ではないようです。……怜はそのことを残念に思うべきか、安堵すべきかわかりませんでした。
話題を変えるべく、彼は少年に言いました。
「そういえば八神くんは一人暮らしなのか。……答えにくければ構わないが、八神くんのご両親との仲はどうなのだろうか?」
修は笑顔で答えます。
「俺ですか? 両親との仲は悪くはないですよ。こうしてひとり暮らしも許してもらえているし、信頼できる使用人もつけてくれているので感謝してます。たまに会う程度ですね……『独り立ち』ってそういうことなんじゃないですか」
その口調は本心なのか、本心だとしても、あまりに理想的な回答すぎやしないか、そんなことを怜は漠然と思いました。反感は抱きませんでした。ただ、難しいものだな……、と思っただけでした。
いつの間にか、ドライヤーがけも終わっています。
暇乞いすべく、怜は立ち上がりました。
「色々と教えられたな。また機会があれば」
「はい。それでは、いつかまた」
修の庭を出て坂道を、怜は下っていきました。
今度は、ゆっくりと歩いて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月29日
参加申し込みの期限
2015年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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