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秋のお山でのほほんほん
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天吏と時子の秋
——ヒヨドリさん、見つけた……。
伸びた枝にとまったヒヨドリを見つけ、
大天使 天吏
は驚かさないように望遠レンズ付きのカメラのシャッターを切った。
背中には、ポータブルGPS、水分補給用の水筒と飴、タオルなんかが入ったかなりゴツいリュック。格好も、女子高生が着るには少し渋めの、実用性重視の登山用ウェアにトレッキングシューズを合わせている。野鳥観察に行く際に使っている彼女の定番装備なので、扱いも慣れたものだ。
山の地図を広げて道を確認すると、軽々とした足取りで、小川に沿った山道を進んでいく。
——あ、ゴジュウカラさん。元気そうね。ごはん、食べてるところかしら……。
——ノビタキさんもいる。枝の間に隠れてないで、可愛らしい顔、見せてほしいな。
——ツグミさんはドングリ、好きなのね。秋は食べ物がたくさんあってうれしそう……。
鳥達の写真を撮り、時間と鳥の名前、見た場所をGPS情報と合わせてメモをとっていく。
自分なりの野鳥分布図を作るのが彼女の楽しみなのだ。
順調にデータが集まり、次のポイントに移ろうとしたそのときだった。
「とりゃああああああーーーっ!!」
気合いの雄叫びとともに、頭の上を何か黒い影が通り過ぎた。
——鳥? でも、聞いたことのない鳴き声ね。なんだか大きかったし……。
咄嗟に撮った写真を、カメラの液晶画面で確認する。
しかし、逆光とピンボケのため、その正体はよくわからなかった。
——新種の鳥かも……。この島なら、知らない鳥がいても不思議じゃないわ。
メモに『とりゃあ鳥』とペンを走らせた。
大分、歩いて……もう時間はお昼だろうか。天吏は見晴らしのいいコスモスの咲く野で、お弁当にすることにした。
水と飴で簡単に栄養補給。あまり食べ物には興味がないのだ。
ぼーっと近くに来る鳥を観察しながら、休んでいると、不意に声をかけられた。
「? そんなところで何をしてるの?」
声をかけてきたのは、アリサだ。収穫を終えて、景色を撮っているところらしい。
「……………………」
「……あのー聞いてる?」
「……鳥、見てるから」
聞こえるかどうか怪しいボリュームでポツリと一言。食べ物に興味がなければ、他人にも関心がないのだ。
「ふーん、バードウォッチングってやつかぁ。……あ、あそこにいる緑の鳥を見てるの?」
「……カワラヒワ」
ぐるりと首をアリサのほうに向けた。
「かわら……? なにそれ?」
「カワラヒワ。河原でよく見かけるから、カワラヒワ。翼と尾にある黄色の斑が特徴……翼を広げるとよく見えるんだけど。でも、そんなに珍しい鳥じゃないわ。よく町にも来るし、見たことあるでしょ?」
「え? 見たことは……」
「好きな食べ物は植物の種。ヒマワリの種とかも食べるの。カワラヒワさんを探したいときは、夏の間はヒマワリの近くを探すと結構いたりするわ。それでも見つからないときは……」
「……って! 一方的に話し過ぎだから!」
「……?」
会話は言葉のキャッチボールなの……と説く彼女を、天吏はぼんやりと見つめた。
どこに問題があったのかはよくわからないが、機嫌を損ねてしまったということは何か変なことをしてしまったらしい。
コミュニケーション能力が低いのは自覚しているが、かといってどうすればいいのかはよくわからない。
——人と意思疎通するのって難しいわね。もっと鳥の話、したかったんだけど……。
ひとしきり話したあと、あなたも頑張れば大丈夫、と何やら結論に到達したアリサは笑顔を振りまいて去っていった。
鳥の話じゃないので、天吏は上の空だったが。
——そうだ、カワラヒワさん。
視線を戻すと、既にカワラヒワの姿はなかった。
その代わり、コスモス畑には知人の姿があった。花に囲まれてすやすやと眠っている。
——御巫、さん……? あの子も来てたのね。鳥、見に来たのかしら……。
***
その日、
御巫 時子
が九夜山に行くことに決めたのは、友人に誘われてのことだった。
友『人』と言っても、人間ではない。寮の窓辺に姿を見せては、話し相手となってくれる野鳥のカワラヒワだ。
九夜山には、鳥の姿になってよく散歩に行くが、やっぱり友人と一緒が一番楽しい。
「ちょっと行ってきますね……」
まだ木の上で寝ているヨタカにそう告げて、カワラヒワに変身した時子はうろこ雲の散る秋の空に羽ばたいた。
ヨタカはまだ眠い眼を少しだけ開けて、小さくなっていく彼女の影を見送った。
カワラヒワに案内されたのは、くぬぎや楢の木が立ち並ぶ九夜山の森。澄んだ空気が心地いい。
——あれ? あそこにいるのって……?
