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<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
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●赤月傾き、嵐迫る
岩山の裾に盛大に砂煙が上がってから約2時間。
赤い月は刻一刻と地平線に近づきつつある。
伊藤 佳奈
は青のオアシスで右目探索班の到着を首を長くして待っていた。
だから砂の波を乗り越えてやってくるラクダの影を見つけたときは本当に嬉しかった。手を振ると、ラクダの上から振り返す手が三つ。片方のラクダに乗っていたのは船の墓場から取って返してきた
恵御納 夏朝
、
音海 なぎさ
、もう片方のラクダは赤のオアシスで合流した
握 利平
だ。
てっきり船の墓場に遠征に出掛けた全員が戻って来るものと思っていた佳奈は首を傾げる。
「あれ? 他のみんなは?」
「それなんだけど」
なぎさが、他のみんなが二隻目の船を見つけて船の墓場に残ったことを佳奈に話して聞かせてくれた。
「そっかあ……皆、無事だといいけど」
「大丈夫さ」
疑いのないことだ、というように利平が笑うと、頭の上の青いオウムが、肩の上のサルと喧嘩しながら『オッパイ! オッパイ!』と激しく鳴いた。
「あれ? それ、みゆきちゃんが連れてたオウムだぁ」
「そうだったのか。途中、緑のオアシスで『フネウゴク アオメザセ』って伝言訊いたぜ」
そのオウムが今『オッパイ!』しか云わなくなっているのは、利平が教え込んだからである。
「まったく、こんなときによくそんな馬鹿らしいことを思いつくものだにゃー!」
夏朝は手に嵌めたパペットのにゃーくんをパクパクさせて呆れたように云ったが、その響きはどこか楽しげでもあった。後半、辛い砂漠の旅を、利平がムードメーカーとなって進んできたのだろう。
「それで、船は動いたの?」
なぎさが話を戻す。
「たぶん」
佳奈は砂煙が上がった直後に<イマアイニユキマス>でみんなの行方を調べていた。光の線は、皆が山裾へ移動したことを教えてくれた。しかし船や皆が無事なのかまでは知る術がなかった。
「一人で見に行ってみようか、でもみんなを待たなくちゃ、ってすごくやきもきしてたんだから」
そんなことを話していると、岩山の方から黄色いオウムが甲高く喚きながら飛んで来た。
『アシニテガミ! アシニテガミ!』
見れば、オウムの脚には、紙切れがぎゅっと縛られている。
なぎさはオウムを捕まえると脚の手紙を解いた。
「八神君からだ。みんなも船も無事……だって」
よかった、とみんなの顔に安堵の微笑みが浮かぶ。
「あ、船の詳しい位置も書いてあるよ」
なぎさが地図を見せると佳奈は、がぜん元気を取り戻して云った。
「行こう! 嵐が来る前に船に乗り込まないと。あたしたちだけ乗り遅れたらまぬけだもんねぇ?」
「ああ、そうだな」
利平は空を見上げる。いつのまにか赤い空と地平線の境目に、銅色の帯ができている。くん、と鼻をひくつかせる。乾いた砂の匂いの中に微かに湿っぽさが混じりつつある。
「ひと雨来るな」
「わかるの?」
「漁師の息子だからな」
「……この砂漠が全部海になるその光景ってどんなだろう?」
佳奈は想像を膨らませた。それはとても素晴らしい景色のように思えた。
行くよ、となぎさの声が掛かる。ここから先はラクダが行きたがらない。礼を云ってラクダたちと別れる。
(きっとあたし、この冒険のこと忘れられないと思うよ)
振り返る。赤い月光の下、徐々に遠のくオアシス、のんびりと草を食むラクダたち。
佳奈は前を向いた。
「ロロレンロ」
手紙にあった地図を片手に、光の道が指し示す方へ真っ直ぐ歩き出す。
まもなく四人の視界に、砂の中に半分頭を突っ込んだ紅梟号が見えてきた。
◇
「みんな、大丈夫!? ……と、わぷっ!」
紅梟号に乗り込んだ佳奈たち四人はハグの嵐で迎えられた。
船長室には果物やお茶、持っていたお菓子などが広げて楽しそうに歓談しながら、船の墓場に向かったみんなの到着を今や遅しと待っていたのだ。
「お疲れ様だったわね!」
蛇那伊はじめ、船を引くときに下船していた天野、豪、梅の四人もちゃんと船に揃っている。
船を下ろすのに尽力した海も目をさまし、友人たちに囲まれて和やかな笑みを浮かべている。
佳奈たちと紅梟号のみんなは無事を喜び合った後、互いにどんなことがあったのかを話した。
船の墓場で使えそうな船を見つけたこと、『紅梟の右目』を探すために皆残ったこと。
ロク鳥との戦いのこと、船を山から降ろした時のこと。
治療しなければならないような重症者が誰も出なかったのは幸いだ。
気にかかるのは、夏朝たちが船の墓場を発ったあと探索班のみんなが『右目』を手に入れたのか、今どうしているのか、ということであったが、それを紅梟号側で知ることは叶わなかった。
その件についてコウは、腕組みし真面目な顔でこう云うに留めた。
「今更なにも出来ん。祈るしかない」
風が強くなってきた。
地平線にあった重たい銅色の雲が、見る間に上空を覆ってゆく。
切れ切れの雲に見え隠れしていた赤い月が、とうとう分厚い銅の帯の中に消えた。
月の光が隠れると、あたりは夜のように暗くなり、風も急に冷たくなった。
紅梟号の乗員は、全員が甲板に出て固唾を呑んで見守っていた。
「乗組員、点呼ーっ!」
夏朝が叫んだ。応えたのは23人。右目探索班の9人を除く全員が乗船しているのを確認し、夏朝は遠く船の墓場の方角を見つめる。
(万事うまく行ってますように……!)
ポツリ、天から一滴、雨が落ちた。雨は乾いた砂の上に落ち、一粒の染みとなる。
それが、この赤い寝子島の魔法を解くための呪文だった、というように。
――砂漠は、突然、海に変わった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月11日
参加申し込みの期限
2015年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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