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秋のお山でのほほんほん
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春彦と修の秋
九夜山も秋である。
柔らかい日差しの注ぐ山道を、
楢木 春彦
は情報誌を片手に歩いていた。
「九夜山は実りの秋。この季節はたくさんの木の実を堪能できる、か……。あけびは見つけたらラッキーだなぁ。サルナシも甘酸っぱくてイイけど、俺、ヤマボウシも甘くて好きなんだよなー。んー、でも、きのこ類はなんかヤバそーだから全パスっと……ん?」
春彦は山道を行く人影を見つけた。見覚えのある人影だ。
「おーっす。たしか八神だっけか?」
「……ん? ああ、楢木か。体育祭実行委員会ぶりだな」
八神 修
は振り返ると、微笑を浮かべた。
「オマエも散歩かナンカか?」
「ん、ああ……まぁ秋だしな。何か秋らしいものでも見れるかと思って。ま、それだけじゃないけどな。その……体育祭も近いから、さ」
「あん? 体育祭……?」
本当は体力強化が一番の目的なのだが、隠れてこんなことをしているのを知られるのは、どうも決まりが悪い。
「……? おい、見ろよ、八神。あそこ……あの紫のやつってまさかっ!?」
「おい、道から離れるな。林の中に入って……どこ行くんだ?」
道なき道をずんずん進む春彦を追いかける。
けれど、山歩きになれない修は、あちこちに枝が引っかかって四苦八苦。
ようやく彼の元に追いつくと、春彦はあけびを手にうっとりと見つめていた。
「! ああ、あけびか……!」
思いがけない秋の贈り物に、表情もほころぶ。
修は持ってきたデジカメであけびの木を撮った。秋らしいものにさっそく出会えた。
「なってるのを山で見るのは初めてだよ……食べごろだといいけどな」
実を割いて、白い果肉を頬張る。ほのかな甘さが口いっぱいに広がった。
「ああ、これこれ……ここまで歩いて疲れた身体に優しいな、この感じ……」
「……うん。程よく熟してるな。生のアケビは久しぶりだ」
「生の? アケビって生以外だとどんなふうに料理すんだ?」
「例えば、肉詰めとか天麩羅とかかな……。アケビ酒なんてものもあるが、まあ、味を確かめるのは大人になってからだ」
「へぇ、よく知ってんな」
「ちなみに、アケビは『通草』と書く。その理由は中に空洞が有るからで……」
体力にも山歩きにも不安しかないが、知識は豊富だ。
山には他にも実りがある。
サルナシ、アキグミ、ヤマボウシ……秋らしいものを見つけるたび、修は写真に秋を収め、春彦は胃袋に秋を収める。
例えば、サルナシの実。春彦は熟した小さな実を指で軽く縦に潰して舐める。
「ナシっつーケドどっちかっつーとキウィっぽい味だよなー……あ、八神も食ってみっか?」
「ああ、もらうよ。……うん、美味しい。あっちになってるのは……アキグミだったか」
「ん? ああ、アレはやめとけ、生で食ってもあんまウマくねーんだよ。あれって薬かなんかにいーんだっけか?」
「薬用植物だからな。咳止めの効能があるそうだよ。……まあ、味は自分で確かめてみるのが一番だ。ひとつ、もらおうか」
写真を撮ってから、実をひとつもぐ。
口に頬張ると、むっと眉間にしわが集まった。
「うわ……タンニン渋っ!」
「ははっ、だから言っただろー?」
修はぺっと吐き出し、唇を拭う。
「な、何事も自分で経験しないとな。それに味はともかく、リコピンは豊富だぞ。トマトの10倍以上と言われてるんだ」
「へぇ、いろいろ知ってんだなー。……まあ、自分で経験すんのはいいけど、きのこはマジ見るだけにしといたほうがいいぜ?」
「ああ、わかってるよ。あれなんて、どう見ても毒だしな」
湿った木の根元には、カラフルなきのこの一群が傘を開いている。
「でも、綺麗な色だな。まるで絵の具で塗ったような鮮やかな色だ……食べることはできなくても、これも立派な秋のひとつさ」
修はまた一枚、秋を写真に収めた。
「これも秋か……。…………。……!?」
「……? 明後日の方を見てどうした? また何か見つけたのか?」
「おい、アレって……」
青い顔で指差すその先に、異様なものがあった。
林の奥の薄暗がりで、髪の長い少女が白い肌をあられもなく晒して、ゆらゆらと奇妙な動きをしている。
その不気味な姿に、ふたりは「ヒッ!」と声を上げ、一目散にその場を離れた。
「な、なんだ、今の……? 妖怪か?」
「わ、わからない……」
ふたりの他にも、山には何かがいるようだ……。
それから、意気投合したふたりは、一緒に山を散策することにした。
……が、知識量に反比例して体力は雀の涙の修である。好奇心の赴くままあちらこちらに行ってしまう春彦についていくので精一杯。なんなら、ついていけてない。
「悪い……一寸タンマ」
「……ん? わっ。息上がってっけど大丈夫かよ? ちっと休憩いれっか?」
「あ……ああ、ぜひとも頼む」
「ホント体力ねぇんだなぁ……。おお、ちょうどいい。あっちにベンチがあるぜ」
山の中程に設けられた休憩所のようだ。ベンチに腰を下ろした修は、肩を上下させる。
——こんなにすぐ体力が尽きるとは、まったく不甲斐ないな……。
わかってはいたことだが、あらためて己の体力のなさを痛感した。
「おっ、絶景絶景。いい眺めだ。あ、あそこ寝子高っぽいなー」
隣では、春彦が町の景色を写メで撮っている。
「……ほら、八神も俯いてねーで見てみろよ」
「……絶景? ……!?」
目の前には、寝子島の町が広がっていた。息を整えるのに必死で気づかなかったが、この休憩所は見晴らしがよく、眼下に町を一望することができた。
——こんな場所まで登ってきたのか。楢木に振り回されてる間に……気づかなかったな。
自分が思うほど、体力があるわけではないが……自分が思うほど、体力がないわけでもないらしい。
——いや、これは……楢木のおかげかもしれないな。ひとりなら、もっと早くへばっていたと思う。
日が傾き始める時間。麓に向かうロープウェーに、春彦と修の姿があった。
今日はたくさんの秋に出会えた。
修は撮った写真を眺めながら——今日は楽しかったな——と1日を振り返る。
——けど疲れた。すごく疲れた。オーバーペースだった。楢木にはいろいろ迷惑をかけてしまったな……。
そんなことを思いながら、修は大きなあくびをした。
「……疲労のせいか、眠気が……ふわああ……」
「オイ、寝たら置いて帰んぞー?」
春彦は肘で軽く突いた。
「置いていかれると困……る。…………」
「……って、寝てんじゃねーかよ、ったく……」
やれやれ、と肩をすくめる。
——でも、ま……体力ねーのに頑張ったよな。まぁ少しぐらい寝かしてやるとすっか。
すうすうと息を立てる修に、春彦は目を細めた。
「……ん? なんか腕が引っかかると思えば……ははっ、コイツ、置いてかれないように、俺の服の裾握って寝てやがる。しっかりしてるぜ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
梅村象山
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月31日
参加申し込みの期限
2015年01月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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