木の下で、刀と寝太郎がお昼を食べているのが見えた。
「ん……これは辛子高菜か。こっちの梅、もらっていいか?」
「うん、いいよ。御剣君って、辛いの駄目なんだっけ、そう言えば」
「ああ、辛いのはどうもな……。変な汗出てくるし。これだけはどうも慣れなくて」
——ふふ、オニギリの話で盛り上がってます……。
それから、カワラヒワは、山の中の少し開けた場所に案内してくれた。
「……あ、コスモスの花」
一面にピンクのコスモス畑が広がっている。
『時子、気に入ってくれた?』
「はい。とっても。カワラヒワさんはなんでも知ってるんですね」
『え? えへへ……時子が喜んでくれて良かった』
カワラヒワは上機嫌で、ぱたぱたと羽ばたいた。
『……あ、そうだ。時子、おなか空いてない? ごはんにしない?』
「ごはん、ですか?」
——カワラヒワさんのごはんだと、種子でしょうか……?
食べ物の好みまでは鳥ではないので、それはちょっと遠慮したい。
「……心配してくれて、ありがとうございます。私はお弁当を持ってきたので大丈夫ですよ」
彼女は人の姿に戻ると、手頃な切り株に腰を下ろした。
お弁当を食べながら、小さな種子を探して、ちょこちょこ歩く友人の姿を、微笑ましく時子は見つめる。
——種の味はよくわからないけど、美味しそうに食べてるみたいですね。
九夜山には、カワラヒワの他にもたくさん友人がいる。例えば、短い尾と白いおなかのゴジュウカラ。
「こんにちは。ゴジュウカラさん。お忙しそうですね」
『やあ、時子。お散歩かい。今日は絶好の散歩日和だね』
それから、ノビタキやツグミも、時子を見つけると近くにやってきた。
「ノビタキさんもこんにちは。今日も綺麗な声ですね」
『ありがとう。そう言ってもらえるとうれしいよ。最近、喉の調子がいいんだ』
「ツグミさんは毛繕いをしているところですか?」
『ああ、食後の毛繕いが日課でね。時子もしたほうがいい。毛繕いは身だしなみだからね』
他にもたくさんの鳥たちが話をしに来てくれた。
彼女はコスモスの中に腰を下ろす。
青い空に、コスモスの花が揺れている。今日は、本当にいい陽気だ。
心地良さに誘われ、時子はうとうとと夢の中へ……。
……ふと、目が覚めると、空がオレンジ色に染まっていた。
「ヨタカさん?」
切り株にヨタカがとまっていた。
「……迎えに来てくれたんですね。ありがとうございます」
鳥の姿に変身して、ヨタカと一緒に帰路につく。
無口なヨタカはちらりと時子を見た。言葉を交わさなくても、彼の言いたいことはなんとなくわかる。
「今日はたくさんのお友達とお話できました。とても楽しかったですよ」
ふたつの影が森の上を飛んでいく。
その下では天吏がカメラを構えて、その姿を撮影していた。
——夜鷹さんの写真も撮れた。
今日1日で、大分メモ帳も黒くなった。
天吏にとっても今日は充実した1日になったようだ。
暮れなずむ空に消えるふたつの影に、もう1枚……と天吏はシャッターを切る。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
梅村象山
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月31日
参加申し込みの期限
2015年01月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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